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攻撃魔法してみましょう エイッ




モチと再会を果たした後私たちは世界樹から出てまた歩みを進めている。

が、私と兄は今巨大化したモチの上に座って進んでもらっている。


「モチ乗り心地最高。眠くなってきた~」と兄があくびしながら言う

「だめだよ眠くなっちゃ。このあと飛翔だもん」


「そうね。今は大体1時頃だからあと1回飛翔してその後徒歩で進んで今日はおしまいね。確か、モチは飛べるのよね?」


『僕飛べるよ!怖いのから逃げてた時空飛べちゃったんだ。』


「すごいな。じゃあ今回二人ともモチの上に載って飛翔するか?」

「うん!そうする~!」「俺もそれがいい」

もう私たちはモチのもふもふから離れたくないのだ。



しばらく歩いていたがそろそろ飛翔して進む頃合いなので、私たち兄弟はモチに乗ったまま飛翔した。無重力となり体重がかからなくなったところで

ダンッ 

モチは勢いよく後ろ足で地面を蹴った。そして何度か空中で走るように手足を動かし上昇。

飛翔とは違いモチは本当に空中で走っているかの様だ。


「不思議!空中に地面があるみたいだね」

「うん。モチ!すごいぞ!かっこいい!」


『へへーん。僕すごいでしょ!』

モチも空を飛べる事が嬉しそうだ。


「うん。大丈夫そうだな。んじゃこのまま進むか」



「今日はこの辺で少し休むか」

私たちは1時間くらい飛翔し開けた土地に降りる。


「それにしても2人共大丈夫?くたくたじゃない」


そう。モチのテンションが上がってしまい、揺れる揺れるわスピード上げるわで車酔いならぬモチ酔いだ。

『ごめんね...はしゃぎすぎちゃった』

「いや、久しぶりのお散歩だもんな。嬉しかったんだろ?ならいいんだ...」弱弱しく兄がファーローする。


「かなり進んだな。明日にはアーバン王国につくんじゃないか?」

「そうね。それならまず明日からは変装をしっかりしましょう。

モチにも従魔の証のアクセサリーをつけましょうね。」


「おおお早かったな。飛翔でルートを大分縮められたんだな。」

「飛翔練習してコントロールできるようにしたいな~。」

「ん。そうだな。二人とも徒歩の後に、時間あったら練習するぞ」


「まずは少し休んでまた進みましょうか」


休憩を終え今は森を散策中

「なんかないかな...おいしい果物とか。おれ前も探したけど全然見つけられないんだよな」

「魔物もお父さんのオーラが強すぎて寄ってこないしね。お父さんオーラ消すこと出来ないの?」

「ん?出来るぞ。お前ら魔物と戦いたいのか?」

「戦いたいっていうのは違うな。ただ危険は知っておきたいんだ。あと自分の攻撃魔法も試したい」

「確かに。どれくらい自衛が出来るか確かめてもいいかもしれないわね。

国に入る前に確認しておくことは得策だと思うわ」


「そうだな...この後に強さのチェックをするか。明日から俺は気配を消すからその時に2人で挑戦してみるか?」


「「うん!」」

『僕も!』「ん。モチもな」


しばらく歩いていると、

『ねえねえゴウ君。いい匂いがあっちからするよ』

「それは気になるな。お父さん!モチがいい匂いするっていうんだ、寄っていいか?」

「ああ。気晴らしに行ってみるか」


モチはすんすんと鼻を動かして密林を進んでゆく

後についていくと


『あった!これ!美味しいやつ!』


そこには木になったオレンジ色の柑橘系の果物が沢山生っていた。


「これはオランだな。皮も料理に使えるし、実は糖度が高くてうまいんだ。

味はポンカンみたいな味だった気がするぞ。」


そういうと父がナイフを取り出し切り分けてくれた。

「食ってみろ」


実はかなり赤みが強い。パクっと口に入れる


「「あっま~」」兄も私もほっぺを抑える


『おいしい!もっともっと!お父さん!』

お座りしてお手している。お手の連打攻撃を父にしている


「モチ!わかったから落ち着けっ!

お手は一回でいい!大きいから爪が肩にくいこんで痛いわ!」

痛そうだな。悪気がないところがかわいい。


「やっぱりおいしいわね。これはあまり町で流通してないから旅の特権でもあるわよね」

「ねぇお母さん。これって収穫してもいいの?」

「大丈夫よ。森にはたくさんあるから。」


「お兄ちゃん!アイテムボックスに収納してみようよ!」

「いいな。これは風魔法でこの果物落とせるかな。とりあえず試すか」


二人でウィンドを展開するが実を揺さぶっても落ちない。


「まだお前ら制御できないだろう。風魔法は大雑把にみえて繊細なコントロールがいるからな。

今回の場合じゃすこし2人には早い。

そこで光魔法と雷魔法だ。この属性はどちらも鋭い刃が創れるんだ。

光はお母さんがやってくれるか?雷は俺が見せる。」


そういって母は光属性で手から腕にかけて弧を描くように刃が形成した。父も同様だが、ジジジジと雷特有の音が鳴っている。

その刃を果物の生ってる上の枝に当てるとスパッっと切れた。


「おお!これならコントロールがいらないね!」

「手元にあるからぶれないし今の俺らにピッタリだな」


自分たちも魔法で刃を作ってみる。

指先だけでも長さは十分なので、人差し指の脇に刃を形成。

「お。セイは賢いな。確かに体のどこでも作れるからな。省エネ思考は大切だ。」

「あ、いいな、俺も真似しよう。」兄も指先で刃を形成。

なんなく魔法は展開しサクサクと収穫と収納を進めていく。


3割程度収穫したがかなりの量になった。

「お母さん、これでジャム作ろうよ。」

「ええ。美味しいでしょうね。皮も入れても美味しそうだわ。」

「紅茶に溶いたりしたらまた一層美味しそうだよね」

森の一角で優雅に紅茶を...なんて素敵なんだ


「お父さん今日の夕食このオラン使ったのにしよう!?」

「ああ。さっきからレシピが浮かびすぎてな。作りたくてうずうずしてる」

やめい。その図体でニヤニヤナイフ回すのは極悪人にしか見えない


「しかしそこまでお父さんが料理好きだとは知らなかった。俺も手伝っていいか?」

「もちろんだ。」

兄よお前もナイフを回すフリをしなくたっていいんだぞ。




「よしっここで今日は休むぞ」

森の開けたところを見つけ今日はここで休むことにした

今は3時くらいか。日が落ちるのは5時ごろだ。


「あんまり時間がないが少しの間、魔法の練習するか。

お母さん、少し先にご飯の準備しておいてくれないか?」


「ええ分かったわ。二人とも。もう進まないから魔法ジャンジャン使ってヘトヘトになってもいいわよ」

『僕も魔法練習しよーっと』

母はご飯の準備に。モチは練習に加わることになった。


「よし。まずは...「アースウォール」。

この的に思いつく限りの魔法を打て。強度は高いから思い切って大丈夫だ。」

父、その的黒くないか?土から出来たんなら黒くないはずだが...鉄っぽいのが何層もある。


「お、おう。これなら思いっきりやってもすぐ壊れないな。」

「じゃあやってみる。」



私「ライニングアロー」「ライニングバレッド」「ウィンドカッター」「ファイヤーボール」...

兄「サンダーアロー」「サンダーボール」「アイスランス」「ウィンドストーム」...

モチ『えいっ!…ゲフ』かわいい掛け声からは想像できないような威力の光の玉を、口から一気に放出した...


それぞれの得意属性でしばらくの間攻撃魔法を放つ。


「こ、こんなもんでいいか?」ハァハァ

「結構疲れる。一つ一つの魔法って体力使うね。」ハァハァ

兄も私も初めて攻撃魔法を使いへとへとだ。

『僕そんな連続して打てないや...』

モチ...一発の威力がとんでもないよ。的壊れてるよ。


「やっぱり光と雷属性は速いな。スピードが桁違いだ。ほかの属性の魔法も良くできてる。

ゴウの雷魔法は速いくせに威力も高いからな。周りに注意して使うように。

まぁ2人の攻撃魔法のイメージが、随分としっかりしてることが分かったよ。アニメとかよく見てたからなのかもな。

それと、モチはすごいな。一発一発の攻撃が強そうだな。さすが聖獣だ。

...見たところ2人はへとへとだな。だがせめて防御だけでも練習しておくぞ」

父よ。スパルタだ。


「防御はどんな方法があるか分かるか?」


「う~ん。シールド?」

「あんまりわかんないな。身体強化とかか?」


「主に無属性をイメージするだろうな。モチっ!シールド展開できるか?」


『うん!シールド!』

モチの目の前一面にガラスの膜みたいなものが現れた。

父がここに「サンダーアロー」をぶち込んだ。


『お父さん!怖いよ!』モチが涙目だ。

だがシールドに魔法がぶつかって砕けていた。


「いや~すまんな。なかなか強固なシールドだから。ついな。

2人ともわかったか?あんな感じにシールドが展開される。

強度は魔力を堅く籠めれば籠めるほど強固で頑丈になる。とりあえずやってみろ」


絶対防御をイメージして分厚く密度のあるシールドをイメージして展開する。

なかなか難しい。

と、父がコツコツシールドを叩く。が特に問題はない。

次に刃を創りシールドを切ってくる。こえぇ。数回叩き切られるとシールドにひびが入って割れてしまった。


兄も半球型のシールドを展開したが、父に魔法で叩き切られて崩れてしまう。


「うん。二人とも魔力の操作が出来てないから強固なものが創れないんだろう。

寝る前に魔力を体内で巡らせることを練習すると良いぞ。やっているうちに魔力の扱いが上手くなるからな」


それを聞いた兄は

「これは。寝る前に魔力操作して魔力を上げる最強無双ストーリー描けるかもな

セイ。」

「これは無双のテンプレだね。でも魔力操作の練習が必要だってこと今回の練習で分かってよかったね。」


その後練習を終えて夕飯作りを手伝う。


「お父さん。今日のご飯何?」聞くと

「今日はな。オランの皮を使ってお肉を焼いた香草焼きだ。

後はオランの実を輪切りにしてサラダに加えた、フレッシュサラダだな。」


「わかった。お兄ちゃん、食べれる野草取りに行こう。モチも!」

「そうだな。二人とも!俺とセイとモチで野草取ってくる!」

この世界でサラダは基本的に野草だ。甘味のある草や苦みのある草など沢山の種類があちらこちらにあり、取り放題だ。


『僕、嗅いで美味しいのと美味しくないの分かるよ!選別はまかせて!』

「お、助かる。頼むぞ。」


私たちは両親からあまり離れないように、野草を摘んでゆく。

「あ!これは瓜科の食材だよね。モチ!モチが好きそうなのあったよ!」

『なになに~!ってこれ僕が前好きだったきゅうりの匂いにそっくり!

セイ!もっと採って!』

「お、よかったなモチ。お前大好きだもんな。」

アイテムボックスへ持ちきれない量はどんどん入れてゆく。


沢山収穫した私たちはほくほく顔で両親のもとへ戻る

「「戻りましたー!」」『おいしいのいっぱい!』


「おーご苦労さん。どれどれ。

これは、きゅうりじゃないか!あ、こっちの世界ではそのまんまウリって名だがな。

良く見つけたな!これはうまそうに育ってるな。重いから水分量がありそうだ。

3人共ありがとな」


「あら。戻ったのね。モチは随分ホクホク顔ね。お疲れ様。

そうだゴウとセイ!これ味見してみて。」


ジャムだ。オランのジャムを作ってくれていた

一口スプーンですくって食べてみる


「「うっまーい!!!」」

「皮がうまい!少し苦みもあって!」「これは当たりだね!デパ地下で売れるよ!」

「よかったわ!これ明日の朝にパンに付けて食べようと思ったんだけど...今日も食べる?」


「「食べる!」」

「わかったわ。お父さんもこっちチラチラ見てるし。モチなんて涎がダラダラじゃない」


「「いっただっきまーす!」」「おう、食え食え」

お母さんはモチに、「お手、お替り!待てっ...ヨシっ」とご飯をあげている。


お肉は香草焼きだ。牛肉の様な肉がミディアムになっている。私は小さく切り、香草をべったりと付けて口に運ぶ。


「おいしい!オランの皮!乾燥させたから香りがいいね!」

皮を乾燥させて砕いてあるからか、香りが口に広がる。

「うまいな。この肉ってモーモーだろ?宿で出してた。」

「そうだ。この肉はなあまり焼きすぎないくらいが美味いんだ。」

脂身が少なくい赤身肉だ。さっぱりとした香草が良さを引き出している。


「お肉随分美味しそうに焼けてるわね。

…あら、このサラダ美味しいわね。随分甘味の濃い野草を取ってきたわね。すごいわ。」


「これはモチに選別してもらったんだ。鼻が利くからな」

『野草の事は僕にまかせて!』ウリをバキバキと食べながら誇らしそうに言っている。


「モチ、ウリは逃げていかないからゆっくり食え」



オランが大活躍な夕飯を食べ終えてテントに入り横になる。

「ふぅ~疲れたね。あ、魔力操作やらなきゃだね。お兄ちゃん」

「ああ忘れる所だった。とりあえずやってみるか。」

私も兄も日中の疲れで今にも寝そうなのだが、鞭打って行うことにした。


意識を内側に向け、お腹の付近の魔力を感じる。

魔力を感じるようになってくると、すこし温かい感じがする。これが魔力なのだろう。


ぐるんぐるんぐるん


感じられた熱(魔力)を体中に巡らせる。

深呼吸をし、お腹から体の隅へ意識を巡らせると...少し汗ばんできた。さっきクリーン掛けたばっかりなのだが。

出来る限り意識を巡らせ深呼吸を行っていたが、だんだんと意識が遠のきその日はそのまま眠ってしまった。

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