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絶対正義マン  作者: まるいんこ
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「先輩だからっていつまでも調子乗んなよ!なめんなよコラァァァ!」



先輩女神の畑泥棒で鍛えられた脚力には叶わず逃走開始2分で追い詰められてしまった。


しかし窮鼠猫を噛むという諺があるように、いつまでも新人だと思っているこのクソッタレに一撃をぶち込むためにわたしはファイティングポーズをとるのである。;



「シッ、シッ、シッ、死ッ!」



女神パンチからの女神ワンツー、相手の合わせにカウンターをぶち込むぅ!


ダッキングッ!スエーバックッ!ディフェンスも完璧ッ!



「おらっ!おらっ!おらっ!しねっ!しねっ!勝てるッ!わたしはこのゴミクソゴミ、ゴミのゴミのクソに勝てるぞコラァぁッ!」


勝利の雄たけび!ぼろ雑巾と化した先輩のご来光まで後3分!ぶっ殺してやるぅ!



---


ーー




「もぅ、ゆるじてくだざい・・・」



「あら?さっきまでの威勢はどうしたのかしら?わたしに勝てるとかほざいてなかった?」



髪の毛を捕まれ引きずり回されてるなう。


勝てると思ったけれど夢だった。わたしのしょんべんパンチは先輩には届かず、左を一撃合わせられただけで戦意を根こそぎ奪われた。


ジャブ一発で、戦意を、根こそぎ、奪われた。



「なんでもじまずぅ・・・だからだずげでぇ・・・」


「殺すって言ったわよね?わたしは一度口に出したことは曲げない信条なの」



もはやサイコパス先輩には温情なないらしく、命乞いもまったく意味をなさなかった。


泣き叫んで地べたに這うことを許されなくなったわたしはライセンスを奪われたボクサーも同じ。もはや成すすべはないのか!?



「今から首を360°回しまーす」


「や、やめてけろっ!たすけておくんなまっ」



枯れ木が折れるような音を響いた。新人女神の首がコンパスの針のように回った。


こうして先輩女神の残虐な殺戮ショーは幕を閉じたのであった。



「ふぅ、すっきりしたわ。復讐はなにも生まないという言葉は嘘ね。すごくすっきりしたわ(恍惚)」



と、その時、先輩女神の目に既視感が生まれる



「・・・そうか、わたしはこの世界の唯一神になるために来たのだわ。そのために今まで肥溜めのような世界で時給800円で契約クソ女神をしていたのよ」


「うふふふ、そうよ、わたしはこの世界の神よ。そうね。今日という日を記念してこの街一つ滅ぼしてみるのもいいかもしれないわね」


「それでわたしという存在がこの世に知れ渡るのだから死にゆくゴミどもは感謝しなさい」






牢屋の中でのデジャブ。また顔面をどついたるねん。


凄まじいヒッティングマッスルから生み出されるインパクトの瞬間手首を瞬時に返す強烈なストレートは俺の顔面をどついたるねん。



「ひひひっ、こいつまたのたうち回ってるぜ!マジ面白れぇ!」



憲兵の中古のサンドバックになった。俺はひたすら相手を刺激しないように亀のように丸まってゴロゴロしている。



「あー、でも俺もあっちのほうが良かったなぁ、こんなゴミ屑いくら殴ってもストレス解消にしかなりゃしねぇ」



もはやマジ面白れぇ!ですら満足されないなんて、人間の業とは斯くも深いものよ



牢屋に出戻りした俺は牢屋の中でまた憲兵による人間サンドバックと化していた。


チートスキルも不発。最初に比べて何故か体力が回復せず、どんどん意識が朦朧としてくる。


それになんだか光が見えてきた。これが天に召される瞬間なのかいパトラッシュ(祖父の名前)。一度死んだときは体験できなかったが二回目以降は特典がつくんだな。利用者に優しい親切設計。


凄まじい轟音。耳元でボケ老人に発する音量を軽く超えている。鼓膜破れたぞちくしょう。なんでやねん!


灼熱の大気。皮膚が解けてボロボロになる。皮膚にダメージを施す最新のお洒落なのかい?


死ぬ特典がちょっと強すぎやしませんかね?めっちゃ苦しいしめっちゃ痛い。


ていうかこれで死なないとかどうなってるんだい?もう息もできないし体も動かないのに意識だけはっきりしてるって死ぬよりつらいやんけ。


くるじー、はよー死んでー、俺の意識はよー死んでぇー、たのむわー



---


ーー




目覚めの朝。意識がようやく眠りについたと思ったらまさかの目覚めの朝。


またしても異世界転生か?と思ったが、どうやら同じ牢屋の中だった。


いや、牢屋であった所だった。


なぜならお日様が爛々と輝き俺を浄化しようと頑張っている。屋根という屋根が吹き飛んでいた。


周りを見渡すと瓦礫の山であった。


牢屋に居たころの友達だった壁シミを見つけなけえれば俺でさえ同じ場所だとは思えなかったであろう。


一体なにがどうなってしまったんだ?いつの間にか俺は体が動くことを認識し、とりあえずその場を離れる。


足元に泥のような汚泥物がある。人の形をしている。これはおそらく俺をどついたるねんしていた憲兵だ。


ワールドオブウォーかよ。核爆弾でも落とされたのか!?ドロドロやんけっ!取り合えず顔を蹴っておこう。うわっ足に顔がへばり付いたッ!


とりあえず辺りを散策するか。最初に着るものを探そう。住むところはもはや絶望的なんだな。





散策してみるが瓦礫かドロドロの死体しかない。どうやら本当に核爆弾を落とされたようだ。何故か助かった俺だけどおそらくチートスキルのおかげだろう。


コミュニケーションとなんにも関係ないような気がするけれど関係のない名前にするのがお洒落という理屈もあるようだしお洒落なんだろう。


ドロドロの死体から着れるものがないか漁っているが、ドロドロなんだから衣服もドロドロに決まっているのであった。


でも自分がバカとは認めたくないのでドロドロの死体から着るものを探そう。


瓦礫撤去作業も板についてきた。さっきより作業効率が増している気がする。えっさえーらほらさっさー、えっさえーらほらさっさー


瓦礫をどかした後に出てきたのはまたもドロドロの死体。もうドロドロの死体しか見つからないのは当たり前なのだ。誰だ!散策しようといったバカはッ!


しかしこの死体はなんか他と違うな・・・あぁ!女の死体だ!凹凸が明らかに他とは違う雌臭さを感じる!


それにこのくびれには見覚えがあるな・・・あぁ!あの金髪女のくびれだ!


そうか、こいつも死んだのか、勿体ない。いや、人の死にそんな邪な気持ちを持つことは間違ってるな。マジ勿体ねぇ


一度は俺のセックスフレンドになった仲だ。埋葬でも・・・触るの気持ち悪そうだ。生前は気持ちよさそうだったのに。


とりあえず拝んでおくか。南無・・・あとの呪文は知らない。とりあえず南無~



10秒ほど拝んだ。もうええやろ。瓦礫撤去作業に戻るか


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