小暑
「ここどこだよ────」
引っ越し先はとてつもない田舎だった。
聞いたこともない街、いや町か。
「一通りやることやったし町でも見に行くか」
そういって家を出ると畑、畑、畑、家。
なにもない光景が広がっていた。
街を歩くとあるのは学校というには小さすぎる建物や無人販売所、川など典型的な田舎であった。
「あと駄菓子やっていつの時代だよ────」
思わずツッコんでしまった。
「行ってみるか、」
そう言って駄菓子屋に向かった。
駄菓子屋の中には大量の駄菓子があった。そりゃ駄菓子屋だからな。
あとはおばあちゃんがひとり座っていた。
「ラムネってありますか?───」
「外に冷えてるのがあるよ。」
「お兄さんこの町の人じゃないやね、親戚さんとかなのかな?」
「あ、いや、引っ越してきたんですよ~」
いつになっても初対面の人と話すのは苦手だ。
いつになっても、昔から。
「おばあちゃーーーーーーーーーーーーん!!!!」
馬鹿みたいにでかい声が聞こえたと同時に
黒い髪でセーラー服をきた子がやってきた。
とても目がきれいだ
青くきれいな瞳をしている
まるでビー玉のような。
「ラムネ一つ!」
その子はまたもや馬鹿みたいにでかい声でそう言った。
「百円だよー」
そういわれると少女は制服のポケットから百円を渡した。
「じゃあこれで」
そういって俺も百円を渡した。
「お兄さんこの町の人じゃないよねーー?」
「引っ越してきたんだってさ」
「こんな田舎によく引っ越そうと思ったよねーー」
これ次から会う人のたびにこのくだりやるんだろな。
果てしない時間のかかることとやら。
ラムネがぬるくなっちまうよ
第二話 小暑 いかがだったでしょうか。
ついに田舎に引っ越しをしというところです。
この少女は誰なのか、などまだまだ気になるところはあると思いますが今回はここで終わりです。
まだまだ話は続きますので今後ともよろしくお願いいたします。
すい