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住民ゼロからの覇王道 〜魔族の王、最果ての地より眷属を増やして世界を統べる  作者: わびさびわさび


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第6話 ポーション製作所

南の森。木々の隙間から差し込む陽光を浴びながら、俺は鼻歌まじりにマップを確認していた。 昨日から数えて、倒したオークは既に10匹を超えた。最初は震えていた手も、今では鉄剣の重みにしっくりと馴染んでいる。


「さて……次は3匹まとめてか。ちょうどいいな」


視線の先、少し開けた場所で、3匹のオークが獲物の残骸を囲んで下品な声を上げている。ランクCが3匹。少し前の俺なら絶望して撤退していた相手だが、今の俺にとっては「効率よく処理すべきタスク」に過ぎない。


影に溶け込んだ俺は、一切の音を立てずにオークたちの背後に回り込む。 10匹も倒せば、奴らの行動パターンは手に取るように分かる。鼻を鳴らす癖、重心の置き方、獲物に夢中になった時の隙。


シュンッ! という乾いた音。 放たれた漆黒の弾丸は、オークの分厚い後頭部を豆腐のように貫き、眉間から突き抜けた。巨体が声も上げずに前のめりに倒れる。


「……ブモッ!?」


仲間の異変に気づき、残る二匹が慌てて振り返る。 だが、その動作すら俺には遅すぎる。


振り返り、俺の潜む木陰に目を向けた瞬間の二匹目。 その剥き出しになった眼球を、二発目の黒弾が容赦なく撃ち抜く。黒い飛沫を上げて、二匹目も沈んだ。


「ブモォォォォォォォォッ!!!」


最後の一匹が、仲間の死体を踏み越えて咆哮した。 怒り狂ったオークは、俺の隠れている木をなぎ倒さんばかりの勢いで突進してくる。ランクCの突進は、さながら大型のトラックのようだ。


大型トラックが突っ込んでくるような圧迫感。だが、俺の脳内では、奴の動きが止まって見えるほどの最適解を冷静に弾き出している。


俺は奴の剛腕を紙一重でかわしながら、懐へと滑り込んだ。


呼吸を整え、身体の軸を固定する。 重力と遠心力を全て剣先に集約させ、オークの剥き出しの喉笛を真横に一閃。 鉄剣の冷たい感触が、分厚い脂肪と筋肉を断ち切る手応えとして掌に伝わる


背後に抜けた俺が剣を鞘に収めるのと同時に、オークの首から鮮血が噴き出し、巨体が大地を揺らして倒れ伏した。


俺は返り血を拭い、転がっているオークを「収納ストレージ」へ吸い込ませた。


10匹以上のオークを既に収納しているが未だ溢れる気配は無い。


やっぱり、時空魔法って便利だよな。


戦闘にも随分と慣れた気がする。最初は胃が裏返るような不快感があったが、今はもう、淡々と目の前の「排除すべき障害」を片付けている感覚に近い。ラルフの人格の影響を受けてるのか、早くもこの世界の価値観に染まりつつある気がするが、そうじゃなきゃこの世界ではやっていけない。


「さて、ステータスはっと………」


周囲に敵がいないかをマップで確認して、ステータスを確認する。


ラルフ 男 種族:魔族

【魔力】 MP:358 / 720→1124(-20/施設維持コスト)

【ランク】 E→Ⅾ

【スキル】 剣技:LV1

【種族スキル】 闇魔法:LV1、時空魔法:LV1

【固有スキル】 真祖:LV1


ランクが上がってるな。先程の戦闘の途中で脳内にシステム音が響いて少し焦ったが、身体が軽くなった気がした。ランクアップって凄いな。


魔力も一気に7割ほど増えている、これで君主コマンドの使用も随分と楽になるな。


それにしても、まだ半日もたって居ないというのに、もうランクアップとは嬉しい誤算だ。


格上との戦闘のお陰だな。


よし休憩が終わったら、次は魔力節約で接近戦でいこうかな


マップにはいまだ、数え切れない程の『赤点』が表示されている。


「それにしても、この森オークばかりだな、まあ、結構狩り易いし経験値的にも美味しいからいいけどな。」




「……ふぅ。さすがにこれだけ狩れば、この身体でも堪えるな」


いやー、頑張りました。 この身体が高性能なのと、もうオーク相手だとサクサクと倒せてしまうので、つい興が乗ってしまい……。気が付けば辺りはすっかり日が傾き、夕闇が差し込むまでぶっ続けで狩り続けていた。


「収納」の中はオークの死体で溢れかえっている。正確な数は判らないが、大体60体程か。 俺は立ち止まり、改めて最新のステータスを呼び出した。



夕闇に包まれ始めた森で、改めてステータスを確認する。


ラルフ 男 種族:魔族

【魔力】 MP:425 / 1520(-20/施設維持コスト)

【ランク】 Ⅾ

【スキル】 剣技:LV2

【種族スキル】 闇魔法:LV2、時空魔法:LV1

【固有スキル】 真祖:LV1


ランクこそDのままだが、剣技と闇魔法のレベルが上がっている。魔力に至っては初期の倍以上だ。有り難いことである。 後半はかなり慣れてきて、魔力をそれほど消費せずに効率的に戦えるようになってきた。そのお陰で、この数乱獲した割には魔力も随分と温存できている。


「さすがに疲れた。今日の所は帰るとするか」


剣を納め、森の出口へと足を向ける。


ノンビリ風呂に浸かりたい気分だ。



マイホームに戻って、湯船に浸かった瞬間、思わず「……あぁ」と声が漏れた。


湯気に包まれながら、俺は脇に置いてあった昨日の残りの安酒をグイッと煽った。 喉を焼く安っぽいアルコールの刺激が、今の昂ぶった身体にはかえって心地よい。


「ぷはぁ……。染みるな」


酒の肴は、先ほど焼きあげたばかりのオーク肉だ。 あの醜悪な巨体のどこにこんな旨みが隠れているのか、こんがりと焦げ目のついた肉片からは、食欲をそそる脂の香りが立ち昇っている。


串に刺した肉を一口齧れば、驚くほど弾力のある歯ごたえと共に、濃厚な肉汁が溢れ出した。


「……ほう、これは。見た目に反して、上質な豚肉に近いな」


臭みはほとんどなく、噛みしめるほどに野性味溢れる旨みが口の中に広がる。それをまた安酒で流し込む。この野蛮で贅沢な食卓こそ、命のやり取りを終えた後の最高の報酬だ。


ひとしきり食うと、また湯船の縁に頭を預け君主コマンドを開き、建設コマンドを意識する。そこには、以前は灰色で選択不可能だった施設が選択可能となっていた


※ポーション製作所※《特殊施設》

【必要魔力 】:800

【維持コスト】:40

MP回復ポーションと通常ポーションを

それぞれ1日に3つ自動生産出来る

人材を配置することで生産個数を増やす事が出来る。

増加量は配置者の適正と人数による。



「……ようやく、これに手が届くか」


ランクアップに伴い魔力の総量が跳ね上がったことで、建設条件をクリアしたのだ。 この《特殊施設》というのは、世界各地に点在する数百の祠の中でも、強大な力を持つ一部の場所でしか解放されない特別な権能だ。どうやら俺の本拠であるこの『聖樹の森』には、この製作所を建てる資格が眠っていたらしい。


この世界のポーションは貴重で、目が飛び出るほど高額だ。特に魔力回復用は君主にとって文字通りの命綱。ゲーム時代は金策に走り回り、喉から手が出るほど欲していた代物が、これからは定期的に手に入る。これほど心強いことはない。


わざわざ長風呂をして魔力の回復を急いだのも、すべてはこれを寝る前に「発注」するためだ。


「さて、そろそろ……いけるな」


【魔力】 MP:915 / 1520


俺は風呂から上がると、湿った肌を拭うのもそこそこに、再び使い古したコートに袖を通して外へと踏み出した。


夜の空気は冷たいが、内側からみなぎる魔力が心地よい熱となって全身を巡っている。 建設場所は、やはり拠点の要である館のすぐ近くがいい。これほど貴重な施設を、目の届かない場所に置くような真似はしたくないからな。



館からほど近くの開けた場所。 見晴らしも良く、万が一の際にも守りやすい。俺はそこに視線を据え、脳内の設計図を固定した。


施設建築ビルド


俺の意思に応えるように、おれの体内からゴッソリと抜かれる感覚。その魔力が一気に解き放たれる。 足元の土くれが意思を持ったかのように蠢き、神木の枝葉が光り輝きながら編み込まれていく。凄まじい密度の魔力が渦を巻き、やがて静寂が戻った時、そこには質素ながらも重厚な石造りの工房が建っていた。


「……はぁ。さすがに堪えるな」


一気に消費した魔力の気だるさを感じながらも、俺は吸い寄せられるようにその工房の扉を開けた。


中には微かな薬草の香りが漂っており、完成したばかりとは思えないほど落ち着いた空間が広がっている。そして、部屋の中央に置かれた重厚な木製の机の上。そこには、編み込まれた籠の中に、青と紫の液体が詰まったガラス瓶が3本ずつ、静かに並んでいた。


「もう出来ているのか。建設と同時に初回の生産分が完了したってわけか」


手に取ってみると、瓶越しに不思議な熱量が伝わってきた。 澄んだ青色の液体は、傷を癒やす通常(HP)。 そして、深みのある紫色の液体は、傷を癒やす俺の魔力を底上げしてくれるMP回復ポーション。


「ゲーム時代はこれ一本手に入れるのにも苦労したもんだが……」


俺は紫色のMP回復ポーションを手に取ると、一気に流し込んだ。


不味い………栄養ドリンクに大量の砂糖を加えた感じだ。


しかし、その味はともかく


【魔力】 MP:877/ 1520 


ステータスを確認すると、殆ど空に近かった魔力が5割程回復していた。


俺が知っている、MP回復ポーションの回復性能は高級のもでも2割~3割その性能は破格と言っていい。


その結果に、歓喜しつつ。そのまま回復した魔力でさらに建設コマンドを行う


※伐採※

【消費魔力】150

【維持魔力】 0

効果:100メ-トル四方の森林を伐採する

切り出した木材は資源として活用可能


※整地(農業)※

【消費魔力】150

【維持魔力】 0

100メ-トル四方の土地を農業に適した土地に整地する


※作付け※

【消費魔力】150

【維持魔力】 0

100メ-トル四方の整地された農地に麦、小麦、米、各種野菜を作付け可能

50の食料を1月で収穫可能

人材を配置することで生産個数を増やす事が出来る。

増加量は配置者の適正と人数による。


伐採、整地、作付×2の農業コンボを行って、再び魔力がすっからかんになった俺は、倒れる様に意識を手放したのだった。


【領名】:聖樹の森 【支配率1%】

【君主】:ラルフ【爵位:平民】

【住居】住宅(風呂付)

【人口】:0

【金 】:0 (0/月)

【食料生産】:0(100/月) 

【兵士】:0人

【防御施設】:無し

【維持コスト】:魔力(-60/常時)

【各種施設】:☆ポーション製作所◆結界


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