第十九話「賢者と称号」
【賢者】:ユニークスキル。分析、演算、などにおいて人間の脳以上の処理能力を持つ。所有者の思考を助ける。
「なんで、急にユニークスキルであるお前が手に入ったんだ? 賢者」
『それは……わかりません。マスターのお体を分析してみたところスキル"賢者"の部分だけモヤがかかったかのようになっていました』
へ? そんな事ってあるのか?
「"賢者"にもわからないことがあるということか?」
『はい。私はまだレベルが1なので、私よりも強い、上位存在に対しては力が通用しない場合があります』
「つまり、まだまだ伸びしろがあるってことだな!」
『……はい。そう受け取ってもよろしいかと』
なら良かった。成長の余地があるのは嬉しいことだ。
「良し、じゃあステータスとスキルに関しての疑問はとりあえず無くなった。次は、称号だな」
『はい。称号に関する分析を表示します』
【大物喰い】:自身よりも実力の差が離れてるものを倒すと得られる称号。格上の相手と戦う時にステータスに若干の補正が入る。
【守護者】:脅威から多くの存在を護ると得られる称号。防御力、魔防力の成長効率が若干上昇。
【睡眠の王】:睡眠を極めし者が得られる称号。睡眠時に成長効率が極大上昇。
【大罪を持つ者】:大罪系スキルを所有する者が得られる称号。スキルの成長効率が上昇。
おお。なんかいい感じの称号だな。全体的に俺の成長を助けてくれるみたいだ。特に、【大罪を持つ者】は俺の"適性全開放"のスキルと相性がいいな。
『なにかご不明な点はございますか?』
「いや、特にない。大丈夫だ」
『わかりました。他にご質問は?』
他? 他になんかあったっけか? ……あ。
「ここ、どこ?」