表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
けだるげ英雄  作者: タケトラ
12/19

第十二話「新たなスキル」


異世界(こっち)に来てから、もう一週間もたった。


毎日、訓練をして日々成長を感じる俺らだが、さすがに慣れない環境のせいか、ちらほら体調不良の生徒が増えてきた。なので、今日は訓練はお休みで自由に過ごしていいと騎士団長から言われた。

クラスメイトは城の外に出て、城下町に行ってるそうだ。俺は外に出るのがめんどくさいので城の中で過ごすつもりだ。


確か、城の中に図書室があるはずだ。そこに行ってみよう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


さて、図書室についたわけだが、どうやら先客がいるらしい。高級感のある服を着ている女の子だ。

あ。目が合った。


「あなたは……召喚された勇者様方のお一人ですね。お初にお目にかかります、オルドリア王国の第一王女のリラ=オルドリアです」


「はじめまして。八雲空悟です」


優しそうな、気品を纏った振る舞いの女の子だ。歳は俺と同じくらいだろうか。


「八雲様ですね。八雲様も、読書をしにきたのですか?」


「はい。まさか、王女様がいるとは思いませんでしたけど」


少し笑いながらそう言うと、王女も笑顔で、


「もしよろしければ本を探すのを手伝いましょうか? ここには大量の本がありますので、探すのも大変ですし」


「いや、さすがに王女様に手伝わせるわけには……」


と、やんわり断ろうとしたのだが……


「気にしないでください。私が好きでやることですから」


押し切られてしまった。見かけによらず、結果強引なところがあるようだ。


「なにをお読みになるのですか?」


「ステータスについての本を探してます」


「ああ。それならばこちらの本棚ですね」



結局、そのあともなんやかんやと王女といっしよに読書を楽しんで俺の休日は終わった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


さて、今日は一日読書をして、夕食も食って、風呂にも入ったので後は寝るだけ。と、思うだろうが。

むしろ今日の一番したかったことは今から行うことだ。


なにかっていうと、新しいスキルを使ってみることだ。昨日の訓練の途中で、唐突に手に入れたものでクラスメイトの前では使いたくないスキルだったので、深夜でみんなが寝静まった今から試そうと思う。

今俺は訓練所にいる。騎士団長のセリウス曰く、訓練所には防音の魔法がかけられてるので音を出してもバレないだろう。


俺が今からやるスキルは、これだ。


魔法纏(まほうまとい)】:英雄王のグローブ所有者限定スキル。自らの適性魔法を体に宿し、身体能力の超向上を可能とする。


と、いうスキルらしい。

あれだろ? わかりやすくいうと、ドラゴン〇ールの界〇拳みたいなもんだろ?

なんだよそれ。超カッケェじゃん。ワクワクすっぞ。


うし。やるか!


まずは、英雄王のグローブを嵌めて、両手に火属性の魔力を纏わせる。

そして、スキルを発動させながら、両手の魔力を全身に流れさせるイメージで……


おお! できた! 全身が赤色の火の魔力で包まれた。体が軽い。確かに、身体能力が上がったっぽい。


試しに、ちょっと走ってみるか。


腰を少しさげて片足を半歩後ろに引く。そして、足の裏に力を込める。


地面が抉れて、とてつもない速度を出してるのがわかった。


「うおっ! あぶね〜」


危うく、壁にぶつかるところだった。力加減が難しいってレベルじゃない。自分の体じゃないみたいだ。


脚力だけで抉った地面を見ながらそんなことを考えてると、不意に全身から力が抜けた。

この感覚には覚えがある。魔力切れだろう。どうやらこのスキルはかなりの魔力を消費するようだ。

ピーキーすぎて使い所に困るな、これ。


ま、いいか。今日は疲れたし眠ろう。


こうして、俺の休日は終わった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ