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その胸、魔法では膨らみません ~100LDK幼女憑き~  作者: すぴか
【第5章】おれひとりにロリさんにん
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【第1話 届かぬ手紙】

第5章開始です。

この章で一段落する予定です。

 襲撃者達の名は「白山羊」。

 比較的若い組織だが、それでも設立から50年以上経過している。

 若い組織にありがちな派手で過激な行いが多く、同じ革新派の中でも倦厭されている。

 だが、オカルトの復興を願う組織の急先鋒として革新派の古参たちに良いように利用されているらしい。


 自分たちが直接動くと何かあった時に逃げられなくなるからトカゲのしっぽは必要だということか。

 爺さんから聞き出した情報を反芻しながら夜の商店街をグリと並び、静かに歩く。

 シャッターは全て締まっており、人の気配はない。

 いつも騒がしいアルとクロノも今日は静かに俺の後ろをついて来ている。


 商店街の一角、昔からある古物商といった風の木造二階建ての建物の前に立つ。

 この建物だけシャッターは開かれており、その奥からは禍々しい気配を感じる。

 なるほど、中は異界化している様だな。


「さて、パーティーの二次会場はこちらかな」

「準備万端、いらっしゃいませって感じやな」

「私たちも失礼が無いようにしなきゃね」

「頑張りますです!」


 せっかくのパーティーへの招待。

 それも随分と豪華な招待状をもらったからな。

 彼らの期待に応えなければ男が廃るというものだ。

 魔を導く者として、素敵なお土産をプレゼントしよう。


「さて、誰も出てきてくれないということは贈り物は勝手に渡してくださいということなのかな?」

「せめて入口まで迎えに来るのがマナーだと思うのだけどね」

「彼らは新参者だということだし、仕方あるまいよ。我々がマナーを教えて差し上げなければな」

「まったく、仕方がないわね」

「何を言っとるんよ……」


 俺とグリがわざとらしく芝居をしているとアルが冷たい視線を向けてくる。

 緊張をほぐそうとした俺たちの気持ちは届かなかったようだ。

 まぁ嘘だけど。


「さて、真面目にやりますか」

「兄さん余裕やなぁ……」

「ま、これもお前たちが居てくれるおかげだよ」

「……、まぁそういうことにしとったるわー」


 そういうとアルは顔を背けてしまった。

 変な奴め。

 それじゃ攻略と行きますか。

 俺はまずクロノに指示を出す。


「クロノは魔法封じの結界を展開、対象はこの建物すべてだ」

「分かりましたです!」


 魔力が抜けていく感覚を覚えながら、次はアルに指示を出す。


「アル、皆さんが慌てて飛び出すと危ないからね。クロノの結界のすぐ内側に障壁を張って出られないようにして差し上げなさい」

「兄さんえげつないなぁ……」


 アルは俺がこれからやろうとしていることに気が付いたようだ。

 確かにえげつないといえばえげつないが、こいつらがしでかしたことを考えると手を抜く気にはなれない。


「グリ、闇と夢の魔法を使ってくれ」

「クロノの結界の中にってことね。わかったわ」


 建物の入り口に黒い靄が発生し、ゆっくりと奥へ向かって広がっていく。

 イメージとしてはバルサンだ。

 奥に引きこもっている奴らに素敵な夢をプレゼントしてやる。

 逃げ出してきたとしてもアルの障壁で行き止まり。

 魔法で障壁を打ち消そうとしてもクロノの結界で無効化。

 完璧だな。

 後は効果が出るまで待つだけだ。


 すごい勢いで魔力が抜けていくのが分かるが、まだまだ余裕がある。

 今まで散々魔力制御の練習してきたからな。

 その過程で魔力容量もかなり鍛えられていた。

 この程度なら100個や200個同時に展開してさらに1日中維持してもまったく問題ないだろう。


 ……、魔導の燃費の悪さを改めて思い知った。

 そりゃ流行らないはずだわ。


 1時間ほど入口の前で待機するが誰も出てこない。

 グリの魔法が想像以上に強力だったのか、それとも相手が弱すぎたのか。


「油断は禁物よ、中で結界を張って耐えているかもしれないわ」

「せやな、仮にも魔術結社なんや。それも複数人いて簡単に倒せるなんて甘いことは思わん方がええで」


 グリ達の警告に俺は頷く。

 たしかにな、組織を支援している奴らもいるみたいだし。

 何かしらの手段で防ぎながらこちらの魔力切れまで耐えるっていうのは当然の対応か。

 もしくは油断して魔法を解除したところを狙い打つ可能性もある。


「いいだろう、籠城戦ならお付き合いしよう。だがここにずっといるのも芸がないな。アル、幻術を追加で展開して入り口のシャッターが閉まっているように見せかけてくれ」

「ええけど、なにするん?」


 正面から戦うだけが勝負じゃない。

 相手が籠城戦を選ぶならこちらは兵糧攻めだ。

 夜が明ければ外にいる俺たちが周辺の住民から不審がられて勝手に撤収するとでも思っているのかもしれないが、別にその場にいないと魔法を維持できない訳じゃないんだぞ。


「なに、このまま相手には籠城戦をしてもらって俺たちは花見に行くとしよう」

「おー! ええなっ!!」

「今からだと夜桜見物かしら」

「ああ、でも初めての花見だし昼間の方が良いか?」

「ううん、夜桜が初めてっていうのも乙だと思うしいいんじゃないかしら」

「楽しみです!!」


 この後、滅茶苦茶出店を回った。

 花見はどこに行った。


「花より団子やな!」

「うるさいよ」

お読みいただきありがとうございました。

またのご来訪お待ちしております。

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