プロローグ『獣』
級は必要魔力量、位は取得難易度を表しています。
魔法は知性をもった全ての種族が、魔導は魔王【バラム】かバラムに教わった魔族のみが習得できるという設定です。
そのため魔導には位表記はありません。
魔導は魔法より必要魔力量が多く、数字で表すなら
下級魔法の必要魔力が1~10、中級が11~100、上級が101~1000
下級魔導は5~30、中級が31~500、上級が501~3000といった感じです。
作者もテキトーに作った設定なので、あんまり難しく考えず読み流していただけると幸いです。
つっても今回魔法出ないんだけど
【帝国】帝都 国営図書館
【勇者】
神々から祝福や加護を受け、身体能力や魔力等を飛躍的に上昇させた、人智を越えた存在。
人類の守護者であり、人類の窮地に現れるとされている。
然しながら比較的平穏な時代にも複数人の勇者の出現、活躍が記録され、近年では儀式や魔法を用いて人為的に勇者を呼び出す【召喚】術が発明されている。
勇者は異世界より姿形をそのままにこの地に召喚される“転移”と
異世界人が新たにこの地の存在として生まれ変わる“転生”
そして勇者の血を継ぐ者の“遺伝”
等によって出現するとされている。
勇者の存在は真偽不明なものも含めて世界中で数多く確認されており、人類史では2500年前、中央大陸に出現した勇者【キム・フミ】が始祖の勇者であるとされているが、歴史学者達の間では4000年前の塩ノ国建国の英雄である【アマワリ】を勇者であるとする説が根強い。
【アマワリ】は当時無人島だった塩ノ国群諸島を開拓し、戦や災害等で住処を失った者達を集めて移住させ、当時およそ数千人程しかいない塩ノ国を他国が攻め侵った時には単身で敵軍の旗艦に乗り込み総大将を討った。
また、勇者【セイイチロウ】が持ち込み広めたとされる“漢字”をそれ以前から使用していたとされ、塩ノ国で使われている“龍字”102文字は漢字に酷似している事から信憑性も高い。
東大陸の和ノ国の勇者【ダイチ】は、それまで多くの勇者が知識として持ち込み現地の鍛冶士と接触しても再現できなかった“刀”を作り出し、製造法を広めた。
彼が持ち込んだ多くの製法や技術は彼の死後弟子たちによって結成された“刀工会”が主体となって国の機密となっており、和ノ国製の刀や剣、刃物は他国に比べて非常に優れている。
勇者の中には極稀に【奇跡】と呼ばれる能力を授かった者がおり、900年前に西大陸にて確認された勇者【ライオーキングマンスペシヤル】は不老の奇跡を授かっており現在もルシャナ族という現地の部族の神として祀られている。
また【ライオーキングマンスペシヤル】は魔王【セーレ】と非常に仲睦まじげであった記録されており、聖王国から派遣された神官からの質疑応答でも自ら交友を持っていた事を認めている。
これは他に例を見ない事であり、疑わしい話だが性的、肉体的関係を持っていたとする説もある。
前述の通り勇者と魔王が友好的であるというのは極めて例外的で、目的を違える者同士敵対関係となるのが一般的である。
勇者【カイル】や勇者【リーズベル】、勇者【ユウキ】のように魔王を討伐し英雄となる者もいれば、歴史上数多の勇者達が魔王によって命を落としている。
中央大陸を統べる大国、聖王国の先代教皇バレンタインが発明した勇者【召喚】儀式により、聖王国は歴史上類を見ない勇者保有大国に登り詰めている。
また【召喚】専用の魔法も開発されており、マジックアイテムを使用する事で遠くの地にいる勇者を呼び出したり、新たに勇者を【召喚】する事が可能となり先の中央大陸全土を巻き込んだ魔王【バラム】との大戦でも活躍した。
一方で聖王国は勇者に対して不当に不平等な契約を交わし酷使している、人類間での戦争に勇者を呼び出し人殺しをさせている、魔族の侵略に対し勇者の派遣を渋り属国を迫っていると他国から避難されている。
然しそれらは聖王国の勇者【ジュマ】【リーズベル】【ユウキ】らによって否定されている。
その土地柄故太陽が最も離れているとされる大地…
【東大陸】北部一帯、草木も生えぬ程の凍土を天然の要塞とする【氷ノ国】。
過酷な環境で生活する彼らは、その環境に適応するかのように強靭な肉体と、並大抵の苦痛では折れぬ鋼の精神を養っている。
それは獣とて同じ事、弱肉強食の法則に従うように、冬を越せる程蓄える事ができず朽ち果てた獣の死骸を漁るため、爪や牙は長く発達し死臭を嗅ぎ分けるため嗅覚も鋭くなり、また冬を越せるよう河は厚く毛深く、さらに冬場は皮脂を多量に分泌させる事で毛を固め熱を逃ないようにする。
他地方の同種と比べてももはや別の生き物であるとまで生物学者や他国を旅した事もある狩人達に言わしめる程に進化した【氷ノ国】の獣。
そんな【氷ノ国】の民や獣すら畏怖する存在、動物ではなく化物と称しても相違ない【赤い死神】が居座っているのが【氷の国】軍都より80丁程離れた地【煉獄山】である。
雪によって白く染まった大地に異色を放つ鉱石を多く含んだ土の垢銅とその周りを覆う木々の深緑色で構成される場所は、【東大陸】最大級の活火山であり、その地熱によって溶け出した雪解け水が軍都まで流れ込み、東大陸最高峰の軍勢を支え育んでいる。
そんな砂漠のオアシスにも等しい地には勿論獣達も集う
この場所は俺のナワバリだと奪い競えば、都から時折来る狩人が獲物を求めてやってくる激戦区である。
そんな自然の日常が突如として崩壊したのは4年前、この地に赤毛の一匹狼が流れ着いてからだ。
それが都の狩人や民に死神と称され、八将政府に木材や燃料を他国に頼ってまで【煉獄山】を立ち入り禁止とさせた【赤い死神】である。
やって来た若く痩せた狼にいつもの様にこの地の洗礼を下そうとした肥えた巨獣は、足の関節を噛み砕かれ体勢を崩した所で目と鼻を潰された……
無力と化した巨獣をわざと放置し、それを狙い襲いかかった悪知恵の働く輩を後ろから回り込んで蹂躙した
2日程時が立ち、死に絶えた巨獣を食している頃に、遠くから石を投げ邪魔立てしてきた小猿の群
逃げ足の速く賢い彼らには、匂いを辿って発見した雌や子どもをできる限り原形を留めて殺し、怒り狂って向かってくる奴から順番に食い殺した
遙か高みから此方を見下ろす鳥共は、木々を登り枝々を足場にして飛び掛かれば爪で軽く切り裂くだけで呆気なく命を落とした
布地に硬い鉄を乗せ、更に上に獣の皮を縫い付けた頑丈な鎧と槍や弓を持った狩人が珍しい高く売れそうな毛皮だと此方を伺えば、獲物は何方なのか分からせるために力で捻じ伏せた
若そうな人間の雄が、剣と手斧を持ってやって来たから手足や腹を噛み千切ったが、何故か即座に元に戻っており唯一殺すことが出来なかった、その後は遠方から此方を見上げているだけなので無視している
【帝国】帝都 国営図書館
【神獣】
神々がかつてこの地に住まわっていたとされる神代の時代に遺したとされる神々の肉体の一部【聖遺物】を体に摂り込み、身体能力や知能が飛躍的に上昇した獣。
【聖遺物】は基本的に聖教会や国、王家等が発見され次第接収し管理するため、神獣が発生するのは人の手の及ばない辺境や未開の地である事が殆どである。
神獣は身体能力や知性以外にも
不老化や生命力の向上、また透明化や魔眼や人化等特殊な能力を開花してているのを確認されている。
神獣は地域や個体によっては文字通り神として祀り上げられているものもおり、500年前に確認された西大陸の【百獣王】は勇者【ライオーキングマンスペシヤル】と共にルシャナ族に祀られている。
また神獣の中には魔王のように人々に厄災をもたらしたものもおり、280年前帝国内に出現した神獣【大食い蛇】はその巨大な肉体に透明化の能力を持ち、各地の都市を襲って推定2万人もの民や兵が食われたという。
【大食い蛇】は当時帝国内に留学していた【塩ノ国】第三王子【ショシン】(後の海軍総代)によって討伐され、その遺骸は皇帝によって【塩ノ国】王家に献上された。
現在その革は加工され【塩ノ国】王家が保有する【弩級船】“龍樋”の船首となっている。
110年前東大陸の【金ノ国】にて発見された神獣【女郎蜘蛛】は、人化の能力を持っており見目麗しい美女に化けては若い男を誘惑して捕らえ、卵を植え付け苗床として扱った。
【女郎蜘蛛】の子どもは母から人化の能力を遺伝させており、父にあたる人間の姿を模すと人間社会に溶け込むようになる。
その習性から発見が遅れ、被害にあった男性は最低でも200人、子どもの数は未知数、またその子どもが何故人間社会に溶け込んでいるのか、目的も判別方法も分からずじまいとなっている。
【金ノ国】隣国である【和ノ国】の勇者【ダイチ】によって討伐されたが、その子どもはまだ世に放たれている。
他にも様々な神獣の存在が確認され記録されているが、40年前に起きた【帝都放火事件】によってその詳細な文献は一部焼失しており、現在帝国が威信を掛けてその復元、調査を行っている。
最も近年だと…年前に東大陸【氷ノ国】で確認された【赤い死神】と呼ばれる………………………………………………………………………
禍々しい強烈な気配が突然目の前に現れた…
ただの肉の塊のようなそれからは、この暖かく血塗れた地に君臨する自身でさえ近付くのに躊躇するほどの圧を放っており、自身を脅かそうとするそれに対する…ただの肉の分際でという怒りと逆なでされたプライドが
恐ろしい、危険を冒す必要はない、逃げろという理性と生存本能とせめぎあう。
だが、目の前のそれ【心臓】は獣の行動を待ちなどしない…
その瞬間獣が身体に異変を感じたと思えば視界から一瞬にして肉塊が消え失せた
馬鹿な、瞬きや目を逸らした覚えはないと考える間もなく、獣は胸から感じる激痛、内側から圧迫してくるなにかによって意識を失った____________________________
【帝国】帝都 国営図書館
【悪魔】
実体を持たず、魔力を形成して生み出した身体(以下魔体とする)を動かす、又は他の生物や武器、鎧、人形等に憑依する上位の魔族。
実体を持たない故に殺す事は不可能とされており、魔法やマジックアイテムを使い封印する以外では魔体や憑依先を破壊し続け魔力切れを起こさせるしか対抗手段がなく、ある意味人類にとって【魔王】以上に脅威的な存在と言えるだろう。
ノクターンとかにエロシーン追加したR18版出そうか検討中、読みたいって人いたら作品評価してくれるとモチベ上がってやるかも
あと書くならホモもノンケもショタコンも皆仲良く胸くそ悪いオチになるんでお覚悟を