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今日から悪魔(ルシファー)  作者: 流石挿入画
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今日から悪魔(ルシファー)第四章

久しぶりの投稿です

 剣によって切り殺された鴇矢。

 ここは天国か地獄かと悩んだがどちらでもない。

 なぜかベッドの上にいた。

 

 ここがどこの誰のベットなのか鴇矢は知らない。ただやけに良い匂いがした。

 

 ふと何があったか思い出してみる、

 鴇矢はあの結界とやらの中で白河と会い、彼女が白いマントを身に付けた人間たちと戦っていて何人かの死体を見て、中には内側から暴発するように爆散した人間もいた。

 思い返すと吐き気がしてくるが重要なのはここからだ。

 白河の隙をついて後ろに回り込んだ剣を持った天使の称号者。

 反応の遅れた白河。それをかばうように飛び出しそして……、

「なんで自分が生きているのか不思議って顔ね」

「し、白河いつからそこに」

 ドアは開かれ壁に寄り掛かるように立つ白河。

 そこでなんとなく気づいた。

「ここはお前の家か」

「ええ。まあ正確には違うのだけれど今はそんなところよ。ちなみにそこは私のベッドだからあまり変なことはしないでよね」

 なんだと!? それを聞いたら何かをしたくなる。せめてもう少しだけここに寝っ転がっていたい。だが白河の視線も痛いのでしぶしぶ立ち上がった鴇矢は部屋に置かれた椅子に腰を下ろした。

「一体何があったんだ」

「あんたは死んだのよ」

 相変わらずあっさりと言う。

やっぱり死んでいたのかと納得もしてしまった。

そりゃそうだ。あの傷で生きてる方がおかしい。では……、

「じゃあなんで生きてんだ俺」

 言いながら答えは明確なのに気づいた。

 白河が何らかの方法で蘇らせた。

 あれだけのことをやっていたのだ、ザオリクが使えたってなんら不思議は無い。

「私が生き返らせたのよ。ルーンを刻みこんでね」

「ルーン? ザオリクじゃないのか」

「ザオリクって何よ」

「いやなんでもない」

 話を面倒にするのはやめてさっさと本題に入るべきだろう。

「悪魔や天使と契約して彼らの代わりに人間界でのシェアを競う為の力。あんたは悪魔の力を手にしたのよ」

「悪魔の力を持ったって、何も変化は感じないぞ」

「無意識に魔力を大気中から吸収したおかげで心臓を貫かれたあんたは生き返ったのよ。嘘ならあんたは生きてないわ」

 空気中から魔力とはなんだ。

 どこのライトノベルだ。タイトルはなんだ。それともネット小説だろうか。

 本をあまり読まない鴇矢には重いあたるものがない。

 悪魔の力を持ったと白河が言った。

「ということはなんだ、俺にもお前みたいなめちゃくちゃな力が使えるようになったのか?」

「ええそうよ、鍛練しだいだけど、あんたは少なくともあんたはユグドラシルからすれば要注意レベルの大悪魔になっちゃったからね、仮に使えるようになったとしても、まだほいほい使うんじゃないわよ。あんたが死ぬのは魔界側、つまりラグナロクの立場としてはおしいから」

 鴇矢が死ぬことが魔界側とやらにとってはおしい。

つまり白河にとって何か不都合があるというのだろうか。

何が何やら解らないが一つ記憶にあることがあった。

「そういえばお前自分のことをレヴィアタンだとか言ってたよな」

「ええ言ったわね」

 あっさりと言う。

「じゃあお前の契約悪魔は」

「契約悪魔というより悪魔そのものだけど。お察しの通りレヴィアタンよ。名前くらいは聞いたことあるでしょ。七大罪に数えられる悪魔の一柱。私はこれでも魔界側の勢力組織ラグナロクの幹部でもあるの」

「ラグナロク……」

 さっきから頻繁にでるワードだ。

「ちなみに天界側の勢力の名前はさっき言ったユグドラシル。覚えておいて損はないわ。これからあんたが戦っていく相手だからね」

「戦うってそんなこと」

「別の悪魔の転生者だったなら良かったんだけどね……あんたに術式を行った時……まさかとは思ったけど胸元を見てみなさい」

 言われるがままに鴇矢は胸元を見るとルーンらしきものが刻まれていた。

 なんてことしやがる。これではプールの授業に出れないではないか。

「心配ないわ。称号者、もしくは解放者や転生者でなければ目には見えないから」

 それは良かった。授業に出れないというのはまずいがセーフということだ。

「それでなんだけどね」

 少しもじもじしている白河はやけに可愛らしかった。

しかし直後に言われた言葉によって鴇矢は奈落の底に突き落とされることとなった。

「会議の結果、おめでとう天野くん」

「おめでとう?」

「あなたがラグナロクの正式な幹部となったの」

 意味が解らなかった。

 ラグナロクという組織は確か悪魔側の組織とかいう奴のはず。

そんなもんの幹部にまだ何も知らない自分がなったとはどういうことか。

 解る奴がいるとすればエスパーくらいのものだ。

「幹部ってなんで。俺はそのラグナロクってもんのことなんてこれっぽっちも知らねえぞ」

「胸元を見たでしょ」

 そりゃ見たさ。

 白河が見ろって言ったんだろと目で意思を伝えると、

「そのルーンね……」

 困り果てたようにこめかみに手を当てる白河。

 この良く解らない魔術で使われる感じの模様がなんだというのか。

「実はルシファーのルーンなの」

「ルシ、ファ?」

 ルシファーといえばおなじみ神に背いた堕天使のことだろう。

それ以外に思い当たるものがないし、悪魔云々の話の途中であるからして十中八九悪魔のルシファーのことだ。

「ルシファーって……俺がルシファーになっちまったってのか」

「そうルシファーの転生者。ルシファーそのものと言ってもいいわ」

「それって……どんなことができんだ?」

「なんでちょっとワクワクしてるのよ」

「いやあだって白河みたいな力が使えるってことなんだろ」

 なぜだって? 

 決まっている。

 欠伸が出るほどに退屈な毎日。そこに光が差し込んだそんな気分だったからだ。

「私みたい? 寝ぼけないで」

 癇に障ったように言う白河に少し引き気味となる鴇矢。

「私どころじゃないわ。あなたの持つルシファーの力はレヴィアタンの非じゃないわ」

「そうなのか」

「ええ、なんせ三大悪魔のルシファーは因果を司る大悪魔。その力を行使できるようになったんだからね」

「因果って……え……」

 突然因果と言われてもピンとこない。

くるはずがない。一体何ができるというのかもう少し解りやすく説明してもらいたい。

しかしそんな鴇矢の気持ちを察する気の無い白河は、

「天野くん、あなた魔力の使い方解る?」

「解るわけないだろ……でも待てよ」

「どう? 何か感じるでしょう?」

 ふと感じた。

 意識してみると解ることなのだが、確かに体の中で何か蠢いているものがある。

 それだけ。これが魔力だというのなら少しは納得できる。なんで魔力なのかは解らないが今まで吸収したことのないものが体内に入り込んでくる。

「なら今から力の使い方を学ぶわよ。外に出ましょう」

「なんでお前がそんなことするんだよ」

「ラグナロクの総意よ。ルシファーの転生者は今まで大昔に一度しか出現することがなかったの。だけど君の胸元にルーンは出現して転生者が現れた。そんな存在をみすみす殺すわけにはいかないからね。私があなたの管理役をおおせつかったの」

「管理役って」

「あなたがルシファーの力を使えるようにすることと、力の使い方が解るまでの守り役ってとこね。同じ学校で隣の席の私がするのが一番だと判断されたのよ」

「それは確かに一番効率は良さそうだが」

「まあそれと個人的なことだけど、私の不注意で殺させちゃったからね……まあこれからはしっかりと守ってあげるからあんたも力の行使の上達頑張んなさいよ」


ありがとうございました

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