第十六話「ステータスの様子がおかしい」
……寒いな。ここはどこだ? 長い間寝ていたような気がする。俺は何をしていたんだ? 思い出せない。
真っ暗闇という訳では無いな。ぼんやりと周囲が見える。
「とりあえず……動くか……」
体を起こそうと腕に力を込める。しかし、バランスを崩した。
(……?)
左腕が、無い。力を入れてる感覚はあるが腕は、無い。
そこですべてを思い出した。
(俺は、獅子と戦って生き残ったのか……)
あの時、俺と獅子は奈落に落ちていった。どうやら俺は獅子を下敷きにして生き残ったらしい。
その証拠に獅子の体は原型を留めてない。
(俺の運が良かったからか? 普通は助からないだろ)
色々と疑問は出てくるが、まずは……
「腹減った」
腹が減っては戦はできぬ。たしか、女神ユリアからもらった赤い木の実をまだ持ってたはずだ。
空間魔法"無限収納"発動。
中から木の実を取り出す。
……ふぅ。とりあえず食料問題は解決したな。
さて、俺の左腕は獅子に喰われたが、左手につけてた英雄王のグローブはどこかにあるかな?
死体の周辺を入念に探すと、落ちてた。左腕は爆発四散したのだろう。グローブだけだった。
「しかし、このグローブ頑丈だな。さすがに英雄王の、って名前をしてるだけあるな」
ま、俺はもう左手無いし装備出来ないかもな。とりあえず無限収納に入れとくか。
お、そういえば獅子を倒したなら俺のレベルも上がってるはずだよな?ちょっと見てみようかな。
《八雲空悟》
種族:人間
性別:男
職業:錬金術師
年齢:17
レベル:28
攻撃力:407
防御力:426
俊敏力:432
魔攻力:440
魔防力:428
運:200
《魔法》
空間魔法Lv.3、火魔法Lv.5、水魔法Lv.1、風魔法Lv.1、土魔法Lv.2、光魔法Lv.1、闇魔法Lv.1、雷魔法Lv.3、無魔法Lv.2
《スキル》
錬金Lv.5、格闘Lv.5、隠蔽Lv.3、魔法纏Lv.3
《ユニークスキル》
睡眠Lv.10、適性全開放、賢者Lv.1、怠惰の王Lv.1
《称号》
女神の加護、異世界に呼び出された者、大物喰い、守護者、睡眠の王、大罪を持つ者
「……あれ?」