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初戦闘&偽造カードで入国!アーバン王国!




外が明るい...


兄とモチのはしゃぐ声が聞こえる。

そうだ昨日魔力循環をして…そのあとの事は覚えてないから寝ちゃったんだろうな。

皆起きて外にいるみたいなので、私も起き上がってテントから出る。


「おはよう」

「あら、おはようセイちゃん。気分はどう?」

「まだ眠い... まだ寝たい...」

「そうね...顔色も悪くないし。ちょっとおでこ触るわね..」と母が「ヒール」と唱えると体が軽くなった。

「体が軽くなったよ!すごい!これって治癒魔法!?」

「あら、一気に元気になったわね。そうよ治癒魔法よ。今日はアーバン王国に行くからね。それまで頑張りましょう。」

「うん!」


朝ごはんは昨日のオランのジャムをパンに乗せたもの。

そして昨日焼いたお肉のあまりをスープにリメイクしたものだった。


「よしっ食ったか!

ゴウもセイもよく頑張ったな。今日でひとまずアーバン王国に着く予定だ。

こういう時は気が抜けるからな、しっかり気を張れよ。

あと昨日の予定通り、歩くときに俺は気配を消す。とりあえず2人とモチで対処してみろ。」


「おう。気を引き締めないとな」

「気を付けながらね。頑張ろう」

『僕も注意するよ』


「じゃあ今日はまず徒歩で1時間。そのあと飛翔で一気に王国の手前まで行くぞ」




父が気配を消した状態で森を進んでいる。


しばらくすると...

『二人とも!なんか来るよ!臭い!』

「わかった、セイ。構えとけ」

「うん。」すぐに魔法が展開できるように手に魔力を巡らせる。


「「ゴブリンだっ」」


グギャ


3体いた。こちらに気が付き武器を構えて走って向かってくる。


「サンダーアロー!!!」

「ライニングアロー!!」

二人とも初めての戦闘で手元が震えてあたらない


ゴブリンがすぐ近くに迫ってきた!


『シールドっ』

モチが私たちの前にシールドを張ってくれ、ゴブリンたちの攻撃を防ぐことが出来た


「各自1体!確実にだ!」


至近距離だ。魔法を変えて

「アイス!」相手の足元を凍らせて身動きを取れなくする。

「ライニングアロー」胸元めがけて放つ。


ギャッ  


まずは1体倒せた。


兄は「ウォーターボール」と2体の上に大き目の水球を出現させ、落とした。

2体のゴブリンと辺り一面ずぶぬれになったところで


「セイ!モチ!離れてろ!...放電っ!!」

地面に手をついて電気を重いっ切り流す。

すると2体は焦げて倒れた。


「お兄ちゃん!大丈夫!?」「セイもモチも大丈夫か?」

「うん。かなり気持ち悪かったけど嫌悪感はないね。生物を殺したからもっと罪悪感出ると思った。」

「そうか。俺も同じだな。魔物に対してそういう感情が湧かないのかもな。」

『僕...役に立った?』

「十分だよ!あそこでシールド張ってくれたからケガもないし余裕が出来たんだよ!」

「そうだぞ。ありがとうな。」

3人で輪になってお互いを称えあう。


「よーし。お前ら!よくやったな!

反省点はいろいろあるが、まずはケガもしてないしよく倒したと思うぞ。

その幼児体型で動きにくいだろうにな。」

「そうね。何より、しっかり倒したものね。途中で怖気づいてしまう事もあるのよ。

そくやったわ。とりあえず討伐証明として耳、切り取ってしまっておきなさい。」



兄が2、私が1。それぞれ倒したゴブリンの耳を切り取りアイテムボックスへしまう。残った体は燃やして処理をした。


その後歩きながら、冒険者ギルドの存在も教えてくれた。討伐した魔物は証明部分を持っていけばお金と換金してくれ、貴重な魔物ほど高値で売れるとのこと。

冒険者にはランクがあり、上からS>AA>A>B>C>D>E>F>Gとランク分けされている。

ちなみに両親のギルドランクはS。2人の本気は知らないが、Sランクとは相当強いのだと思う。

登録は10才から出来るとのこと。仮登録は8歳からで簡単な清掃作業や従魔のお世話のお仕事が出来るらしい。

この世の中は小さい子でも貧しい環境にいる子は働かざるを得ない。

お母さんの国では、保護システムがあるため子供は働かず学校で学ぶのが一般的になってはいるらしい。しかし、まだまだ子供が働いている国は多いとのこと。

どの世界も変わらないんだな。とふと思ってしまった。


そんな話をしていて、たまにホーンラビットなど小さい魔物が出たが、先ほどの様に手が震えることは無かった。まず相手が動かないように拘束してから留めを打ち、手こずることなく仕留めることが出来た。

「いいな2人とも。連携がうまく取れてる。しっかりと相手の動きを止める戦法は今のお前らには大切だ。動きがついていけないからな。モチもすぐにシールドを張っててえらいぞ。安全第一だからな。」


「じゃあそろそろ飛んで大国近くまで行きましょうか。」

「そうだな。」

「やっとか。いい宿取ってくれお父さん」

「源泉かけ流し宿でお願いします。」

『僕ふかふかベッド』


「...お前らな」




「お父さん!あれ!?アーバン王国!」


だんだんと国を覆うように建てられた防壁が見えてきた。

「ああ。あれだ。一端人気のないところへ降りるぞ。

今はみんなに不可視の魔法掛けてあるから防壁にいる兵隊には見えていないと思うが、あまり騒ぐなよ」

と防壁が近づく前に森へと降りる。


「まずは変装するぞ。」

といつもの様にネックレスをかけて変装する。

皆茶色の髪と瞳へと変化した。


「次は注意事項ね。まず、セイちゃんあなたはまだ3才。いい?あなたは今、3才」

「うん。わたちはしゃんしゃいっ(3才)まほうはちゅかえ(使え)ない!」

目をきゅるんッとしてみる。


「合格よ。

次にゴウ。あなたは今生活魔法しか使えないの。初級魔法に憧れているお年頃よ」

「お、おう。俺は生活魔法なら全部使えるんだぜっ!すごいだろ!」

腕の筋肉を見せている。魔法≠筋肉。あほっぽい!さすがの演技力だわ!兄貴!


「うん。いいわ。痛い少年って感じで。でも全部使えちゃすごいからね。全部はなしよ。

次に、モチちゃん。いらっしゃい。あなたはこのバンダナをつけてね。」

と母がモチの首に青色の鮮やかなバンダナを付けた


『似合うっ?!僕この水色のやつ気に入った!』

「モチちゃん。合格。100万点よ。

後はお父さん。変装はもっと太ってください。体格良くてモテちゃうわ。」


「お、おう。そうか...動きやすいんだけどな。」照れてる父。まんざらでもなさそうだ。


「お父さん。確かにかっこいいね今のままだと。」

お父さんは異世界で勇者補正が入ったのか顔もワイルドイケメンすぎる。


「お母さんももっと太ったほうがムゴッ「お母さんは今だとちょっと奇麗すぎない?

もうちょっと顔隠さないと!あと体型もブカブカでラインが見えない服とか着たらっ?」

兄が馬鹿な提案をしたので急いで口を塞いだ。


「あら。嬉しいわね。あとでセイちゃん私にとっておきのお菓子をあげちゃうわっ。

確かに面倒ごとは嫌ね。変装も入念にしましょうか。あとお兄ちゃん。ちょっと面ぁ貸してくれるかしら?」

ニコニコと黒い笑みを浮かべて兄に否を言わせない様子だ。


「お、おう。」

「あなたには女性への配慮についてきっちり話しておきましょう」


兄は連行されていった。


『お母さん光属性なのに闇属性まとってるみたいだった』とモチ

「光と闇は表裏一体...」と父


…しばらくすると2人が戻ってきた

兄は少し疲れた顔で帰ってきた。ご愁傷さまでした。



「じゃあ、準備はできたかしら?」


『「「うん!」』』

「よし、じゃあアーバン王国に入るぞ!気を引き締めろ!」


防壁の前まで来た。

今は国へ入るため入国手続きの列で並んでいる。

「壁高いな」「高すぎて上を見上げるのが疲れちゃうね」

「一応ここが国を守る一番の要になるからな。魔物とかは鳥類もいるから対応するためになるべく高く作るんだ。」

「なるほどな。っと、そろそろ入れそうだな!」と兄

「お兄ちゃん!何があるんだろう!楽しみだね!」私はワクワクが止まらない


今回、入国するには国民ではないため、冒険者ギルドのカードを見せればいいのだが、2人はSランク。しかも勇者と聖女だ。ばれたら騒動になる事は目に見えている。

そこで改めて2人は冒険者ギルドから特別に許可された偽造カードで入国する。

偽装カードで入国!痺れるぜ!※やってはいけません犯罪です。


「はい!次の者!」

「はい。家族で来ました。俺たち2人は冒険者です」

父が門番にカードを見せる。

「よし。通っていいぞ。

子供たちも長旅ご苦労さん!ゆっくりしていってくれ!」


「おい見てみろ。ここがアーバン王国だ。」


「おおおお!でかい!人がいっぱいいる!屋台!」

「ここはスクランブル交差点か!あ!お洋服屋さん!」

兄も私も興奮ぎみだ。

そんな私たちを見かねて父が兄と私を抱き上げる。


「おお。なんだいきなり」

「目線が高い!」

「お前らはしゃぎすぎると迷子になるからな。人に流されちまう」


『お母さん僕も!抱っこして!人が多くて流されちゃう!』

「そうね!モチちゃんおいで」

とモチはお母さんに抱っこされて満足そうだ。


「よしっ、今は正午だ!先に宿をとって余力があるなら昼食後、町を見てみるか」


そうして私たちはようやくアーバン王国に入ることが出来た。


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