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蝶からヘルプ要請




『ふんふーん♪』


僕はモチ!今日は天気がいいの!

今はゴウ君とセイちゃんが訓練中だから僕はお散歩中なんだ!


2人の訓練が終わったら喜びそうなお花でも摘んでおこうかな!前いた世界でも、よくお母さんとセイちゃんお花を飾ったり、お花見に行ってたもんね。




『はぁ~森の匂いって僕好きだな~。あっ蝶々だ!』逃がさないぞ!ひらひらしてて気になっちゃうんだ!


まてまて〜



ん?ここはどこ?蝶々を追ってたら皆と少し離れて、不思議なところに来ちゃった。

でも、なんだか気持ちのいいところだな。空気が澄んでるような。


あれ、この樹ってあのフカフカベットのあった皆が世界樹って呼んでた樹と同じ?

本当は皆に内緒だけど、あの樹の下へは蝶々を追いかけてたら間違って落ちて見つけた場所なんだよね。今回も蝶々に連れてこられたのかな。


『なにかあるの~?んー洞窟みたいなのも無さそうだし。とりあえずこの辺でお昼寝でもしようかな?ここは魔力がポカポカするし気持ちよさそう』


スゥスゥzzz



「...じゅう様!聖獣様!」


ん?ぼく?


「やっと起きてくれたのですね!」


『だあれ?どこにいるの~?』


「私は世界樹の警備を行っております、精霊でございます。一応目の前にいるのですが...」


『せいれいさん!こんにちは~。目の前って、この蝶?』


「蝶!?!?」ガーーーーン


『あっごめんね!よく見てなかったの!奇麗な緑色の羽なんだね!人っぽいのかな?顔はぼやけて見えないけど...』


「奇麗ですか!ありがたいお言葉です!聖獣様は幼く、精霊を完全に見るまでの力はまだついておられないのでしょう。

...はっ!忘れる所でした!聖獣様!お願いがあります!この地を守っていた黒龍がなんらかの原因で弱っているのです!なんとか出来ないでしょうか!?だんだんと弱ってきてしまっていて...助けてください!お願いします!!」



『わわわっ!そうなの!?黒龍って守ってくれていたの!?ちょっと皆に早く伝えなきゃ!

少し待ってて!』


「みんな?伝える...?わ、分かりました。」


ビリビリビリッ  

『っっっ!!!!まって!僕の後ろへ!セイちゃんの魔法が来る!結界!!!』



ドッゴォォォォォォォォォン



「!!光魔法!こんなにも豊富な魔力!まさか!聖女様ですか?!」

『ちょ、ちょっとまってね!

あ!もしもし!お母さん!?セイちゃんの魔法が今飛んできたんだけど大丈夫!?

...え!?僕すぐに向かうね!』


「どうされたのですか!?今のは念話でしょうか...つまり聖獣様にはすでに主がいらっしゃると...私もついていってよろしいでしょうか!?」


『いいよ!超特急で向かうから頑張ってついてきてね!』




___________


ん~眠い。もうちょっと...

フワフワ気持ちいな...モチかな?


「セイちゃん?起きたならまた寝ちゃダメよ?」


あ、母。なんか圧がすごいぞ。

そうだ。私魔力切れで倒れたんだ。やらかした…


「お母さん。モチおはy 」ガバァッッ!!!


おう。物凄い勢いで抱きしめられた。

モチもすりすりしてくる。


「もう!心配したんだからね!

魔力切れで倒れた時、本当に焦ったんだから!

私なら治せるけど!けど、よ!我が子だとどうしても、冷静じゃいられなくて…モチにもすぐ駆けつけて貰ったのよ?」


気を失った後、どうやらそのまま倒れてしまったそうで一気に母が身体強化で駆けつけて抱えてくれたらしい。そこからは、回復魔法で魔力と戦闘訓練で負った傷も含めて癒してくれたそうだ。聞くところによると、私は20分くらい気を失っていたらしい。そりゃあ心配になるよな。なんせ3才児が気を失って倒れるんだもん。日本だったら事件だわ。


「う、ごめんなさい2人とも。そしてありがとう。

調子に乗っちゃいました。

と、ところでさ。特大魔法かっこよかった…?」


「危なすぎよ!あの魔法!実の母似のゴーレムにあそこまでやるとは思わなかったわ!跡形も無いわよ!」


『すごかったよ!飛んで来る瞬間、周辺の魔力がピリピリしてたんだから!』



「おおぉ!少しやりすぎたみたいだけど、あの技良いかもね。お母さんのゴーレムは怖すぎだよ!顔なしなんて、ホラー体験したよ。まったく…」


「あら、そう?だから足が震えてたのね。

戦いの恐怖が理由かと思ったわ。怖いの嫌いだものね、セイちゃんは。」


「うん。そうだお母さん。私の戦いっぷりどうだった?反省点とかあるかな?」


「うーんそうね。良い点は、初めに捕縛を試みるのはよかったと思うわ。あと体力の無さを考慮して早めに決着を付けようとしていたこともね。


反省点としては、魔法がデタラメ過ぎることね。

もっとコントロールの練習をする必要があるわ。

あとは、魔法使用後の被害を想定して攻撃をする事ね。今回は自然破壊のみだったけど、ここが街中だったら、周りに人がいたら、そういう事を考えなきゃよ。自然は魔法で修復できるけど人に対して怪我をさせたら身体的だけじゃなく、精神的にも影響させてしまうのよ。

そういうことを考えて今後は攻撃魔法を使用する様に。」


「うん!分かった!攻撃魔法は簡単に色々傷つけちゃうもんね!守るための戦い方を身に付けたいな。うん…これからも訓練頑張るよ!


…あとさ、ずっと気になってたんだけど、その蛍みたいな光の玉は何?」


「あぁこの子ね。セイちゃんには蛍の様に見えるのね。

この子は モチについてきた精霊さんよ。私には姿までハッキリ見えちゃうのよ~

なかなか賢そうな子なのよ。


それでねセイちゃん。このあとすぐにお父さんたちと緊急会議したいのよ。

なんでもこの精霊さんが、この地を守っていた黒龍の弱体化を速く助けてほしいってお願いに来たのよ。もし明日黒龍が弱っていたらセイちゃんにも力を貸してもらわなくちゃいけないの。だからこの後訓練をゴウ君と一緒にするから、なんとしてでも回復魔法を習得してもらいたいの。起きてすぐに悪いけど、緊急事態なの。大丈夫かしら?」


「うん!回復魔法掛けてくれたおかげで身体が軽く感じるし大丈夫だよ!

はやくお父さんたちの所に行こう!」




父たちと合流し、緊急会議を行った。その際精霊の話を伝え、今後の動きと役割を取り決めた。この後兄と私は回復魔法を習得する。目標はヒールの上位、ハイヒール。

ヒールは、傷など簡易的な外傷を治癒する。ハイヒールはそれに加えて、対象へ魔力を提供し相手の魔力不足を補うことが出来る。

もし黒龍が弱っていて、魔力自体が少なくなっていたら補う必要があるとのこと。その場合、もともと魔力保持量が莫大なドラゴン系でさらに黒龍となると両親の莫大な魔力でも補うのに時間がかかる。そのため私たちが尽力する必要があるかもしれないとのこと。

だからこそハイヒール習得が必須なのだ。




すこし休憩をとり再び訓練に入る。


「よし!2人とも訓練でクタクタだと思うが、今一度引き締めて回復魔法の習得に取り掛かるぞ!集中力を切らすなよ!ハイヒール出来たらお父さんのとっておきのチョコをあげるからな!頑張ろう。」


「お父さん!ちなみに!ちなみにとっておきのチョコとは何でしょう!」シュパッと手を挙げて質問する。


「おいくら万円の品なのでしょうか!?」と兄が価値でどれくらいの品か見定めようとゲスイ質問をする。


「おまえらな。チョコに目が血走りすぎて怖いぞ。ゴウも、お前まだ5才なんだぞ。お父さん心が痛いぞ!


ごほんっ。ん~まぁそこそこの品だ。俺のお気に入りなんだ。オランのピールが入ったトリュフチョコと、あと一つは秘密だ。どうだ?やる気になったか?」


「ななな、なんと!ピール系のトリュフと来たか!おぬし!よ、よだれが止まらないではないか!何たる手法よ!」すごく魅力的だ!絶対勝ち取ってやる!


「セ、セイがやられた!くそう!絶対美味しいと想像しやすいものと、秘密という人間の興味を惹くパワーワードを使った購買意欲をそそる2つの手法!卑怯だ!絶対習得しなきゃじゃないかっ!」

兄も目に炎を宿し、口から涎をたらしやる気満々になっているようだ。


「...そうか。やる気が出たんなら良かったよ。うん。良かったよ...。」

父、何も言うな。分かっている。だが言うな。チョコには抗えないのだ。


「素直に育ってくれて何よりだわ。涎掛け必要かしら。可愛いわね。」フフフと母。頑張れよ父。負けるな父。突っ込み役は必要だ。


『僕も回復魔法やる!おいしいの食べる!お肉を所望!』

追い打ちだよモチ。あ、父。モチの毛に埋もれちゃった。


ふふふお父さんが甘えてくる~と呑気なモチと共に私たち兄弟は回復魔法の習得へと取り掛かった。


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