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けだるげ英雄  作者: タケトラ
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第十一話「訓練開始」


異世界に召喚され、一夜明けた。おそらくは7時ほどだろう。この部屋には時計はないが、いつも通り体が起きたのなら7時であってるはずだ。

窓から外を眺める。すると既に活動を開始している、この国の人々が見えた。

荷物を抱えて忙しそうに動く者。眠そうにしながら開店準備をする者。いろんな人がいた。


「 とりあえず、制服に着替えるか」


着慣れた制服に袖を通して、着替えを完了すると、ドアがノックされた。どうやら朝食の準備ができたようだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


食堂についたら、昨日とは違い俺が一番乗りなことに気づいた。

一人で待ってると、吉永が来た。


「おはよ〜空悟くん。よく寝れた?」


眠そうな顔を擦りながら登場してきた吉永。


「寝れた。俺は基本的にどこでも寝れるからな」


「いいなー。私はよく寝付けなかったよ」


えへへ。と笑う吉永。


「そういえば、空悟くんのステータスってどんな感じ? 見してもらってもいいかな?」


「いいぞ。『ステータス』」


と、見したのは偽装スキルを発動させたステータス。別に、吉永なら偽装しなくてもいいかなと思ったが一々説明するのもめんどくさいからとりあえず偽装して何の変哲もないステータスにしといた。


「……このステータス……」


あり? 偽装ミスったか? 怪訝な顔をしてる。

すると、他のクラスメイトも続々と食堂に入ってきた。俺は食堂の入り口近くに座っているので必然的に俺のステータスがクラスメイトに見られた。


「ギャハハ! おい見ろよ! 八雲のステータス、ひでぇぞ!」


なんかめっちゃ笑われる。え。どういうことだ?


「なんで笑うんだ? 俺のステータスってそんなおかしいのか?」


「お前のステータスの値が低すぎてな。笑っちまった」


すると、俺のステータスを見て爆笑してたやつがステータスを見してくれた。


……全部のステータス値が100を超えてた。なんだこれ。俺のステータス弱すぎだろう。


しかも、今の俺は偽装スキルを発動してるから魔法やスキルがろくに扱えない奴として見えるはずだ。そりゃ、笑うわ。


吉永を見ると、なんとも言えない表情を浮かべてた。


とりあえずは、その場は収まったが明らかに俺のことを下に見るような目をするクラスメイトが増えた。


あまり、いい気分ではないが、気にしないでいっか。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


魔王討伐のための訓練を受けるために、俺らは訓練所にきた。

どうやらこの国の騎士団たちが訓練をつけてくれるそうだ。


「よし、全員いるな。俺が騎士団長のセリウスだ。よろしくな」


渋い顔のナイスガイなオッサンの挨拶から訓練は始まった。


「まずは戦い方を教えるにあたり、使用武器を決めようと思う。武器庫から武器を選んでくれ」


と、言ったが俺はすでにグローブがあるので他に武器を使う気はない。なのでバレないように無限収納(インベントリ)から英雄王のグローブを取り出して装着。


「おい、八雲。君はふざけてるのか? なんだそのグローブは? 真面目に訓練を受けろ!」


突っかかってきたのは小金井だった。めんどくさいな。


「別にふざけてるわけじゃない。これが俺の武器だ」


「嘘をつくな! まったく、君はステータスも弱いのに、そうやってクラスの和を乱さないでくれ」


「おい、ステータスは関係ないだろうが」


一応反論してみるが聞いてない様子。ステータスに関しては俺も地味にショックだったよ。


俺らが揉めてると誠一や伊藤が止めてくれた。誠一が小金井を遠ざけてくれたおかげでその場はなんとかなった。


「ねぇ。気にしないでいいわよ。あのアホ勇者の言うことなんて」


「……驚いた。俺はてっきり伊藤は小金井ハーレムの一員かと思ってた」


「そんなわけないでしょ。小金井が勝手に私の近くにいるだけよ。それに、私は好きな人いないもの」


「そりゃ意外だな。俺はてっきり誰かと付き合っててもおかしくないと思ってたからな。伊藤は美人だし」


「なっ。急におだてないでよ。照れるでしょうが」


伊藤は顔を赤くして本気で照れてた。


「そういう言葉は結衣(ゆり)に言ってあげなさい。彼女なら泣いて喜ぶでしょうから」


「? なぜ吉永に言うと泣いて喜ぶんだ?」


すると、伊藤が顔をしかめて


「あなた、気づいてないの? 鈍感すぎるでしょう」


ため息をつかれた。


そんなことをしてると、騎士団長から集合の合図がかかった。


「よし。各々武器を選んだようだし、訓練を始めよう!」


こうして、魔王討伐にむけて訓練が開始された。


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