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絶対正義マン  作者: まるいんこ
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異世界転生したが懐が寒い

適当な小説を適当に投稿します。よかったら見てください(・ω・)

 

 ある夏の日、トラックに跳ねられ意識を失った俺。


 すくい上げられるように吹き飛ばされ全身をコンクリートブロックに打ちつけた。

 地面に広がる謎の血溜まりとか誰のものかも分からない変な肉片とかを視界に入れながらもだえ苦しむ。


 ニュースなんかでは全身を強く打ちつけ即死。と報道されているのは実は救命活動が間に合わず死亡と言う意味らしく、全身嫌な汗をかきながら動機息切れに苛まれながら顔中の筋肉を全て使って死の恐怖と戦っている。

 あぁ、あれは俺の血と肉片か。


 苦しみが続く中、ブラックアウトするように視界が除々に狭まってくる。

 これが死か・・・まさに眠るように・・・ではなく金玉が世界の中心へ持ち上がっていくような凄まじい苦しみの中で俺は意識を手放した。



 ・・・



 するとさっきまでの苦しみはどこへやら、もしかして夢だったのか?

 しだいに意識が回復していく中。もしかして救急活動が間に合って助かった?と思いながら全身に意識を集中させる。


 病院にしてはやけに肌がちくちくする。最近の病院は外国人観光客を取り入れるため畳でも敷いてるのかと思い、我が家は全室フローリングだったため、久しぶりに田舎を思い出しノスタルジーに浸るため、一つ深呼吸してみる。なんか臭い。

 畳というよりどちらかとい言えば河川敷のような臭い。体を起こして見ると、そこは病院ではなかった。

 そして俺は一つ気がついたことがある。肌寒いと思ったら、どうやら全裸だった。なぜ外で全裸になっているのだろう?これじゃまるで変質者じゃないか。


「あっ、変な人が起きたよ!」


 変な人?誰だそれは?と、後ろから女の声が聞こえたので、正義感からその変な人を探すため辺りを見回してみる。

 そこにはショートカットの金髪の外人の女とセミロングくらいのクセ毛の青髪の女がいた。それ以外は正義感の強い俺を除外するならば誰もいない。

 つまり変質者は俺か。どうやら正義感だけでは外で全裸は変な人である事実からは除外されなかった。

 しかし、なんかのコスプレか?って言う格好をしているが、顔面偏差値的には国公立くらいの高さが伺える女どもはなぜか俺に視線を向けている。

 あきらかに怪しいやつを見るような目を向けてきているが、顔のいいコスプレイヤーは皆AV女優じゃなかったのか?男の裸くらいでそんな目をしやがって。

 全く、これだから女は・・・チッ、死ねばいいのに。



 溜め息と共に己に秘めたる闇なる思考を緩ませよう。

 ・・・ふぅ、仕方ないな。このクソ失礼な女だが、仕方がない。

 友好なる第一声を放つため。声帯を振るわせるため意識を集中するか。

 この程度の障害など我の美声を持ってすれば看破することは可能なのだよ。

「あの?ここはどこですか?」そう聞くだけで全ての女は俺に股を開く。

 まぁ冗談だよ。この美声は、そうだね。言うなればただの処世術かな?ふふっ。



「あ、あ、あ、あ、あのぅ、きょ、きょこは!どきょっ!どきょ!でしゅか!?」


「ひっ!」


 なるほど、頭で考えてることが気持ち悪いんだからそれが表に出たらどうなるかわかったもんじゃない。

 こんちくしょう。金髪クソ女がおびえてしまった。

 そして俺に処世術なんて存在しなかった。所謂ニワトリを締め上げたようなキモイ声。トラックに跳ねられたせいだ。



 しかし今はそんなこと考えてる暇はない。通報されるまで後何秒だ?5秒か?なら大丈夫だ。

 人は緊急事態に遭遇した時どうするのかによって度量が決まる。普通パニックになる人がほとんどの中で俺は冷静に、そう冷静に

 例えるならピストルを持った強盗に遭遇してもその場で警察に110番通報ができるほど冷静に対処ができる度量がある。その辺の思考停止した連中とはわけが違う。

「あのー、今ピストルで撃たれそうなんですけどー」

 そういうノリで「今のはジョークですよー」と、軽い感じで笑いながら近づいていけばいいのだ。

 ジョークだってわかれば人間たいていのことは許してくれる。なぜならテレビではドッキリの看板一つでたいていのことは許しているのだから。


「い、いいいいい今のは、じょ、じょーくですやんー。ひ、ひひっ」


「な、なんかやばいよ!この人!」


「早くそいつから離れろ!私が今すぐ切り殺してやる!」



 どうしてこうなった。



 ・・・



 冷たい床。世間の風。懐が寒い。

 給料前の千ベロサラリーマンのようなことを考えながら俺は今薄暗い牢屋にいる。


 なぜ牢屋にいるのか?それはつい先ほど出会った青髪のクセ毛女のせいだ。


 あいつは切り殺してやるって言ったが、あれは嘘だった。

 なんか西洋風な剣の峰で頭頂部を殴打されただけだ。有言実行できないとはなんて情けないやつなんだ。

 まぁ俺の殺気にやられたんだろうが、本当に切り殺しに来るものならあの青髪パーマネント。

 俺の素早いスウェーバックとダッキングによるマウントポジション(ここまで2秒)によって今頃はこの世とサヨナラバイバイしてるところだ。

 しかし俺が手加減したことを分からないのか本当は俺に感謝すべき所を顔面に唾を吐きやがった。今度会ったらぶっ殺してやる。


 牢屋にいる理由?そうだな、俺のやめてください殺さないでくださいって言う殺気と金髪クソ女の仲介の甲斐あって憲兵に突き出すだけで済ましてやると唾を吐いた後の青パーマの一言から現在牢屋にいるのかもしれないが、ドッキリの看板を持ってなかったことの方が原因の可能性が高いと俺は思う。

 裸で念仏を唱えながら迫った様相も若しくは原因かもしれないが、これはもう水掛け論だ。これ以上考える必要はない。



 とまぁ冷静に物事を考えていると、はて今の状況は一体どういうことなのだろうか?

 俺はたしかトラックにはねられ、もだえ苦しむ中、金玉が世界の中心へ向かっていたはずだ。

 なのに気がつくと病院かと思いきや、素っ裸で平原の中で何故か西洋風の剣で殴打された。

 冷静になったはずなのに世界がおかしい。


 世界がおかしい・・・もしかして異世界転生か!?



 たしかライト兄妹とアルフレッド・ノーベルを足して2で割って0をかけた後ライトノベルを足した言葉のジャンルの小説で読んだことがある。

 それはトラックに跳ねられ死亡すればすべからく異なる世界へ転生できるという話だ。


 しかし、間に神様と会話をしていたような気もするが、そしてなぜか都合よくチートと呼ばれるスキルももらえていたような気もするが。

 そんな都合のいいことを気のせいだと片付けるほど俺は楽観的な人間ではない。

 そんな都合のいいスキルを持って異世界に転生できるのだから俺にも絶対にチートスキルが備わっているはずだ!

 なぜか神様には会わなかったが、まぁそれは気にしないでおこう。


 考えに耽る中、昔俺は一度も遊んだことの無い友人達から遥かなるコミュニケーション障害と呼ばれていたことを思い出した。

 まさかあいつ等は俺の潜在的な能力を見破っていたってことなのだろうかッ!?


 重要な閃きを得て、その秘密を解くべく思考の渦に飲まれていった。



「おいッ!てめぇ!起きろ!」


「おげぇ!や、やめてくだじゃっ!じ、じんでじまぅぅぅぅぅっ!」



 実験が必要だ。俺の遥かなるコミュニケーション障害?この際、障害は取ってしまおう。画数が悪い。

 俺の遥かなるコミュニケーションのスキルの力を試さなくてはならない。



「ハッハッハッ!こいつ土下座してやがる!つーか土下座慣れしてんじゃねーってくらい様になってやんのッ!」


「い、いのぢだげわわわわっ」



 コミュニケーションと言うくらいだ。なにか言語を司る能力なのだろう。

 実験には対話が必要だな。


「おらッてめーの飯はこれだよッ!ありがたく食べな!」


「あ、あああ、ありがっ・・・ごじゃいまずぅ・・・」



 しかし1日に何回もポリスメンとの対話の実験をしているが効果が今だあらわれない。

 なにかきっかけが必要なのか?それとも装備の問題か?

 1日1回与えられる食事。靴の裏に乗った真ん中からへこんだ珍しい黒パンを齧りながら残さず食べ、また実験に精を出す。

 黒パンの割りに甘さが足りない。臭い。頭が働かない。甘さが足りないよ甘さが!




 ~



「・・・ねぇ、本当に大丈夫かな?」


「なんだ?まだ言ってるのか?」


「だって、別にあの子多分悪い子じゃなさそうだったし・・・」


「なに言ってる。裸で変な呪文を唱えながらお前に近づいていたじゃないか?あれは邪教徒の類だ。間違いない」


 この都市には冒険者が多数存在する。

 今会話をしている二人の女性もここの冒険者であった。

 彼女等はつい先日、冒険者の依頼をこなしている最中に見慣れない怪しい男に遭遇し町の憲兵所に突き出したことを話題に都市を歩いていた。



「たしかに様子はおかしかったけど、いきなり邪教徒はないんじゃ」


「絶対に邪教徒だ。証明終わり」


「えっ!?」



 友人のパワープレイで黙殺されそうな金髪クソ女ことエリーは黙殺の犯人である青髪パーマネントことバーバラを少し睨む。



「裸で呪文を唱えるようなやつがまともなやつのわけないだろう」


「それは盗賊に襲われたのかもしれないし、それにここの憲兵ってまともじゃないし。本当に犯罪者じゃないのなら、助けてあげないと・・・」


「突き出すときはなにも言わなかっただろ、今更になってそんなこと言わないでくれ」


「それは・・・あの時は恐怖が勝ってたって言うか・・・今は冷静になってみると・・・って」


「そういうことだ。アノ呪文は相手を恐慌状態に陥らせるものだったのだ」


「でも・・・」


「この話は終わりだ。それより組合についたぞ」


 そういうと二人は冒険者組合へと足を踏み入れる。


「あっ、バーバラさん!どうも!」


 受付嬢に声をかけられたバーバラは一枚の書類を机に提出した。


「この間のスーパーごぶりん討伐の書類だ」


「たしかに・・・ありがとうございます」


「それにしてもあのスーパーごぶりん。いつもより手ごわかったのだが、なにか情報は入っているか?」


「えっ?そうなんですか?」


「ああ、まるで魔法で身体強化をしたみたいな硬さだったな。私の剣が少し傷んでしまったよ」


「へー」


 このバーバラと言う青髪パーマネントはこの冒険者組合でも結構な古株あり受付嬢ともそれなりに顔なじみである。

 冒険者の強さにはランク付がしており、このバーバラと相方のエリーは共にBランク冒険者であった。


「Bランク冒険者なんですからスーパーごぶりんだからってあまり気を抜かないでくださいね?」


「わ、わかってる!言ってみただけだ!」


「もうっ、バーバラ、わたしたちはBランクなんだからそうやって偉そうにしないのっ!ほらいくよ!後がつかえてるじゃない!」


「うるさいなっ、少しは感傷に浸らせてくれ!」


「じゃあ、報酬は後日振り込んどきますねー」


「はい、よろしくお願いします」


 受付嬢に別れを告げ組合を出る二人


 冒険者のランク付けはC~SSSまでのランクであり。


 Bランクといえば普通にやれば足掛け1年で到達できるレベルである。



 C   ・・・初心者。だれでもなれる


 B   ・・・初心者。足掛け1年レベル。初心者に毛が生えた程度


 B+  ・・・初心者から中級者の間。普通。


 A   ・・・中級者。普通の熟練冒険者は大体ココ


 A+  ・・・中級車と上級者の間。熟練冒険者の中でもリーダー的存在


 A++ ・・・上級者。熟練冒険者の中でも圧倒的リーダー


 S   ・・・英雄級。皆から尊敬される存在。国に1人くらいしかいない


 SS  ・・・超英雄級。過去に1人か2人いたくらい。なれたらなんでも言うこと聞いてくれる。


 SSS ・・・超々英雄級。いまだッ!かつてッ!誰もッ!って言う存在。誰もなったことがないので悪口として使われることがある。



 つまりこの二人は冒険者としての才能は皆無なのである。さっきのバーバラはイキっていたのである。

 組合から出た二人は一息吐く。


「お腹・・・すいたね・・・やっぱ報酬は後日だって」


「我慢しろ」


 腹からドラゴンの遠吠えのようなすさまじい轟音を響かせながら我慢しろと言うバーバラ



「でもスーパーごぶりん1体の報酬だけじゃ・・・宿代もたまってるし」


 この二人は冒険者としての才能がないが、冒険者以外の仕事もしたことがないまま結構な歳になってしまったため今更他の仕事につくわけにもいかず常に貧乏なことになっていた。

 剣士のバーバラとその相方、神官のエリーは冒険者界隈では無能な生き遅れババアとして結構有名なのであった。

 この間も酔った冒険者に絡まれた際に「身体売るのもそろそろ限界なんじゃねーの!?ぎゃははっ!」と酷い誹謗中傷を受けたが「えー、そんなことないですよー」と水客商売さながらの受け答えで頬を引きつらせながらも、なんとか笑顔で保ち、他の冒険者と軋轢を生まないよう必死に冒険業というものにしがみ付いている世知辛い二人なのであった。


 ちなみに言われたのはバーバラ。



「心配するな。もしかしたら今度結構な額が入るかもしれないぞ?」


「どうして?なにか拾ったの?」


「この間の邪教徒のあいつだ。あいつが他の邪教徒の居場所を吐けばこっちに報奨金が貰えるだろう」


「本当に邪教徒ならね」


「間違いないといっているだろう!何度証明すれば気が済むのだ!」


「一度もしてないじゃん」


 そういいつつエリーは少しあの男のことが気になっていた。轟音の響くお腹に手を当てながら屋台を見ているバーバラを横目に・・・・・・・・・・・・・・・・・あっ盗


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