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40、マウスパッド談義

「お嬢様、配信中です! てか一体何に使うんですかそんなの!?」


 真っ先に口を割ったのはアロエだった。


「もちろんおっぱい部分だけ切り取って偽乳用に使うために決まってるでしょうがああああああ! んなこと公衆の面前で言わせないでよ!」


「……ああ、大変失礼いたしました」


「そんなすごい同情的な目で見ながら謝らんでいいわあああああああああああああ!」


『泣くな貧乳悪役令嬢さん、俺も三十個以上持ってるぞ』『さすがに持ち過ぎ君だよ!』『あれって確か少年漫画の読者プレゼントにもあったよね……いい時代になったものだ!』『あれって貧乳キャラの奴はやっぱサイズ小さいの?』『確か関羽のあれ買いに行くラノベあったっけ』『あれって母乳出るタイプは無いんですか!?』


 口が滑りまくって錯乱状態となっている私を他所に、コメント欄はいつも通りにぎやかにおっぱいマウスパッド談義に花が咲いていた。


「それはさておきどうなさいますか、お嬢様? ケツマウスパッドもご購入なさいますか?」


「もうマウスパッドの話から離れてよ! とにかく如何にしてあのパックンフラワー野郎が当てているのかを暴かないと……って、うおっとぉ!」


「ほーれほれほれ、休んでいる暇はございませんですわよ! スルピリド! スルピリド! スルピリドぉぉぉぉぉぉぉ!」


 だいぶコントロールの良くなってきたルーランのファイヤーボールが、次から次へと豪速球モードで飛んでくる。こうなると慎重にかつ素早く避けざるを得ない。


「くそっ、ピッチングマシン野郎め! こちとらしばらくバッセン行ってないっつーの!」


「お願いですからジクアスで打ち返さないでくださいませ、お嬢様」


「誰がするかんなこと! ってうぴゃああああああああ!」


 体力測定の反復横跳びのように巨大通路を横移動していると、また急にクッパ野郎が足元目がけて火球を放つため、縮地の神速でその場を離れた。刹那、天井まで届きそうなほどの高さの火柱が宝箱を突き破り、炎の舌が【ラキソベロン】の外装をチリリと舐めた。全く、スクリンプラーとかないんかい!?

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