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絶対正義マン  作者: まるいんこ
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めっちゃ人のせいにしたいがいい案が浮かばない

どうにもならないことがある。


例えば120歳の寝たきりジジイが「わしもまだまだこれからだ!人生やり直せる!」と病室でうわごとを言った所で絶対に無理なように、どうにもならないこともある。


それは死へのカウントダウン。刻まれる時計の針がわたしを死刑台へ上げるためのカウントダウン。


やっとの思いで女神になったと思ったが、仕事初日で大ポカをやらかしてしまった。


めっちゃ人のせいにしたいがいい案が浮かばない。どうあがいても自分のせいにしかならない。


先ほどの先輩女神の発言では、クビになるどころじゃ済まないらしい。一体どうなってしまうのか!?



「ぐぇ、だ、だれか、たすけてくれっちゃ・・・」



あの後時間が立っても一向に死者が来る気配がない。どうかんがえてもさっきのが原因だ。

死者の強制転送。女神の中の女神。最高女神様しか権限の持たないものらしい。

そんなものを新人女神の分際のわたしがやってしまったのだ。

どうにかしようと女神コンソールを叩きまくっていたら、ついには壊れてしまった。家のテレビは叩けば直ったはずなのに、壊れてしまった。物理法則に反している。



「せ、せんぱいにも相談できん・・・つ、詰んだ・・・」



Q.まだ詰んだと決まったわけではないわ!残り時間なにができる考えましょう!

A.なにもできず死ぬだけだ。

わたしの頭の中の天使と悪魔がQ&Aを繰り返しているが至る結果は変わらない。アンサーを出しているのが天使なのだから本当にどうしようもない。


今この空間にあるものは壊れた女神コンソールと八つ当たりして立て付けの悪くなった元豪華絢爛な椅子とテーブル。ついでに八つ当たりの際に足の小指が折れて脂汗まみれになっているクソ新人女神。

その三点だ。

女神空間に備わっている機能は全部女神コンソールから操作するのでこれ以上のものはここにはない。

この中で唯一使えるものがあるとしたら足の小指を元に戻そうとして激痛によがり狂っているクソ新人女神の足りないおつむしかない。



「ぅぅぅ、ど、どないしよ・・・どないしよ・・・」



何度も何度も自分に問いかけているが一向に改善案が浮かばないクソおつむにイライラしながら足の小指を一思いにまっすぐに直す。



「うっぎゃぁぁぁぁっ!痛いぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!」



警告、女神の身体に異常を検知しました。



「ぅぐぐぐっ・・・えっ?」



なにやら急に目の前に画面が現れた。そこには女神として行使できる様々な能力が記されていた。



「こ、これはっ!研修で習った女神チートセットっ!」



どうして今これが出てきたのか、そんなことよりも今は新たにこの状況を打破できる可能性に縋るため、痛む小指に顔面神経痛になりながらも画面を操作し始める。



「な、なんでこげんもんが出てきたのかわからんちゃが、なんとか死者を元に戻すもんでもなか探すっちゃっ!」



画面には貰った女神コンソールと違いちゃんと女神語でかかれており、読むことができる。

その中で死者を呼び戻せるものがないか必死に探す。



「な、なんかないんか?修復セット?こ、これっぽいっ!」



修復セットと記されたものを押してみると身体が光に包まれ、先ほどからの小指の痛みが癒えていく。



「今はこげんもんいらいっ!紛らわしいっちゃっ!」



よく考えるとそうでも無いのだが、冷静さをかいた状況では頭が回らず、また八つ当たりで元豪華絢爛な椅子に回し蹴りをぶちかます。



「ッッッッッッ!」



今度は薬指が折れた。





あれから色々とやっているうちに操作にもなれ、様々な機能を触れるようになってきた。



「さ、最初から女神語だったら楽勝っちゃ!こ、これで死者の履歴がわかって・・・このボタンで死者の現在が出るはずっ!」



画面を叩き、現在の死者の状態が表示される。


実のところ、今操作しているこの緊急画面は女神の身体が異常を検知した際に表示されるものであり、今回は足の小指を直す際の異常にでかい叫び声に反応したもので、本来指が折れた程度では出ないのだ。

そして、この死者の状態や追跡を行えるというものは、敵対者というのが大体死者のためである。死者の中には女神をよく思わないものもいるのである。

だが、偶然にも今の状況を打破するための機能がこの緊急画面には備わっていた。



「死者の状態が出たっちゃッ!」



山田 一郎(瀕死)


HP 1/10

MP 0/0


攻撃力    2

防御力    0

すばやさ   1

運    -99



画面に映ったここに来るはずの男はなぜか牢屋で大柄な男にボコボコにされていた。

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