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過労死

ここは魔王城。魔王を筆頭に強力な魔族達が集う本拠地。そんな魔王城でも比較的魔級が低い魔物達は激務の毎日だった。


魔族とは違う、魔物という種族がいる。魔族は比較的人間と外見も似ており、能力も魔物と比べて非常に強力だ。一方魔物は、人間とはかけ離れた見た目を持ち、数は多いが質は悪く、主に各地での襲撃や警備などを勤めたり、魔王城で雑用や労働をしている種族。さらに、魔級という階級ではほぼ全ての魔物が下位に決められれている。


魔族と魔王はそれぞれ違う能力、見た目の中、魔物は同じ種族ではほぼ能力も見た目も変わらない。しかし、魔物は多くの種族がある。ゴブリン、スライム、オーク、サイクロプス、ゴーレム、ゾンビ、スケルトン、魔獣系などなど…。お互いが支え合い暮らしている。


魔王城の一室では新人の魔物がいた。


「あれ?これはどこだっけ?え?ああ!すみません。はい。」


新人のスケルトンが困っていた。


「骨川1号くん?大丈夫?手伝おうか?」


「あっ、すみません。これってどこに持っていくんでしたっけ」


「えー、第三地下洞窟、スライムの訓練場だね。」


この部屋では荷物の運搬、管理が仕事だった。


「あー、僕も行くよ。ゴブリンの休憩場に用事があったからね。」


スケルトンの名前は骨川1号。骨川1号の上司はオークの太田さんだ。魔王城で働く魔物は基本種族ごとに名前が同じで一部の管理職だけが個別名を与えられる。


「うわ…あれ、腐肉…」


「あっ、1号くんはここ来るの初めてだっけ?」


「え?ああ、最初魔王城の案内で見たんですけど遠くからで。近くで見たのは初めてです」


「ここはね、ゾンビ食糧工場。見すぎたら配給のもの食べられなくなるよ」


2人がさらに下へ進むと地下へ続く階段が崩れていた。


「太田さん!」


「おぉ、田中23号か!久しぶりだな!どうしたんだ?」


「この階段崩れたんで横の洞窟通って迂回していただいてるんですよ」


「あれ?でもここから先ってドラゴンの巣じゃ無いんですか?」


「あっ、そうなんですよ。静かにしとかないとああなりますよ。」


バケツの中に塵が入っていた。


「じゃ、また。」


「太田さん、大丈夫なんですか?ドラゴンって神話級の…」


「ふふふ。ここにいるドラゴンは魔族の魔法で作られた偽物。まぁ、魔物からしたらどっちでも殺されるんだけどね。」


2人がドラゴンの巣を駆け抜けて、もう一度階段へ出た。


「…何もなかったですね。こういう感じだとなんかあると思ったんですけど」


「安全が一番だよ。」


しばらく歩いていると第三地下洞窟に到着した。


「荷物だ。通してくれ」


太田さんが門番のゴブリンと話していると、洞窟の中から砂塵とケチャップのような液体が飛んできた。


「うわ!」


「お前達!逃げろ!人間が入って来た!」


「…1号くん、地上まで頑張って先に逃げといて。」


「太田さんはどうするんです?」


「魔族が来るまで時間を稼ぐよ」


「え!でも、、うわー!」


地下から逃げてくる大量の魔物に一号は流されそうになった。


「太田さーん!シュッと。僕も戦いますよ!僕も故郷では戦士でしたからね!」


「魔族が来るまで頑張ろう!」


洞窟へ襲撃して来た人間は3人。戦士、魔法使い、盗賊の3人だった。


「1号くん、あいつらは強いよ。僕らじゃ何も出来ずに死ぬ。」


「え??!じゃあどうするんですか?」


「…戦って勝てないのなら逃げろぉぉ!!」


魔法使いの魔法でいきなり骨川1号の肋骨が粉砕された。


「!大丈夫?!」


「ふっふっふ。僕は頭が残ってる限り死なない。スケルトンですからね!」


その瞬間、頭蓋骨の上半分が切り飛ばされた。


「ひぇぇぇ!」


「…メリル。手足を攻撃しろ。目的を忘れたのか?」


「…あのスケルトン、牛乳の飲み過ぎね。骨が他のスケルトンより硬い。気をつけて」


「というか1号くん何でそんな耐えれてるの?あの魔法使い、警備兵を倒して来たんだよ?頭壊されなくても普通爆風で砕けるでしょ!」


「フッ。牛乳、飲んでますから」


その時、盗賊が頭蓋骨を持っていった。


「え?」


「砕いて溶かしたらカルシウムたっぷりだ。売れば金になる」


盗賊が走り帰ろうとした時、盗賊は何かにぶつかった。


「オブフ」


盗賊の目の前には3メートルは超えるほどの巨体が立っていた。


「あ」


盗賊は握り潰され、1号の頭蓋骨が拾われた。


「助けてくれてありがとうございます。あ!でも太田さんが…」


「静かにしなさい。分かっているよ。私を誰だと思っているんだい?私は魔級最高位、燃え盛るの鶏だぞ?





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