神城梓
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内田と僕は再び合流し、街をフラフラする。
「さっきの子は良かったのか?」
「別にいんだよ。そう言うつもりで助けたわけじゃないし。」
「さっきはかっこ良かったぞ。」
そう言いながら内田はそっと肩を叩かれる。
「うるせえ!」
「照れんなよ。これからどうする?」
「マックでも入るか。」
「俺限定のシェイク飲むわ。」
それからマックに入り、僕はSのコーラ、内田はスパチキのセットを頼んで、2階のイートインスペースに座る。
「そういえば今海野って彼女とかいるのか?」
「いないぞ。」
「そうか。だよなっ!」
内田はふっと微笑む。
「だよなってなんだよ。てか、どうしたら彼女ってできるんだろ。」
「整形。」
「やめろよ。心が痛くなる。」
「まあまあ、このエアプ恋愛マスター内田が教えてあげよう。」
「エアプなんだ……」
「ちなみに告白の勝率は100%だ。」
「ちなみに累計の回数は?」
「0回。」
「……それ0パーじゃね?」
「負けた回数は0。」
「勝った回数も0なんだよな……」
「そんなことはどうでもいい!」
「どうでもよくはない。」
「まあなんたってエアプだからな。いいか!塾生よ!」
「あ、ここ塾なんだ。」
「この一年間は様々なイベントがある。体育祭、校外学習、夏休み、文化祭、球技大会、修学旅行、クリスマス、正月、バレンタイン。あ、ちなみにわた……俺がチョコをもらった回数は0。」
「大丈夫。僕もだ。」
これまでの日々、バレンタインもクリスマスも男磨きに勤しんできたからな。
「いいか、多分この中で女子と仲良くなる機会が一回くらいはあるはずだ。」
「そうだな。」
「そこで頑張ろう。」
「そうだな。」
すんごい中身がない話だな。
そこから二人で雑談をした後、別れた。
翌日、学校に行き、教室に入ると、一人の女子に話しかけられた。
「あ、あの、昨日……助けてくれた……海野くんですよね。」
「あ、えっと、はい。」
「あ、えっと」って言っちゃったよ。恥ずかしい。
「その、昨日はありがとうございました。」
「どういたしまして。」
「ラインとか交換しませんか?」
「あ、いいよ。」
それから連絡先を交換した。連絡先を交換すると、その女子は早々に去って行った。
大丈夫か?もしかしたらどっか変だったのか?
少し心配になった。
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