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絶対正義マン  作者: まるいんこ
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スーパーごぶりんの生態。

上半身に比べ下半身が細く足が遅いため、駆け出しの冒険者でも狩ることができる。

温厚な性格だがうんこ座りでメンチ切ってると襲ってくることがある。

対処をする際は決して打ち合わず、アウトボクシングスタイルで挑むのが望ましい。


・攻撃手段

背筋力300キロから繰り出されるデンプシーロール。




「ちょっと一服していいかね?」


「えっ?タバコ吸うんですか?」



廃墟と化した街には食料も何もないと、人生初のパーティーを組んだ俺と女ゾンビは街を出ようとしていた。


お互いに自己紹介を済ませた後、急にタバコが吸いたいと言い出した女ゾンビは柄の悪いうんこ座りで爪楊枝を刺したタバコを吸い始めた。


自己紹介の際に自分は女神だと言っていたがどうやら虚言壁があるゾンビのようだ。


大体女神と言うのはもっと厳かで荘厳で豪華絢爛で透明感があって童貞に優しい存在なのである。爪楊枝に刺したタバコを吸ったりはしない。



「最近は喫煙女神にも肩身が狭い世の中になったからねぇ、異世界にでも来ないと中々すえんのよ」



こんな派遣社員みたいなことを言うやつが女神なわけがなかった。



「あ~、ようやく効いてきた~、脳がエモくなってきよんや~、あが~」



それ本当にタバコか?


なんだかやばそうな雰囲気。目がどんどん座ってきているぞこの女ゾンビ。



「おいお前ッ!何見とるんじゃ!ぶち殺すぞッ!こらっ!」



どうやら幻覚をみてるようだ。この隙にパーティーを解消しよう。



グルルルルルルル・・・



こいつの腹の音か。どれだけ下品な自称女神だよ。



「おどれッ!殺すぞ!殺すぅ!かかってこいやぁッ!」


「ウガァァァァァァ!!!」


「えっ?な、なんだこいつ!」



さっきまでは居なかったのに急に現れた緑色したヘビー級ボクサーのようなモンスターッ!


気が付いた頃にはすでにこちらに向かって走ってきていた!


それに真っ向から挑む女ゾンビ!


2匹のモンスターが今ぶつかり合う!



「ごぶぅ!」


緑の怪物が女ゾンビの顔面に右ストレートを叩き込む!その反動を使いさらに左を叩き込んだ!


「うげぁッ!」


その反動で右!さらに左!右!左!右!左!


「だずッ!だずけでくれッ!だずけでッ!」



パーティーメンバーが助けを求めているが俺にはチートスキル(未使用)しかない!


このガチンコファイトバトル!一体どうなってしまうのかッ!?


緑の怪物からの猛攻にたまらずクリンチ!しかし胸が無いため効果はいまひとつのようだ。


俺か!?俺がやるしかないのか!?


正直こいつが食われてる間に逃げたほうがよさそうだがセックスさせてくれるって言った(言ってない)相手を見捨てるのは男が廃る!


大丈夫だ。俺にはチートスキル(故障中)があるんだ!セックス!やってやるぜ!



「ぅぅぅ、はょたすけでくれ!このままじゃ食われちまうっ!」



「待ってろ今助けてやる!」


出ろ!俺のチートスキル!マグナムトルネード的な!サンダードリフト的な!トライダガー的な!


なんでもいいから、いけぇぇぇぇぇぇっ!



「ぎゃああああッ!噛んできよったぁぁぁぁッ!」



出なかった。


諦めてください。



「ぅぅぅ、こ、ここまでなんか・・・」



「ッ!?ガアアアアアアアッ!」



その時、緑のモンスターが叫び声を上げたと思いきや、体が砂となり崩れさった。



「なんだ!?俺のチートスキルか!?」


「いいえ違います」


「ん?あんた誰?」



俺の背後から聞こえた声に振り向くとまさに厳かで荘厳で豪華絢爛で透明感があって童貞に優しそうな女性が立っていた。



「ぐぅぅ、た、助かったっちゃ・・・おいお前!助けるならもっと早く助けろや!右半身から血が止まらんやろがい!」


「それは申し訳ありませんでした。女神サラコナ」


「ん?なんでうちの名前知ってるんや?名刺でも配ったか?でも名刺まだ貰ってないっちゃ」


「名刺は後で手配しておきますよ」


「そうけ?はよ名刺貰わんと女神って感じがせんから早くしてな。ていうかなんであんたが名刺のこと知っとんにゃ?」


「申し遅れました。私は最高女神を務めている女神「えっ!?あんた最高女神様っちゃ!」・・・そうです」



女神?最高女神?何を言ってるんだこいつ等は?


つか女ゾンビの方がどんどん汗まみれになってきて、しまいにゃしょんべん漏らし汚ねぇッ!



「女神サラコナ。あなたは勝手に死者の強制転送を行い、かつ異世界の住民を手にかけた罪状があります」


「あがががが、そ、それは・・・」


「禁固300年の大罪であり執行猶予もつきません」


「ぐぎぎぎぎ」


「とはいえ、新人女神のあなたに最高女神仕様の端末を渡してしまったこちらの責任もあり、研修につけた先輩女神にも問題があります」


「ですので、あなたに試練を与えます。それはこの世界で今好き勝手しているあなたの先輩女神である女神タイラント、通称T-800を抹殺しなさい」


「もしT-800を抹殺し、この世界を救うことができるのなら、あなたの罪を不問とすることにします」


「ほ、ほんとっちゃ!?ほんとに許してくれるんか!?」


「ええ、幸いにも転生者を保護しているみたいですし」


「えっ?転生者?」



童貞に優しい女性が俺の方を向く。そして微笑みをくれた。間違いない。この方は女神様だ。最高女神様だ。



「この者はあなたが強制転送をしてしまった死者ですよ?気づいてなかったのですか?」


「お、お前っ!はよ言えや!」


「なんのことだよ?ていうかお前本当に女神だったんだな」


「最初から言っとろーがっ!なんで信じんねや!」


「タバコを吸う女神なんて聞いたことねぇ」


「タバコ?」


「あっ!い、いや、そ、その・・・」



しょんべん女神の足元に転がるタバコを拾い上げる最高女神様。



「・・・あなた、まだ脱法タバコを吸っていたのですね?以前わたしにやめたと言いましたよね?」



脱法かよ。ほんとろくでもねぇなこいつ。あ、土下座した。しょんべんに額をこすりつけた。オエッ。



「すみませっ!嘘をついてましたっ!なんでもしますっ!許して下さいっ!」


「・・・」



女神様がこちらを見ている。



「なんでしょうか?」


「不幸にも異世界へ強制転生されたあなたにこんなことを言うこは気が引けるのですが」


「この不良女神と共にこの世界を救ってくださいませんか?」


「えっ?」



最高女神様が提示した話はこうだ。


死者の強制転生を犯してしまった女ゾンビ額しょんべん女神が罪を免罪されるにはこの世界で暴れまくっている先輩女神を抹殺しなくてはならない。


しかし、脱法タバコの常習犯だったこのゴミを保護観察処分として最高女神様の元で預かっていたが、また再犯してしまったとのことで


先輩女神の抹殺だけでは免罪ができなくなってしまった。このままでは更生施設(炭鉱労働)へ強制送還になっていまうため


異世界で勇者を作るという、女神界では偉業とされるそれを達成しなくては免罪ができなくなったという。



「どうでしょうか?なんとかお願いできますか?」


「た、たのむっちゃ!私たちは友達っちゃ!見捨てんといてくれやっ!」



しょんべん女神が足元に縋りつく。



「はぁ、最初からそうするつもりでしたから」


「いいのですか?女神同士の争いは苛烈なものですよ?」


「ええ、セックスさせてくれるって言ってくれましたし」


「えっ?」


「えっ?そんなこと言ってな」


「ん?」


「・・・まぁ合意の上でしたら別にこちらがどうこう言うつもりはありませんが、売春したわけではないでしょうね?」


「し、してないっちゃ!そ、そうだっちゃ!言ったや!友達だから当たり前っ!」



「そうですか、ならいいのです。ではあなたには勇者となるべく私から特典を授けましょう」


「特典!チートスキルっすか!ふんがっ!ふんがっ!」


「え、ええ、そう呼ぶ者もいますね。鼻息荒いですよ」


「YATTAーーーーーー!」


「うわぁ」



ようやく俺にもチートスキルを貰うことができた。遥かなるコミュニケーション?( ゜д゜)、ペッ


やっぱり本物の女神様に合わなきゃダメだよねっ!これでようやく俺の異世界転生物語が始まるのであるっ!


楽しみだ!奴隷ハーレムコースがいいか?純愛コースがいいか?選り取り見取りの選び放題だぜ!ありがとう女神様!ありがとうしょんべん女ゾンビ!


人生勝ち組じゃーーーーーッ!



「えー、では・・・あなたにはこれを・・・あれ?あなたすでに」



その時、空からこの部屋にパラシュートが降りて・・・



「ゴフッ!」



最高女神様の腹から手が生えた。


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