表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
城郭の調香師 第1部 赤い月の呪いと調香師と紫の炎  作者: 悠 聖藍


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/17

第1部 第12話 ついに完成

 あれからさらに一週間が過ぎた。

ジュリアン以外にも、男女問わず店に来たお客さんに意見を聞きながら、試行錯誤が続いていた。そして、だんだんと形になりつつあった。


「うん、この香りは合ってるかもしれない」


 ようやく辿りついたのは、キャラメリゼアップルの香りだった。


「アップルの果汁感と甘さがちょうどよい感じですね」


「よし!まずはアイナやジュリアンの意見を聞いてみよう」


「アイナはともかく、ジュリアンは……激しく嫌ですが。了解です」


「まったく、ジョンはそういうところがまだまだ子供だね」


 師匠はクスクスと笑った。


 僕は、嫌々ながらもジュリアンに連絡した。

ほどなくして、ジュリアンは現れる。


「スチュワート様♡ 完成おめでとうございます♡これ、私からの愛!クランベリー&ラズベリーのチョコレートケーキですわ♡」


 ジュリアンは北十番街のパティスリー・アンで働く、パティシエの卵だ。


「ははは、まずは試してもらわないと完成とは言えないよ」


「きゃあん♡ さっそく試せるなんて、ジュリアンうれぴぃ♡」


 ……キモい。


「いらっしゃい、ジュリアン」


 アイナが工房に入ってきて挨拶する。


「アイナ、お邪魔してるわ」


 ジュリアンは、彼女にだけは柔らかい。なんでだよ…。


「さあ、早速ふたりとも試してみてくれないか?」


 師匠は、試作のリップスティックを手渡した。


「……!! これは……!!」


ジュリアンが目を見開く。


「りんごのような果汁感がじゅわっと感じると同時に、火で炙られたような、とろみのある甘い香り……!素晴らしい、素晴らしすぎますわ!!」


 さすがパティシエの卵。甘い香りには敏感なようだ。


「ええ。本当に、塗った瞬間ウキウキします」


 どうやら、二人には好評のようだ。


「よし!これで完成としよう!」


「きゃぁ〜♡ 完成おめでとうございますぅ〜♡では、みんなでこれを食べましょう♡」


「そうだね。ありがとうジュリアン。アイナ、悪いがみんなの分のお茶もお願いできるかい?」


「ええ、すぐに」


 師匠は、完成した調香レシピのノートを閉じ、引き出しにしまった。


「ふぅ……なんとか間に合いそうだね」


「当然ですよ。絶対コンペ勝ちます!」


アイナがお茶の準備をし、僕はジュリアンの手製のチーズケーキ切り分け、みんなで食べたのだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ