オープニング
初めまして、すっぽん少尉です。
こんなの書いてみたいなってことで筆をとりました。
導入ですので、魔法やらなんやらは出てきません。
もし仮に、二度目の人生が与えられたら多くの者はどのような反応を示すだろうか。
ある者は歓喜のあまり涙を流すだろう、ある者はただ静かに受け入れるだろう、はたまたある者は涙を流して大いに嘆くだろう。
様々な反応が生まれるであろうが、この際どうでもいい。
「なにこれ」
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状況を整理しよう。自分の名前はなんだ?
柚月 優だ、問題ない。
では、年は?
17、これも問題ない。
さっきまで何してた?
自宅のベッドで本を読んでて、それから・・・
ここだ、ここがおかしい。なぜベッドで本を読んでて今自分は木々が生い茂る森の中にいるのだ。
なにかのドッキリにしては手が込みすぎている。
どうやってここまで来たのだろう。
考える・・・実は夢遊病で、読んでるときに寝落ちして歩いてここまで来てしまったのかもしれない。
・・・ないな
とすると・・・
「さっぱりわからない」
思考を放棄していた。わからないものはわからないのだ。
次に自身の状態を確認してみる。
見た感じ特に怪我もない、気分も優れているわけでないが良好といっていいだろう。
ただ、本を読んでた時のままの服装(寝間着)なので少し肌寒いのが問題か。
読書中には履いていなかったが、どういうわけかスリッパを履いており足は痛くない。
読んでた本(サルでもできる!超簡単白魔術&黒魔術!)も手に持っている。なぜこれを読もうと思ったのか。
というより、この本はこんなに大きかっただろうか?気のせいだろうか。
携帯電話は・・・持ってない、詰んだ。
連絡手段がなければ助けも何も呼ぶことができない。
文明の利器の有能さを改めて思い知らされた気分だ。
周囲の状況を確認してみる。
あたりをきょろきょろと見回してみる。
森だ。森としか表現しようがない。
ただ、林道と呼ぶべきなのか車一台通れるくらいの幅の道に立っていた。なぜだかそれも大きく感じられた。
しかし、これはどちらかに進めばどこかにたどり着くはず。
なんとなしにそう判断した彼女は、「どーちーらーにーしーよーうーかーな」と適当に道を選び歩き始めた。
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結果から伝えよう、現実は非常であった。
歩き始めてどれだけ時間がたっただろうか?一時間、はたまた数時間だったかもしれない。
ついに日が暮れてきた。
歩けど歩けどもどこかに辿り着くどころか
「景色が全く変わらない」
先ほどから歩き続けている景色が全く変わらないのだ
うっそうとした木しかなく、特に目印となるものがないため
本当に進んでいるのか?と不安になってしまう。辺りも暗くなってきたため怖さ三割増しだ。
まずい、このままじゃ灯りもないまま夜を迎えることになってしまう。なんとかしないと。
そう判断した彼女は歩みを止め
焚き火ってどうやってやるんだろう?なんて考えながら、薪になりそうなものを集め始めた。