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ハイヒールは社畜カフェイン※与えすぎ注意




回復魔法の習得訓練


「いいか?まず光属性の魔法はお前ら属性持ちだから必ず使える。セイは得意属性だから恐らくコツが掴めれば簡単に使用ができると思うぞ。

そして、ゴウも光属性は使いやすい属性だと思うぞ。お母さんの子だからな。」


「じゃあまず、光属性のヒールを見せるわね。

魔法を行使する時のイメージは、細胞分裂の活発化と処置後の完治したイメージよ。ゴウくんの訓練で負った傷を治してみましょうか。ゴウくんは感じ取った魔力を覚えておいてね。


ヒール



どうかしら?」


ヒールをした瞬間、傷がじわじわと治っている。


「おおお、治ってる!患部がほんのり暖かく感じるな。」と兄


『凄い!僕この魔力好き!お母さんとセイちゃんから常にこの魔力感じるもん!』


「私なんか分かった気がするよ!やってみる!」

見ていて、なんとなくできそうな気がした。

兄の身体を探り傷を見つける。


「ヒール!」イメージ。完治する様に…患部の細胞を活性化される。


「おい。俺は実験体か。

おう、でも凄いなセイ。治ってきたわ。」


なかなかうまくいった様だ。得意属性って言うのはイメージが反映されやすいのだろうか…


「俺もやってみる。傷…おい、俺の傷がないぞ。

仕方ないな。…イッテ!


よし。イメージして…ヒールッ!」


自分に傷をつけて、傷を治している。ごめんよ兄、傷を奪って。そして、兄もヒールを成功させた様だ。なかなか素質があるな。


「おお、2人とも一発か。やるじゃないか。お父さんは習得に何回か失敗したんだぞ。やっぱりお母さんの遺伝子故だろうな。ちなみに俺はエクストラヒールまで出来るぞ。」


エクストラヒールは欠陥した部分を修復できる魔法で上位魔法である。さすが勇者というべきか。

ちなみにエクストラヒールを扱えるのはごく限られているらしい。魔力保持量が多いこと、コントロール力が高いこと、そして何より光属性を持っていること、3点が揃わないと習得すらできないからだ。


モチを見てみると、ポワポワと光を植物に飛ばしている。

「モ、モチモチ?(もしもし×モチ)何してるの?」


『ヒール飛ばしてるの!近くまで行かなくても、ヒールで援護できる様に!』


うんうん。発想が凄いね。モチ戦うの嫌いだもんね。影ながら支援しようとした結果なのね。

戦う努力をしない所が君の長所だ。


しかし凄いな。私も出来るかな。

…ヒールの時と同じ魔力を指先に込める。


「ヒール・蛍」


随分安直な名前だが、一番イメージしやすい詠唱だ。何も言うでない。

兄よ、察し。な顔をするでない。そうです。名前付けのセンスが皆無なんです。


放った魔法を、腐りかけてる木の根を対象に魔法を当ててみた。

すると、ホワッと光が木の根に溶けて行き腐っていた箇所が本来の健康的な姿に。


「おおお。夢のガーデニングライフが叶う日が!」

そうなのだ。前世では母も、私もお花が好きなのに植えて育てようとした植物は大体枯らしていたのだ。


父と母を見てみると、2人共無言で技を試している。


「おお!凄いな2人とも!お父さんもお母さんも出来てるじゃないか!俺もやってみよ!

…ヒールバレット!


う、クソう失敗したな。ヒールの時の魔力を外に出すの難しいぞ。でもこれできたら便利だから俺、頑張って習得するわ。」


兄はどうやらできなかったみたいだ。名前、かっこいいな。ヒールバレット...

両親は目をギラギラさせて魔法を行使している。

モチの魔法を見た辺りから両親が一斉に習得に取り掛かったもんな。どうしたんだか…


「ふふふ。これでいちいち駆けつけなくてもいいし楽になるわね。効率が上がるわ」

「あぁ。災害起こった時の人々の治療はほとんど俺らが任されてたからな…これで楽になるはずだ。」


あぁ。察し。治療は2人に任せっきりだったのね。

いくら魔力があるからってな〜。2人は怪我人を放っておける性格じゃないし…

うん。2人の助けになるように、私も頑張ろ。まぁ、人前で使っていいのはせめて2年後だけど。


次は目標のハイヒールの習得だ。

ヒールに加えて光属性の魔力を対象に流す。これで、相手の魔力の回復を図る。


まず母から、ハイヒールする時に与える魔力を身体に流してもらう。


「おおおぉ!エナジーがぁ!エナジーを感じるよ!」

気分はスーパーサ◯ヤ人だ。活力がみなぎってくるのを感じる。


「すっごいな!カフェインを大量摂取した時の感覚に少し似てる!」

兄よ悲しいぞ。社畜あるあるを例えにあげるでない。


「ふふふ。2人とも一気に元気になったでしょう?ハイヒールは魔力も与えられるから元気にも出来るのよ。ただその分使用者の魔力は当然減るわ。だから自分の魔力と相談しながら行使するのよ。さっ!じゃあやってみなさい!感じた魔力、身体に巡る感覚をイメージしてね。」


ううむ。なかなか難しい気がする。

私と兄は、まず父を相手に試してみる。2人揃ってなんとなく父を選んだ事に、若干父は悲しそうだ。実験体で母を試すのは気が引けるだろう。だったらガタイの良い父が対象になるのは必然だ。


「まずは、ヒールと同じように傷を治すイメージ。そこに魔力を馴染ませるように与える...ん?これって無駄じゃない?」

「それ俺も思った。普通に魔力さて与えればよくない?外傷がない場合はさ。」


「「...試してみるか。」」


父に光の魔力を与えるようにする。


「うぉっ!なんか凄いぞ!2人ともストップストップ!多いよ!魔力酔いするわ!」


あ、やば。加減考えてなかった。兄も同様に加減なく与えていた様で父が元気を通り越して若干酔いに近い状態になってしまった。


「ふふ。2人とも魔力だけを与えたのね。それでも良いわよ。ただ魔力はゆっくり細く流してあげてね。普通の人だったら気絶しちゃうから。」


『僕も出来た!!魔力の感覚は鋭いからね!』どうやらモチも母に試して成功していた様だ。


「やっぱり魔力のコントロールだよな。課題は」

「そうだね。さっきの訓練でもコントロールの甘さを体験したよ。訓練しようねお兄ちゃん。」


夜いつも一緒に魔力コントロールの練習をしている。今後はもっと時間を長く取り、いろんな方法で試していこう。


「よし!2人とも随分と早く習得済んだし明日に備えて今日はもう宿に戻ろう。明日はなんてったって黒龍だからな!そいつはどうする?」


そう。ずーっと精霊がブツブツ喋りながら近くにいるのだ。怖っ。


「は!すみません!我を忘れていました!

聖女様に!勇者様!そしてお子様方!聖獣さま!

この面々に私驚きすぎてしまいました。

私のことはお気になさらず!しばし精霊界に戻ります故!」


「おい。子供達のことは秘密だぞ。

他の精霊に言いふらすなよ。精霊王様くらいになら話しても良いが基本は秘密だ。お前ら一斉に来るからめんどくさいんだ。」


おお父が心底嫌だって顔してる。大変な目にあったんだろうな。て言うよりも…

「お父さんこの子見えるの?」


「あぁ、見える。

魔力の多い人は大抵見えるぞ。貴族とか魔力保持量が多いからそいつらも見えてるはずだ。」


ほほう。なるほど。貴族か…めんどくさそうだ。

でもバーレッド君も貴族か。まぁ、おいおい絡んでくるだろうから良い奴かどうか見分けられる様にしておこう。


ふふ、兄の顔。貴族ってワード聞いただけで顔が引きつってる。正直、前世庶民にはハードル高いわけで。


「俺、こいつの羽根まで見えてるぞ?セイはまだ赤ちゃんだからあんまり見えないんだろ。」


「かっちーん誰が赤ちゃんだ、誰が。声は聞こえてるもんね!

ま、精霊さん、そう言うことらしいから内緒ね」


「わ!分かりました!精霊王様には伝えますが、他には伝えない様に気をつけます!」


そう言い、精霊さんは飛んでいってしまった。

私達も変装をかけ直し街へと戻った。

その後は明日へ向けて準備をして1日を終えた。



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