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69、似た者同士

「戦闘になったのは試合中だったし仕方ないだろう。後、君は僕があの男を寝とったかのように非難するけれど、あっちの方から勝手に近寄って来たんだぜ。お門違いってやつさ。それに僕は全然本気なんかじゃなかったよ」


「だからって相手にしなきゃいいでしょ、あんな記憶力がちょっと良いだけの粗チンイモ野郎!」


 私はチューブの先端をバルコーゼ水着の左の陥没乳頭があると思しきポイントに向ける。こう見えても乳首当てゲームは得意なのだ。こういった時のために。


「おいおい、アローゼン君に興味を持ったのは、彼が君の婚約者だったからだよ。つまりは君のことがもっと詳しく知りたかったんだ、センナ・ニフレック・ピコスルファート君16歳」


 彼女は歌うように甘い言葉を述べながら、それだけ大きければ乳首が陥没するのもむべなるかなと万人が納得するほどの巨乳をこちらに近づけてくる。すげえ、じゃなくて羨ましいけどそんな趣味はない!……多分。


「な、なんで私なんかに!? 今まで出会ったこともないのに!」


「だって君のことは噂でよく聞くほど有名だからね、悪役令嬢様。確か君のお父さんは昔ドパコール社に勤めていたそうじゃないか。実は僕はドパコール社にはちょっとコネがあるし、色々と調べさせてもらったよ。そして君はこの僕と非常に良く似ている気がしたんだ」


「どこがよ!? 胸なんて天と地ほど違うじゃない! このバルコニーおっぱいめ!」


「独特な表現だけど、そこはさしたる問題じゃないよ。要は本質だ。僕がアローゼン君を遊び程度にしか思ってなかったのは事実だけど、そもそも君だってあの男にそれほど愛情なんて抱いてなかっただろう。違うかい?」


「!」


 全てを見透かすような彼女の神のごとき言動が私の心臓を穿ち、思わず手にしたチューブを取り落としそうになったが寸前で持ちこたえた。うろたえるな自分!ていうか何でそんなことまで手に取るようにわかるんだ、こいつ? 読心能力でも持っているのか?

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