第六話「女神との修行4日目」
そろそろ、このお花畑空間で目を覚まして女神と朝の挨拶を交わすのも慣れてきたな。
「今日は戦い方の修行をしましょうか。異世界では自分の身は自分で守らなければなりません。そして、魔法やスキルをうまく使って生きていくのです。そのためには戦闘術を身につけましょう」
「どんな戦い方、すればいい? 俺にあった戦い方があるのか?」
「まずは、武器を決めましょう。……今からちょっと面白い魔法を使います。見ててください」
そう言うと、女神は両手を前にあげて詠唱らしきものを始めた。
「……武器創造魔法」
と、目の前に一つの木箱のようなものが出てきた。なんだこれ。
「これは、神級魔法の一つ、武器創造により創り出された箱です。この箱に魔力を込めると、込めた人物に応じてその人の適性を見極めて武器を出してくれます」
「なるほど、この箱を使って俺の武器を決めるわけだ。早速やってみよう」
木箱に手を添えて魔力を込める。もう、魔力を込めたりするのは慣れた気がする。
魔力を込められた箱は白い光を放つ。
……箱から出てきたのは、
黒い指ぬきグローブだった。
これ武器なの? 厨二病発症しそう。
「なぁ、これ武器になるのか? どう見てもただの指ぬきグローブじゃん」
「武器ですよ。それも、とびきり強力な」
【英雄王のグローブ】:グローブに認められないと使用不可。自分の適性にあった魔法をその身に宿し戦うことができる。
「説明アバウトすぎない?」
「まぁ、まずははめてみてください。サイズは合うはずですよ」
……本当だ。ピッタリ俺の手に合う。
「そのまま魔力をグローブに込めてみてください。火属性のイメージでお願いします」
よっと。おお! すげぇ。俺の手に炎が纏われた。
カッケェ。これは心が踊る。
「お見事です。あなたは適性全開放のスキルも持ってるので全属性の魔力を宿せますよ」
よっしゃ! 器用貧乏スキル取っといてよかった。
「それでは、修行をしましょう。私が相手をしましょう。全力で倒しに来てください」
「よろしく頼む。行くぞ!」