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45、ホーリンの覚悟

「しかしこれではっきりしました。予知能力と言えども、所詮全ての未来がわかるほどの完全無欠なものでは無さそうですね。もしそうならば、今のお嬢様渾身の一球に対して事前に対処できたはずです。少なくともボールくらいには」


「確かにそうね、私がバッセンに通った日々を考慮しても」


「バッセンではバット振ってただけじゃないですか。それは置いておくとして、察するに、ホーリンさんの能力は一度につき一つのことしか対応できないのでしょう。例えば今回でしたら、『未来において爆発する宝箱はどれか?』のような内容だったと推測されます。それを横から奪い取られて、更に投げられたことに対してまでは手が回らなかったのではないでしょうか?」


「だったら意外と使いづらいわねー。まあ、占い師は自分の未来は占ってはいけないとかいう説もあるし、その程度のもんかもね。占い師が宝くじを当てたって噂は聞かないし。ま、私のようにおっぱいマ」


「『配信中!』」


 まーた二人してハモりやがった。本当は仲良いんじゃないのかこいつら?


「くっ、こうなったら奥の手ですわ! ホーリン! アレをやりますわよ!」


 まだ魔動力通話が途切れていなかった模様で、ルーランの切羽詰まった怒声がコックピット内に流れ込んでくる。まだやる気なのが凄いけど、夜も遅いんだからとっととあきらめてほしい。


「『占い師は自分の未来は占ってはいけない』は人によって意見が異なるけれど、あたしは正しいと思う。だから、その最後の手段はあまり使いたくない。今日も、正直かなりギリギリで……」


「じゃあここで無様に負けてもよろしいのですか!? 恨みを晴らすんでしょう、ホーリンさん!」


「……わかった。仕方がない。これで最後だぞ」


 あまり気乗りしない様子のホーリンだったが、相方の檄で遂に覚悟を固めたようだ。余計な真似を、と思いつつも、ホーリンの声を聴いているうちに、私の脳のどこかが刺激される気がした。これは、一体……!?

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