〜プロローグ〜
第1話と同時投稿です。
雰囲気的なものになります。
きっと……初めてではなかったのだろう。
なんて事ない王国。
なんて事ない毎日。
なんて事ない日常……。
その国は平和そのものだった。
統治者がいて、国民がいる。
労働者は生きていくため、もしくは働くこと自体を喜びとして生活を溶かしていく。
その国での生活を喜び合い、酒を交わす。
運命を信じ、愛を結んだ物との幸せを分かち合う人もいた。
目的を持ち、その先にある景色を信じて煌めいた目で先を見通すものもいた。
不幸などまるで存在しないかのような、そんな幸せな国があった。
その中に、暗い闇のような顔をする者が1人……。
ある日突然その国に強い光を放つ石のようなものが現れ――
全てが照らされた。
外にいるものは当然、
室内にいるものですら目が眩む。
光が消えるまで、身動きが取れなくなるほどに……。
それは例外なく誰の身にも照らされた。
動物も…
植物も…
建物も…
民も姫も、そして国王でさえもだ。
あるものはその光に目を眩ませながら、悲しみにより涙が溢れ出し、
あるものは煌めいた目を光からそらさず、微笑む。
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城の時計の針が音を鳴らし、前に進む。
重苦しい鐘の音が全てに響き渡る。
まるで……全てに伝えるかの如き力強さで、どこまでも……響いていく……。
……光は止み、国の民は忘れたかのように日常に戻る。
ただ……何故か……光に照らされる前より活気がないように感じるのは私だけだろうか?




