第三話「女神との修行1日目」
「そんじゃ、6日間よろしく頼むわ」
「ええ、よろしくお願いします」
さて、6日間で魔法とスキルの練習をするわけだが…
「まず、魔法ってなんだ?」
「えーっと、魔法というのは魔力と呼ばれるものを集め、使用して不思議な現象を起こす方法のことです」
「ふーん、じゃあ、魔力って?」
「魔力とはあらゆる物質に存在する力のことです。大地、海、空気にも魔力は存在します。もちろん人間にも。すべての物質と魔法は魔力から成り立っています」
そんな感じで、女神との一問一答形式で異世界の知識、魔法の知識、スキル、ステータスに至るまで教えってもらって小1時間。まず、魔法の知識から。
1、魔法とは魔力を必要とする。
2、魔法には属性が存在する。
3、魔法の発動には魔力とイメージが大切。
4、様々な方法で、魔法は発動できる。(例えば、呪文を詠唱したり、魔道具や魔法陣に魔力を込めたりなど)
「それでは、初級魔法の練習から始めましょうか」
女神はそう言うと、ぶつぶつと何かをつぶやきながら俺に背を向けた。
「…ファイヤーボール」
ゴウッ‼︎と熱が生まれたと思ったら、手で球体のような形のバスケットボールサイズの炎を浮かせてる、女神が目の前にいた。
「これが、魔法か…」
思わず呟いてしまった。いや、これ凄いな。さっきまでもうちょいショボいやつを想像してたのに。
「まずこの初級魔法【ファイヤーボール】を会得してみましょう。あなたは適性を全解放してるので、それほど時間はかからないでしょう」
…右手を構えて魔力を手のひらに集める感覚で、炎の球体をイメージして、
「ファイヤーボール!」
手から何かを出した感触があった。手のひらに野球ボールサイズの炎の球体が出現した。
「うおっ!」
と、ビビった瞬間炎はシュウ…と消え去ってしまった。
「魔法は出した後も集中を切らしたらダメですよ。ファイヤーボールを1分は維持してください」
よし、イメージだ。体の魔力を手のひらに集めて、炎のイメージ。…しかし、炎ってちょっと漠然としてるな。もっと、明確な…ガスバーナーとかどうだろうか? これなら炎が安定してるし、うまくいく気がする。
「…ファイヤーボール‼︎」
すると、手のひらに出たのは球体ではなく柱状の炎だった。
「あり? なんでボールじゃないんだ?」
「おそらく、球体でのイメージではなかったからでしょう。あなたが出したのは新しい炎魔法です。私もこのような炎は初めて見ました」
俺が出した炎はイメージどおり安定していて、なにより炎の色が青い。ガスバーナーをイメージしたからか。火力が強い。
「1分たちましたね、魔法を解除してみてください」
徐々に火力が落ちていって、消えていった。
すると、体が重くなって疲労感が出てきた。
「なんか、疲れたような気がするんだが…」
「強力な魔法を使用したから、体内の魔力を多く消費したのですね。これ以上は魔力切れを起こしてしまうので今日は魔法を使うのは控えましょうか」
マジか。今のバーナーってそんな強い魔法なのか。まぁ青い炎だったしなー。
「それでは、今日の修行は終了です。ゆっくり休んでください」
と、言いながら女神は寝袋を出してくれた。
疲れてた俺はすぐに寝てしまった。