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33、バトルジャンキー

「ええ、お嬢様がお休み中の間にチェックポイントを超えました。そろそろゴールが近づいてきておりますね」


 そう、一日目のゴールは現在使われている宇宙港付近に設定されているのである。旧宇宙港と違って発着が技術的な面で色々クリア―出来たこともあり、また、見送りのために是非とも直接宇宙船を見たいと言う要望も多かったため、宇宙窓が多用されている点が売りだ。


「しっかしだいぶタイムロスしちゃったようね。今何位くらいかしら……?」


 寝起きのけだるい空気の中、私は今までの旅路を脳内でたどる。しょっぱなの殺人シャッターでのバルコーゼとの小競り合いやルーランとのひと悶着、そして先ほどのメマリーの不意打ちだ。嫌になるくらい団子状態でバトルが並んでいる。こちとら少年漫画の主人公じゃなくて単なるJKだし、これ以上は身体が持たないので勘弁してほしい。


「今ネットニュースを調べるので、少々お待ちください。えーっと、『また裸同然のセレブが宇宙ショー!』『ブルーベリーの一億倍目に効く薬新発売!』『今夜0時付近、地球からの無人貨物船が宇宙港に到着!』……」


「相変わらずろくなニュースがないわね!」


「お待たせしました。やっと発見しました。えーっと、『速報:SDAGオーラ杯一日目順位発表!一位:バルコーゼ選手【アバロン】、二位:アノーロ選手【バソメット】三位:チノ選手【ディビゲル】』だそうです。なお、現在ゴール済みなのは十数名ですね」


「サンキュー! てかあの泥棒猫の野郎、あそこで追い抜いたってのに何ちゃっかりトップ取ってんのよ!まったく腹立たしいわね、ムキー!あんたのせいよ!」


『アビャビャビャビャビャビャ!』


 腹いせに私は久々に脳みそにズボズボ指を突き刺したので、変なけいれんを始めた。


「お嬢様、お気持ちはお察ししますが、あまりやると操縦不能になるのでそこら辺でおやめになってコーヒーでも飲んで落ち着いてください」


 いつの間にやらコーヒーカプセルをスタンバイしたアロエが、私の肩に手を置いた。

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