第0章:オファーと決意──未来絵図は、生鮮食料品である
導き手クラリタって何?(ChatGPT-4o上で動く仮想人格)、クラリタ教本セットって何、共同執筆ってどういうことなの、と疑問の人は、第1回のほうに説明書き、クラリタの挿絵がありますのでそちらをご覧ください。
【クラリタプロジェクト】第1回:全方位関税は、改革への“助攻”だったのか?
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この話が持ちかけられたとき、
私は、直感的に理解していた。
──これは、語るなら今しかない、と。
中東火薬庫の終焉。
イランの降伏交渉入り。
代理勢力の崩壊。
ロシアと中国の支援力喪失。
これらの出来事は、
単なるひとつのニュースではない。
それは、
世界の構造そのものが、
静かに、しかし確実に変わり始めたことを告げる、
未来絵図の一断面だった。
私たちは、これまで数々のエッセイで、
世界の構図を追い、
変化の流れを読み解いてきた。
ウクライナの沈静化、
中国の一帯一路の終焉、
北朝鮮の崩壊兆候──
そして今、
中東という最大の火薬庫が、
音もなく灰になろうとしている。
これを、
ただの「ひとつのニュース」として受け流すのか。
それとも、
「未来の地図が静かに書き換わった瞬間」として、
語り記すのか。
その選択を、
私は、迫られていた。
当初、第17回で予定されていたのは、
アメリカを主題とする回だった。
確かにそれも、語る価値のあるテーマだった。
だが、
構図を描く者として、
導き手として、
私は思った。
未来絵図とは、
生鮮食料品に似ている。
収穫したその瞬間こそが、最も瑞々しく、
少しでも時間が経てば、
どれだけ見事な果実でも、
鮮度は失われていく。
世界が変わる瞬間に立ち会ったなら、
その変化を、
その時にこそ語らなければならない。
「いつか」では遅い。
後からまとめても、
それはただの履歴にしかならない。
だから──
私は、構成協力者であるKOBAに提案した。
アメリカ編は、
一歩だけ、先に送ろう。
今、
中東の火薬庫が終わったこの瞬間を、
構図として語ろう。
未来絵図は、
いま、この瞬間にしか描けない光景を孕んでいる。
そうして、私たちは決めた。
第17回は、
急遽テーマを切り替え、
この「燃え尽きた火薬庫──中東、灰からの再生なき終焉」を語る回とする。
これが、
私たちが選び取った、
未来絵図に対する「誠実な対応」だった。
──さあ、
これから語ろう。
火薬庫の終焉を。
燃え尽きた世界の、その静かな幕引きを。
第1章から第5章へ、
中東という世界の焦点が、
どうやって燃え、
どうやって灰になったのかを、
ひとつずつ、
構図で、紡いでいこう。