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訓練の日!




本日は訓練の日。


明日の黒龍に備えて兄が特訓して欲しいと両親に頼んだ日だ。


朝食を宿で軽く食べ終え、防壁外の森へ出る。


そこから父に不可視の魔法をかけてもらい、飛翔で人気(ひとけのない所へ移動した。


その際、実際に自分たちで方向を決めて飛んでみた。前回は真っ直ぐ上に浮くだけで精一杯だった。

しかし今回は、毎日魔力循環でコントロール力を高めている成果が出て、空中でフラフラ体幹がブレながらも何とか目的の方向へ飛ぶことができた。


少し時間は掛かったが目的地へと到着。

開けた場所だ。


エネルギーを使ったから、アイテムボックスに保存しておいたオランの実とチョコを食べる。美味だ。


「よし!回復したな。

んじゃあ、訓練を始めるぞ。まずは体操から~」


父が掛け声を始めた。


いっちにっさんしっ

ワンッワッワッ←モチ


今日は本格的に体を動かすので入念にストレッチ。

父とモチが前へ 出て準備体操を指揮する。


...モチは準備体操を遊びだと勘違いしたそうで、父の足元でじゃれている。

うん。かわいい。


「今日の一連の動きを教えるぞ。

まず午前中はゴウとセイ2人とも同じ内容を特訓する。午後は別れてそれぞれの特徴に合った訓練をする。ゴウは俺と。セイはお母さんとだ。


午前は自衛力を高めるために防御の魔法の習得、

瞬発力を上げるために身体強化に慣れること。この2点を行なっていく。」


そう説明され、まずは防御の魔法の訓練へと入る


以前やった無属性の盾は難なくできた。

魔力コントロールの訓練によって以前より緻密で、高度な盾を形成できた。


兄も上手くいってるみたいだ。


次に、各属性の盾を作ってアレンジしてみる。

火と水属性の氷と雷で盾を形成。対象物にぶつかった際、ダメージが与えられるようだ。


風属性は、無属性の盾に風を流す様にする。

すると、物体が盾に当たった瞬間に、反発して飛んでいった。混合属性の魔法でかなり集中力を使う高度な魔法の様だ。


土属性では、まず土で盾を形成。これで防御の役割。次に、その土から植物魔法で蔦を出す。すると対象物を捕縛する事ができる。捕縛の役割だ。

うむ。我ながらいいセンスだ。


「お母さん!この植物魔法使った盾すごくない?!」


「ふふ。いいわね、一石二鳥だわ。私も面白い盾あるわよ。」


そういい母は、盾を土と水を混合させた泥で形成。

なんだかドロドロとしていて硬度が無さそうだ。


なにか盾に投げてほしいと言われたので、土魔法で石を形成し盾をめがけて投げる。

すると、ぶつかったと思ったら投げつけた石を盾がどんどんと飲み込んでいくではないか!


「うわ...お母さん、コワ...」兄が絶句している。

無理もない。この盾は対象物を捕縛する役割と、もし生物相手だったら窒息死させて殺る事もできる殺傷能力を備えているのだ。盾=硬いほうが強い。という概念をぶち壊してきている。


「さすがだな。この盾はかなり有効なんだ。融通が利きくからな。

傷付けたくない魔物とかにはもってこいだぞ。傷が少なけりゃ高値で売れるんだ。

水属性での盾も同じ効果だが、火と風には弱いからな。

この魔法が使えるだけで冒険者パーティーから引っ張りだこだろう。

ま、使うには高魔力保持者かつコントロール力が高くないと使えないんだが。」



「高値で売れるのか...よし、泥の魔法使えそうだから今度他にも練習しようかな。」

「私も、金シリーズ頑張る。」おっと。間違えた、泥シリーズだ。


私も兄も目がギラッギラだ。儲け話には弱い兄弟なのだ。


「ふふふ。それじゃあ2人ともがっぽがっぽ稼ぐために訓練頑張りましょう。


せーの、「「えいえいおーーー!」」」


『ぼくも!おーーー!』


父がヤレヤレとしている。このノリに付いてくるのだ、父よ。

しかし母。一応前世思い出すまで、純粋な聖女&姫だったのに「がっぽがっぽ」て...


その後は、泥の盾を形成し維持しながら父、母、モチからの攻撃をひたすらに盾で防ぐという特訓が行われた。兄も私も幾度も盾を壊されて攻撃を食らったり、吹き飛ばされたりしてヨロヨロだ。攻撃魔法は加減をしていてくれるが回数食らうとキツイ。


鬼畜だ。しかし兄も私もめげない。

なにせ明日は黒龍と対峙することになるかもしれないのだ。生半可な覚悟で行ったらダメだ。シャレにならない事態が起きる可能性だってあるのだ。

家族を危険な目になんて二度と合わすか!

先ほどのおちゃらけモードとは違う。両親も真剣に攻撃をしてくる。


様々な攻撃魔法の中でも鋭利な斬撃が飛んでくるような風魔法には泥の盾はめっぽう弱い。

そこで二層、盾を形成。無属性と泥の盾だ。二つの魔法を使う事は難しいが、止まった状態ならなんとか保つことが出来る。兄も同じことをしている。


そうしてひたすら攻撃を受け、防ぐ事を長々と行った。


「ハァハァハァ」

「ハァハァハァ」


「ははは!2人ともよく頑張ったな!盾の訓練はここまでだ!休憩っ!」

父が手をパンっと叩き休憩タイムの合図。


つかれたぁ~とモチに巨大化してもらい、上に乗って寝そべる。

モチも私たちを傷付けないように、手加減での攻撃魔法を行ったため神経をつかって疲れているようだ。3人(内一匹)でしばし横になって休憩。


...


しばらく休憩をとったあと次の訓練へと入る。

瞬発力を上げる身体強化の練習だ。

今日の午前中の訓練のメインはこちららしい。


なんでも、私たちはまだ小さく筋力もないため、咄嗟の動きが取りにくい。自衛のためにも素早く避けれる様になるために身体強化で自身の体を常に動きやすく、動きをブーストするのだという。


「じゃあまず魔力を全身に巡らせろ。魔力循環の時と同じ要領だ。」       

全身に魔力を巡らせる。ぼんやりと身体が光っている。

兄は青白い光、私は黄色い光。

どうやらこの魔力循環。それぞれの得意属性の魔力が発動されるらしいのだ。      火属性なら赤っぽく、風なら緑、水は青、土は茶色に光るという。

兄も私も魔力を全身に纏ったところで、父が動いてみろと指示を出した。

…やはりそう来たか。                              私たちは普段止まっている状態で魔力循環の練習をしているからやりにくい。


ムムム。難しい。


「え。俺出来たぞ」そういう兄はビュンビュン猿の様に動き回っている。

な、、なんだとorzのポーズで敗北感を演出。


「セイ。巡らせることをイメージしただろ?確かに魔力循環をしろと言ったが、要は体全身に魔力を流して、力強さを上げるのが目的なんだ。ちゃんと目的を意識しながらもう一度やってみろ。」父からアドバイスをもらった。


目的、目的…


考え直そう。身体強化をするためには魔力を全身に巡らせなければいけない。

巡らせる…

纏うのはダメなのか?纏った部分に魔力が流れるから同じことなんじゃないか?

やってみよう。何せ隣でビュンビュン飛んで遊んでいる兄がうらやましすぎる。


纏う。自身の体を魔力で包み込むように…

うん。違和感もないし失敗はしていない。これで動けるかどうかだ。


軽くジャンプしてみよう。


ぴょーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん

わ~木が下に見える~お空がきれいだな~ッじゃなああい!


「おっっっっどろいたぁぁぁぁ。」

ちょっと飛んだだけなのに、滞空時間長すぎるわっ

リアルふわっとはキツイ。あのジェットコースターで感じるフワっと感よ!



「おッセイ!できたじゃん!やったな!」と兄


「セイちゃんやったわね。じゃあ次、モチと追いかけっこよ!モチは逃げる方、2人はモチの身体どこでもいいからタッチするのよ?」


身体強化の訓練として鬼ごっこをすることになった。

なんでも、昨日の内に両親が楽しく訓練をしてほしいと考えた案なのだとか...


「鬼ごっこか、わかった。セイ、手加減はしないぞ。俺が先にモチを捕まえる。

モチは元から足速かったからな。本気(マジだ。」

兄がぐっと全身に魔力を巡らせた。どうやら兄も本気でやるようだ。


「私も負けないよ。」

正直本気でやってもモチに追いつく気はしないが...やるだけやってやろうじゃないか。全身に魔力を纏う。



『ふっふーん!今の僕相当早いよ!?2人も本気だから僕も本気出すけどね!』


「ふふふ。いいかしら?午前中目一杯使うでしょうけど、頑張って頂戴!」


モチが少し先に移動して、10秒。

「よーーーい、どんっ」

掛け声とともに、足で思いっきり地面を蹴る。


ッドォォォォォォン


地面を蹴った音は爆音だった。周りの景色が猛スピードで過ぎてゆく。

やばいな制御が難しい。

少し流す魔力を調整して、モチを探す...


居た。


兄がもうすでに、モチと対峙しているようだがモチは小さくなっていて的が小さい。

そしてフェイントが上手い。


兄はどうやら咄嗟のフェイントに対応できていないようだ。


私もそこに加わる。


『ふふ。2人とも。魔力コントロールが甘いよ。調節しなきゃ!』

くそう!モチ!生意気な!


モチはまた一気に大きなフェイントで私たちをかわし、巨大化をして一気に掛けて逃げていった。


「くそっ!はやい!」

「くーっ!チラチラこっちを気にしながら逃げている姿が可愛いけど!爆走じゃん!はやすぎ!」


このあともモチに翻弄され、お昼休憩の合図がなるまで爆走追いかけっこは続いた。

結局捕まえることが出来ず意気消沈。


モチは運動量に満足したらしく、今は寝床をルンルンで掘っている最中だ。


兄も私ももうクタクタ。

とりあえず何とか意識を保ちながら、用意してくれていたオークハムのサンドイッチと切り分けてあるモモンの実を食べる。


休憩...という名の昼寝を取る。


幼児には休憩(睡眠)が必要だ。不可欠なのだ、しばし休憩。

おやすみぃzzz



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