表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

75/136

75、面会

「レースはどうなったのよ!?」


「もちろん失格扱いさ。結局時間までにゴールイン出来なかったんだし、仕方ないさ。まあ、命があるだけでも儲けものだとは思うけど」


 私の中の、自分でも存在を疑っていた良心がジンと痛んだ。ここは是非とも彼女に会わねばならない。万難を排しても。何故なら私には、そうするだけの理由がある!


「行ったら彼女に会えるの!?」


「当然面会謝絶だろう。喋ることが出来るかどうかも怪しいもんさ。今晩は無理に行かなくてもいいと思うよ」


「でも……これって、私のせいで?」


 つい、情けないことを尋ねてしまう。どう見てもそうだろうがと心の客観的などこかがセルフ突っ込みをするが、やはり他人のジャッジを仰ぎたかった。許しを得たかったのだ。


「まあ、確かに君があの場面で重力魔法を使って宇宙船メテオを敢行したのが直接原因ではあるよね。普通思いついてもあそこまでやるもんかねって声はネットで上がっているよ」


「あああああああああああ嗚呼!」


 耐え切れなくなった私は湯舟に顔をうずめるようにして一人嘆く。口元から無数の泡が躍り出て、湯気と共に儚く消えていった。


「おいおい、悪役令嬢らしくないじゃないか、センナ君。もっと折れない心を持ってないとこの先辛いぞ。まあ、相手方だって君たちを生きたままBBQしようとしてたんだし、正直言ってお互い様だと僕は思うね。それにあの時、ホーリン君には瓦礫に埋もれた相方をさっさと見捨てて一人で先に行くって選択肢もあった。それをしなかったのはひとえに彼女の青さであり、責任さ。君も同じようなことが起こる前に、ここらへんで早めにリタイアした方が今後のためだと僕は進言するね。命あっての物種だよ」


「うるさいわ! こちとらどーせ友達少ないからお気遣いご無用よ! それよりも何とかホーリンと面会する方法はないの!? 人の婚約者奪った責任取れや!」


 私はここぞとばかりに文句を垂れて無茶ぶりした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ