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明治怪談  作者: 石田倫理
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第九話 桜の木の下には

「桜の木の下には死体が埋まっている」

明治生まれの作家、梶井基次郎の短編小説「櫻の木の下には」の冒頭の一文である。

桜があれほどにもきれいな理由は、桜の下に醜い死体が埋まっているからだ。

そのようなことが書かれた短編のエッセイが「櫻の木下には」である。



明治時代には実際にこのような怪談が語られていた。



「どこそこに植えられている桜の木は毎年花が咲かない。なぜならその桜は人の血を吸ってその花を咲かせるからだ。その桜が開花するのは木下に死体が埋められたときだけであり、世にも美しい真っ赤な花を咲かせるのだという」



いわゆる「血吸い桜」の怪談である。

小学校の校庭に桜が植えられ、現代では学校の怪談の定番のうちのひとつとして、主に子供たちの間で語られることが多い怪談だが、明治時代には花見の名所であった荒川や千鳥ヶ淵、古来桜の名所である吉野山の枯れた桜を指してこの怪談が語られていたようだ。


夜桜など見ると、人の心を惑わせるような怪しい美しさが感じられるが、明治の人も桜の美しさと妖艶さを心に感じ、このようなエッセイや怪談を後世へと残したのかもしれない。



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