005
お気に入り件数が三桁突破しました。
当作品を読んでいただき、感謝でいっぱいです。本当にありがとうございます。
描写がうまく書けているか分かりません。
美の表現なんてどう言い尽くせばいいのか分からない。
そんなだから女性にもてないのだよ、とは作者にクリティカルヒット。
報告です。003の歴史語りがくどすぎるかな、と思ったので、修正しました。前の投下の際には表現しきれなかった部分も追記しています。大した内容ではないですが。
あ、あと主人公のフェチズムが爆発します。変態です。色々残念です。
そこに、究極の美が存在した――――
指を通せば流れるように掻き分けられる長髪は、それ自体が最高級の金糸で編まれているのだと言われれば、あぁなるほどと信じてしまう程に光沢を放つ。
髪を梳くその指先は繊細で色は白く肌はきめ細やか。果たしてどれだけ手入れをすればこのような白磁のごとき美しさが保たれるのだろうか。
髪も眉も金色ならば、その瞳も怪しげに光る純金である。二重のその目元を開けば、パチリと大きな瞳がこちらを見つめる。釣り目がちな瞳からは意志の強さを感じられ、ぷっくりとした薄くきれいな唇との組み合わせは、ただただ妖艶である。
鼻は西欧人系と比べると低めであるが、鼻先は立っており、全体のバランスにマッチしている。パーツ一つ一つの造形もそうだが、それらの配置バランスの良さが彼女の面立ちのよさを作り出している。顔の肌も白い。指先の色と全く同じ配色の肌である。指でスッとなぞる。非常に自然な感触である。化粧も薄くしかしていないらしい。
目線を下に下げる。そうして目に入る、否、初めより強い自己主張を続けていたそれを見つめる。男たちの浪漫、夢、遥か遠き理想郷。その敬意は語りつくせぬほどの愛の形は確かにそこにあった。
ビッグマウンテンがそこに一対存在した。
―――Fだろうか。Gだろうか。
ずっと見ていたい。 ―――どうぞ。
触ってみたい。 ―――いいわよ。
本当ですか!? ―――えぇ、本当よ。
周囲を確認する。寝室に従者はいない。就寝すると伝えた為に既に全員下がらせており、今ここにいるのは彼ひとりだけ。
意を決し、そっと触る。
「!!?」
―――や、やわい。柔らかい。マシュマロかっ、マシュマロなのか!?服の上から、手をお椀型にして触るとフニュッと―――いかん、これ以上の描写は危険だ。諸君らにはまだ早い。どうしても知りたければノ●ターンにでもいくのだな。
ボンキュッボン。日本の平均女性よりは高め、170cm程の身長に、まさに豊満を体現したような抜群のスタイル。正しくわがままボディ。その身は重厚な西欧的ロングドレスのようなネグリジェで包まれていた。
ネグリジェと言っても外側から肌を見ることができるほどの薄さではなく、寧ろ現代的なカジュアルファッションよりもよほど厚みのある布地が使用されている。顔と両手を除いて肌の露出は全く無い。
妙齢の美女という表現がぴったりである。
ティーンネイジャーの少女たちの放つ美とは違った、『大人の女』の風格。女性は30歳からとはよく言ったものだ。女医師とか、女教師とか大好物です。
へそ出しルック、ハーフパンツ、ミニスカ。若い男の多くが好む女性ファッションは露出ありきである。一部では絶対領域などという少ししか太ももを出していないからチラリズムだと主張する輩すら存在する。
しかしだ。かつてのチラリズムとは、和服女性が階段を上る時にちらりと見える足首やくるぶし、それを見て妄想を膨らませた男達の夢―――そこにチラリズムが存在したのではなかったか?原点回帰をしようではないか。むやみやたらに肌をさらさずにエロを感じるその究極の選択とは―――
豊満なダイナマイトボディをすっぽりと重厚な衣服で覆いかくしても尚浮き出るボディラインを見つめる。くるりと右足を軸に一回転。能力の高さからぐらつくことなく綺麗な円を描いて回ると、それに合わせて長い金の髪が舞い、スカートの裾が浮く。
回転を終え、鏡よりこちらを不敵に見つめる女。元の世界の俺ならばただの出来損ないのドヤ顔だっただろう。全てが絵になる。
この風景こそ至高。そんな俺の夢を詰め込んだ美しいお嬢さん、俺とお付き合いを前提に結婚していただけませんか?
―――喜んで。
心が湧きたつ。
これほどの美女を前に俺は――――
(…しまった。一人称まで変えて、何て阿呆な寸劇をしているんだ。)
正気に戻り、大いに落ち込む。己の理想の女性像を目の前にし、興奮が理性を超えてしまったが故の悲劇、もとい喜劇だった。
(くそっ、こんなだから未だに独身貴族続ける羽目になってたんだな。やばい、自分で言ってて泣けてくる。…でも、これ、本当に凄いな。)
冗談1割本気9割の寸劇を止め、再度鏡に映った自分自身を観察する。
その造形はかつて、好きなゲームキャラクターをベースに、丸一日かけて創り上げた『アレクサンドリナ=ヴィクター』の容姿そのものであった。寧ろそれ以上の美貌と妖艶さを放っている。異世界に転移した影響だろうか。実に悩ましい美しさである。
周囲に人の目が無いことを再度確認する。索敵スキルまで使用して周囲を確認する。オールグリーン。ここには彼女しかいない。
その事実に安心すると、高級そうな椅子を鏡の前に引きずり出し、座った。足を組む。手は椅子の取手に揃え、睥睨するように気持ち下に目線を下げる。目を細め、ごみ屑を見るかのような目で――――
「―――跪きなさい」
……いきなり何をとち狂ったのだろうか。
跪く者はいない。当たり前だ。この部屋には彼一人しか存在しない。跪け、などと言っても誰も跪きようがないのだ。
だが、その言葉によって部屋の中の空気が変わる。何か物体的な空気とは違う、空間そのものが張り詰める。もしここに誰かがいたならば、思わず跪き、その足にはく靴の先に接吻を進んでしていただろう程に、その空間は彼女の言葉に支配されていた。
ノーブルジョブのパッシブスキル、『君臨』。
それがこの空気の原因であった。
ジョブにはメインであれサブであれ、ジョブ固有のパッシブスキルが存在する。メインジョブの戦闘職であれば特定武器や魔法習得の補助・補正が主たるパッシブスキルであり、一方でサブジョブの場合はジョブによってそれぞれ全く異なるいくつかの特殊スキルを得ることができる。ノーブルジョブの場合、『君臨』と『検閲』がパッシブスキルとして存在していた。
かつてゲームにおける『君臨』は味方チーム全体に対する自動バフ効果、敵チーム全体に対する自動デバフ効果を有しており、それなりに有効なスキルであった。一方で『検閲』は戦闘開始時点において相手のショートカットスキルに登録されているスキル群を確認し、その内一つのスキルを戦闘中使用禁止にできるという、これまたかなり有能なスキルであった。
アクティブスキルが戦闘向きでない為にサブ枠が二枠に限られていることもあってそこまで上級プレイヤーからは人気は出なかったものの、相手の手の内を知ることができるメリットもあって、初心者プレイヤーたちが一度は取得するジョブの内の一つだったという過去がある。
ただし運営の陰謀によって領地運営中は領外エリアに出られず、加えて2年前から付加された、領主システムを解除すると自動的にノーブルスキル関連のデータも一斉消去されるという極悪非道な仕様から、最早無意味なスキルとなりあっという間に廃れてしまったが。
無事スキルが効果を発揮したことにほっと息をつく。
この二つのパッシブスキルもこの世界に転移したことにより効果が変わってしまっているかもしれない。いや、それ以前にスキルは発動するのか?
突然このような痛い、げふん危な―――攻撃的な発言を彼がしたのはそれを確認する為であった。
……多分に彼の趣味も混じっているだろうが…
と、いう訳で現在の自分の姿に満足すると彼はベッドに乗り込む。
(あ、このベッド、凄く良い奴だ。)
かつて初任給から奮発して買った14万円(税抜)のベッドと比較し、懐かしさよりも贅沢な感触に興奮する。毎日メイドがシーツ替えをすることを知らなければベッドの上で飛び跳ねて遊んでみたかった程だ。
今日一日で最低限の現状把握はできた。あとはコツコツ調べ、この世界に順応していけばいい。
彼は一旦ログアウト方法の模索を諦めると、現実世界に戻る為の努力は放棄とまではいかずとも、大分低い優先順位に置いていた。元の世界のサラリーマン生活よりも楽しそうに感じられたというのもあるが、何よりも元の世界に戻れる公算が低く、方法があっても実行できるかが不明だったからだ。それならばこの世界に地盤を作ってしまい、余裕ができてから考える、というのが彼の今の考えであった。
とはいえ、方法が見つかれば必ずしも帰る、という考えはない。
無断退職という形になってしまったが、別にそこまで強い使命感で仕事をしていたわけではない。友人とは年末などに学友らとちょくちょく会っていたが、人と人とには別れはつきものだ。最近同年代に突然死も増えていたので、彼も同じような扱いになるだろう。
家族―――は、うん。何か手段が見つかり次第無事を伝えるというあたりだろうか。彼には兄妹がいる。急に連絡が取れなくなれば家族は悲しむだろうが、いずれ時間が彼らの心をいやすだろう。でも、なるべく早く連絡手段は確保したいとは思う。辞表も出したいし。
そんなことをつらつらと考える。急迫した問題が消えたことで安心感が広がる。漸くかつての世界の事や帰還できたら、といった仮定の話に想像ができるだけの余裕が生まれた。
もしこうなったら。
でもそうしたら。
やっぱりそうする方が―――
結局彼が眠ることができたのはそれから2時間後の事であった。
朝メイドが寝室のドアをノックし起床の準備を手伝いに来た。そのまま寝間着から普段着に着替える。領主としての業務の大半は館で行うが、だからと言って一般人の家庭のように家をジャージでうろつくことは流石にできない。この館は彼女、アレクサンドリナ自身の館であると同時にハノーヴ辺境伯領の行政庁舎でもあるのだから。
メイドに手伝われて服を着替え終える。何度か経験があったおかげで問題なく準備を終える。
領主クエの中には変わったものも多く、中には昔の貴族の生活を体験したいという希望に運営側が応えて、全ての生活をメイドに手伝ってもらうというクエストが存在した。思った以上に着辛いドレスと慣れない着せられる感覚に、人気は当然出るはずもなく、あっという間に廃れていったクエストである。
着替え後に朝食の為、案内された先はグレート・ホール。数十人の執事給仕が見守る中、優雅に食事をとる。かつて一人暮らししていた時のパンとバターだけの簡易な朝食ではなく、十種類近くの皿に小さく綺麗に載せられた料理の数々。
目の前で館に仕える魔術師が索敵魔術『ディテクト』を掛ける。全く毒物が検出されないことを確認してから食べ始める。
カチャカチャと音を鳴らしてはいけない。使用するフォークとナイフは外側から。他にも注意するべきマナーは各所にあるが、その一つ一つを思い出すかのように完璧な所作で食事を続ける。あって良かった、ノーブルスキルLv99。
執事らはただ只管彼女の食事が終わるまで、そばに待機し続ける。それは彼女が何かを要求した場合に即座に対応する為だけの待機要員である。
異世界物の主人公には彼ら給仕と共に食事をとろうと試みるものがしばしばいる。しかし、別々で食べるというのが常識の時代においてそのような意見は彼らにとって衝撃が大きく、受け入れがたい場合も多いだろう。何も意味もなく別に食事をとっているわけではない。給仕は己の仕事の領分として待機し、主人の注文を待つ。加えて主従関係を明確にするという意味もある。貴族だから、という以前に給与を支払って雇っている以上、給仕側が労務を提供するのは資本主義の常識である。
彼―――以降は彼女、又はアレクサンドリナと呼称する―――からすれば、そのような意見はビジネス感覚の無い子供の、単なる我がままとしか思われず、加えて威厳ある主人としての立場を崩したくないという思いもある。彼らに違和感を持たれれば、場合によっては成り済ました偽物であると疑われる可能性すらある。不安要素はなるべく減らす主義なのだ。
労働に対しては正当な賃金を、従者の精一杯の奉仕には主君としてねぎらいの言葉を与えてやればよい。それがアレクサンドリナの方針だった。
従って給仕たちとの距離感は以前どおりの主と従者の関係を明確に分けたものを維持しようと努めた。
フォークとナイフを置く。目配せで食事を終えたことを知った給仕たちが動く。アレクサンドリナはこの館において絶対なる統治者なのだ。
本日の業務を確認する。
各地町役場からの業務報告や申請許可といった書類の確認と承認が主たる業務である。一方で今日は面会希望者がいない。時期によれば予算申請や国との関係での報告書類の準備、式典への出席などもあって相当忙しくなる。今が行政閑散期であったことは実に幸いだった。
そして、これから本日の業務を始める、そんな時だった。
「その前に、確認しておきたいことがあります。」
「はっ」
「近年、私まで上げられた行政資料で保管しているのは何年分ですか?」
執事長ウォルターが応える。
「30年は全ての書類を残しておくようにしております。」
「それら全ての業務資料を閲覧します。そうですね、まずはここ5年の資料からでも。」
「―――――――」
緊張が走る。
何故急に?疑問は尽きることは無いだろう。通常業務よりも優先して何を言っているのか。普通ならばお戯れを、と断られる可能性もある。
「かしこまりました。只今こちらへ運ばせます。まずは今年の資料から順々にお持ちすれば宜しいでしょうか。」
ティトゥリア随一の名家たるハノーヴ家の執事長がそのような凡庸な普通であるはずがなかった。
パーフェクトだよ、ウォルター。
「えぇ、よろしく頼むわね。」
「委細承知いたしました。」
次々と執務室に資料が運び込まれる。
領主の奥行きの広い立派な業務机に紙の山が積まれていく。それを彼女は恐ろしい速度で読み続け、積まれる山が二つ増える度に、一部の資料を除いた一つの山を持って帰るように伝える。1つの報告書を把握するのに1分も掛けてはいられない。それでは全て読み終わる頃には日が暮れてしまうだろう。流し読み、斜め読み、飛ばし読み。圧倒的な速さで読み込み必要な資料だけを仕分けしていく。
山を二つ作り、一つ山を持ち帰る。一体なんの運搬ゲームだろうか。
流石に持ってくる量と持ち帰る量の分だけ、部屋に山が増えていくのだが、それらもあっという間に消費されていった。
昼頃までには5年分の業務資料全てが一端執務室へ運び込まれ元の保管場所に戻された。残りについては後日ということになる。
本来は昼食の時間だが各部署の業務進行にこれ以上遅れを出させるわけにもいかず、先に通常業務に手を付ける。
先ほど数年分の業務資料を読み理解したおかげで、それらの報告書や申請書にどのように対処すればよいのか分かる。あっという間に全ての事務作業が完了する。正直、パソコン作業だった元の世界よりも圧倒的に早かった。
さて、何故急に過去の資料を読み漁ったかと言えばその理由は三つあった。
一つはこれまでの業務資料を確認することで行政業務につきどのように対処するべきかのモデルケースを確認しておきたかったという理由だ。これまで行政に関する仕事などついたことの無い身では資料を理解できてもそれにどのように対応すればよいか分からない。その為、過去の彼女の対処例をノウハウとして吸収することで同様の業務ができるように己の業務スキルを昇華させたのだ。圧倒的INT値によるゴリ押し戦術である。
二つ目が近年の動きの把握。書籍では知りきれなかった経済的・政治的動きについて大よそ把握する為には行政資料を読み込めば対応できるだろうという考えがあった。その思惑は大よそ達成できた。
そして三つ目の目的が―――
(現状では他転移者の存在は確認できず、か。)
他の転移者らしき人間の活動の模索である。いくつか興味深い動きが各地で見つかったものの、転移者自体の存在は確認できなかった。
とはいえ、だから他の転移者がいないという証明にはならない。移転時期が同時あるいは、彼女よりも後であればまだ行政資料として報告されていないだけの可能性が高い。北方にあるキェスタリニカの存在も気になる。あの地にはかつて多くの領主プレイヤー達がいた。今後寄せられる報告書から存在を探すのでもよいし、或はこちらからアプローチを掛けるのでもよい。選択肢はいくらでもあるのだ。
(廃人達の存在は恐い。早急に対処する術を用意する必要はある。しかし、状況はそう悪いものではない。一歩一歩確実に詰めていこう。)
彼女が特に恐れるのはプレイヤー一般ではない。
かつてPKと呼ばれる行為を好んでやっていた者、マナーの悪かった者、文化の異なる海外サーバーのプレイヤー達。
海外プレイヤーはともかく前者二者の場合、日本の法律もなく解き放たれた状況でどのような無法に走るか、想像する。余り歓迎するような事態とはならないだろう。
彼女には他プレイヤー達、特に上位層が持つようなゲーム内での対人戦闘経験があまりない。所詮ゲームとは言ってもその経験の差が彼女にとっては脅威であった。
圧倒的に力量差のあるNPC軍勢を相手に戦術的・戦略的な模擬戦争を繰り広げた経験はあるものの、それはゲームの中でのことであり、ゲーム内で使用していた大魔術を以って敵軍勢を焼き殺すことを自分が本当にできるのか、という恐怖もある。
(だが、やるしかない。)
やるしかない。やるしかないのだ。或は平和的解決が望めるかもしれない。
しかし、ここは日本ではない。その解決が望めなくなったときの為の覚悟が無ければ、その先にあるのは自らの死なのだ。
(覚悟を決めろ、アレクサンドリナ=ヴィクター。私は今、この世界で生きているのだから。)
足を地につけて考える。いずれ去る異世界としてではなく、今ここにある現実の世界として。その地にいる今の自分の救済を考える。
いつか来る修羅の時を覚悟し、今はただ耐え、来る敵の影を追い求めた。
…フェチ語りの部分。いかんね、このフェチ主人公、もう駄目だよ。
これはR15つけるべきか?アウト?セーフ?
誰だよこんなキャラづけ、許したの…
俺だった。
こんな主人公だけど、頑張ればきちんとシリアスもできる奴なんで見捨てず許してやってください。
因みに作者はへそ出しルック、ハーフパンツ、ミニスカも絶対領域もどれも好きです。特にこだわりはありませんぜ。(媚)