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39、くじ運

 キャンプファイヤーもかくやという巨大な炎の塔は、思わずOBS数機で囲んでマイムマイムを踊りたくなるほど壮大な物だった。


「なるほど、床にあった宝箱の一つに着火させたというわけですね。おそらく爆発トラップの一つだったのでしょう」


 こんな時でもアロエが冷静沈着に分析する。


『ソウ、ソノ危険ガアルノデ回避ヲ促シタ。明ラカニ敵ノ攻撃ガ不自然ダッタシ』


「そそそそそそうじゃないかとは思ったわよ! でもどうやって相手は箱の中身がトラップかどうかわかったのよ!?」


 虚勢を張りつつも私は疑問を口にする。宝箱が運良く爆発炎上する保証はどこにもないはずだ。


「その点は確かに謎ですね。先ほども申した通り、サーモグラフィーカメラでも不明なものを、どのような手段で判別したのやら……まぁ、単なる当てずっぽうの可能性も無きにしも非ずですが」


「運試しってわけ? とにかくやられたからにはこっちもやり返すわよ! 目標床部、ショルダーミサイルロックオン。発射!」


 喧嘩はなめられたら終わりだ。私は負けじと【ザジテン】の足元にある宝箱に照準を合わせると、発射孔から問答無用でミサイルを射出する。もちろん宝箱はミミックみたいに動き出す心配はないので素直に的となって命中するが……。


「なんで私の場合は外れなのよぉ! おかしいじゃない!」


 トレジャーボックスは単にバラバラに破壊されたに過ぎず、中からはあっかんべーをしたピエロの顔の巨大風船が飛び出しただけだった。てかそんな趣向はいらんわ!


「あらあら、センナさんはくじ運に弱いんですわね、お気の毒に、ホーッホッホッホ!」


「何よ失礼しちゃうわね! 私ってば景品プレゼントでおっぱいマウスパッド当てるのすっごく上手いんだから! 今まで計三回も当選したことあるんだから!」


 ここぞとばかりにメマリーのアホが高笑いを繰り広げるので、私は思わず爆弾発言をぶっ放してしまった。とたんに場が凍りつき、誰もしゃべらなくなる。まあいいや。

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