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絶対正義マン  作者: まるいんこ
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先輩女神様!(しょんべんゾンビ談)

空から降り立ったのは今まさに話に出ていた先輩女神様!(しょんべんゾンビ談)

最高女神様の腹に致命傷を与えた先輩女神様は女神とは思えないほど恐ろしい笑顔で嗤っていた。


しかし最高女神様はそいつの手を引き抜くと素早く返す刀で肘鉄をお見舞いした。


その後上空まで上がり人間である俺には目視不可能な攻防が繰り広げられる。女神とは戦闘民族だったのか。



「この隙に逃げるっちゃ!」


「最高女神様を見捨てるのかよっ!?」


「最高女神様なら大丈夫っちゃ!最高女神様は女神の中でも最高なんだっちゃ!」


「じゃあなんで逃げるんだよ!」


「うちだって助けたいのは山々やけど!・・・最高女神様の戦いの邪魔になるから仕方ないんや!・・・無念っぢゃ!」


「女神様・・・」



しょんべ…いや、女神様の一筋の涙に俺は言葉が出なかった。

 


「ヘ、ヘルプッ!こ、この女神強い!死ぬッ!」


「おい!最高女神様が死ぬとか言ってるぞ!」


「え?なんだって?よく聞こえないっちゃあ?」


「このクズが」


俺はしょんべんクズから視線を外し最高女神様の戦いを見守った。



「あははっ!どうした!最高女神ともあろうお方がこの程度かッ!」


「くっ、まさかこれ程とは・・・いつの間にこのような力をッ!」


「人当たりと枕営業でのし上がった奴が現場の叩き上げに勝てると思うなよッ!いつまでも低賃金でこき使いやがって!ヘラヘラして気持ち悪い面貼り付けたペテン師がッ!積年の恨みを思い知れッ!」


「っ!?しまっ…」


先輩女神の姿が消えると最高女神は上空から強い衝撃で叩き落とされた。


びたーんっ!



「あ、あれはっ!ハンマーナックル!」


両手をクロスして上から叩き落とすハンマーナックル。戦闘民族がよく使う技だ!


思えばああやって背中から殴られて地面に叩きつけられると今の最高女神様みたいにうつ伏せに潰れたカエルみたいに情けない格好になるよね?って疑問は今解消された。最高女神様はぴくぴく痙攣してる。最高に情けないぜ。


俺がそんなどうでもいいことを考えてると上空から先輩女神様が降り立った。



「クックック、ゴミが、所詮最高女神といえこの程度よ」



やばい、最高に悪役なセリフを吐いている。まずはお友達から…が決して通用しない相手だ!



「あがががが、せ、先輩っ!」


クズが生まれたての子鹿の10倍震えている。


「お、お前っ!グズグズしてるから逃げ遅れたっちゃ!どうしてくれんねんっ!」


「あらあら、だれかと思えば後輩ちゃんじゃないの?殺したはずだけど?そこの潰れたカエルに蘇らせてもらったのかしら?次は二度と再生できないように完全に消滅させなくちゃね?」


「そ、そんな怖いこと言わないで欲しいっちゃぁ、へへっ、せ、先輩イメチェンしたんですねっ!は、肌が焼けてとってもセクシー!髪の緑と丁度マッチグーですよっ!こりゃーこの夏男共の視線は独り占めですねっ!へへへっ!」


「こいつ…急に媚び出しやがった…あれだけぶち殺すとか言ってた癖に」


「黙れや!殺されるやんけっ!」


「あら?分かるかしら?女神を辞めたから思い切ってイメチェンしてみたの?どう?イケてるでしょ?」


「さいこーっちゃ!さいこーついでにうちも仲間に入れて下さい!さいこーな先輩のさいこーな女神活動をお手伝いさせて下さい!お願いしますっちゃ!」



彼女は土下座した。長年の土下座により、見るものが頭を地面より下に下げてると錯覚される土下座の極限と言われる土下座。

彼女の土下座は土下座を置き去りにし、そしてその美しい背後にはまた土下座を見たと言う。



「ダメよ♪あなたは消し炭にしてあげる♪」


「下手に出てれば良い気なってんじゃねーぞこのクズがぁッ!」


「お前だろ」



変わり身三丁の鳥頭には期待するだけ無駄だな。

今もほら、すでにこめかみが割れるくらいのアイアンクローをされて手足を脱力させてしょんべんを漏らしている。

この短期間で二度も漏らすとは。どんだけ膀胱が緩いんだあいつは?

ここは己の力で乗り切らなくては。



「そういえばあなた?さっきからいるけど人間よね?」



先輩女神様は手に持っていたゴミを投げて俺を見据える。



「ああ、そうだ。俺に何かようか」


「ずいぶん威勢がいいわね?あなた?殺すわよ?」



鋭い目つきで睨む先輩女神様。

なんか八日九日十日というギャグで場を和ませることに失敗した俺に出来ることは死を待つのみ。



「それになぜあなたは生きているのかしら?」



あなたが殺してないからわたしはまだ生きてます。



「・・・あなた、面白いスキルを持ってるわね。それにあなただったのね?強制転生された不幸な童貞は、かわいそうに」



と思ったらなんだか哀れみの目を向けられた。

生まれて初めて童貞であることに感謝した。



「そうね・・・あなたわたしに付いてきなさい」


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