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周り金持ち

キーンコーンカーンコーン。


「おーし、後ろから回収~」


小テストのプリントが前へ回されていく。今回は調子よかった。どうやら詰め込みが功を成したようだ。もしかしたら満点かもしれない。


「よぉーヤスハル。お前どうだった?」


「上出来だよ」


「おおお、すげえな。さすが特待生」


「それ多分関係ないと思う」


思い出したの夜中だし。偶々運が良かっただけだ、今度は真面目に勉強しよう。


「俺今すぐにでも家帰ってゲームしてぇ~」


「それいっつも言ってるやろ」


何気無いいつもの会話である。




俺が通っているのは偏差値は普通の、選んだ理由がただ家に近いだけの高校だ。他に選んだ理由はない。


そんで、入試の時偶然にも俺が解ける自信のある問題ばかりが出題された。それも全教科。


なので後日、合格通知と特待生の通知が俺宛に届いたのだ。確かめっちゃ嬉しがった覚えがある。


・・・第一志望はレベルが高くて点数足らずに落ちてしまったのだが。


だけどもこうして友達も出来たし、結果オーライじゃね?と思った訳なんだが、奴等の隠れたる才能がすごかった。


まずさっき声をかけてきたヨースケは根っからのゲーマーだ。休日はなんと22時間続けてオンラインゲームをしたとかなんとか。いくつもの大会に出て賞金をがっぽりもらっているそうなのだ。だからこいつの家には最新ゲームがてんこ盛りである。


他にもダイキは大手動画サイトで広告収入を得ているし、ナオトは絵が上手いのでイラストレーターとして活動もしている。


みんな高校生の身分にして金持ちなのだ。反対に全く一円すら稼いでいない俺。


別にその事を友達三人から言われたことはなく、むしろ学費0を羨ましがられるのだが、どうしても気になることは気になってしまう。


今の学校はアルバイト基本禁止だ。俺の家庭が極貧でもない限り許可されない。


なーんか俺でも稼げることってないんかね~でもインターネット使ったアフィリエイトとかめんどくさそうだな~、なーんて思っていたところ、ここで異世界の話になる。


異世界ビーラス。文字通り地球ではない所に俺は行き来することが可能なのだ。そこには魔法があり、固有スキルがあり、モンスターがいるのだ。まるで夢の中の世界である。


ただし行くことは出来ても一つだけ欠点があった。金しか持ち出せないのだ。


金。ゴールド。元素記号Au。展性、延性に富み、古来より錆びない装飾品、または通貨として価値が未だにあり続ける物質。密度が大きいのも特徴だ。


ただの学生である俺がここ日本で金を手に入れる方法はたった一つ、購入するしかない。埋蔵金なんてどこにあるか知るわけがないし、金山なんてもってのほか。


日本で俺が小遣い稼ぎする手段は現状皆無と言って良い。だが異世界の場合。


ゲームみたいにモンスターを狩れば素材が必ず売れ、薬品を調合すればそれも必ず売れる。


親の同意書も必要ない。売り物を突き返されることもほぼない。ああ、本当に自由な世界! そんな世界に生まれたかった!


こんなことを言えるのは自分が平和な日本というぬるま湯に浸かっているからだろう。


あっちの世界で金と言えば金貨。勿論価値は高い。相当稼がなければ庶民は目に出来ない貨幣なのだ。だがこんな俺でも稼げる場所だ。



どっさり金貨をゲットして、俺も金持ちになりたいのだっ!




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