28、同人談義その2
『でも確かに催眠モノと触手モノって組み合わせたまにあるよな』『俺は母乳モノと触手モノの組み合わせの方が好きだぞ!何故か結構あるし』『結構あるのかよ!?』『ところでエロアンソロジーが組まれるようになった性癖ジャンルってかなり認知されてる印象あるよね』『あれって時々依頼された作者さん自身がそのジャンル知らなかったって書いてて興ざめしちゃうよね』
「こ、こいつら……人が戦闘中だってのに……」
コメント欄がいつの間にやらエロ談義まみれになっており、私は驚愕した。
「まぁ、元はといえばこちらが悪いんですけどね」
『マッタクダ……デス』
「わかってるわよそんなことは!でも自分が命がけの時にやられるとなんかむかつくの!」
「むかつくのはてめえだ! とっととこっちのミサイルに当たってコロニーの揉屑と化しやがれ!」
気分を害している時にメマリーの通話が入ってきたので私の怒りのボルテージが一気にマックスまで高まった。
「あんたこそとっとと退場しなさい! くらえ、ドネペジル! ドネペジル! ドネペジル!」
私も負けじとばかり、後方に向かって重力魔法を乱発するがことごとく外れ、奴の遥か手前の天井に当たってしまう。
「ケッケッケッ、どこ狙ってやがる、このノーコン野郎め! お嬢様テニスくらいしかしたことないのか? 出直してきやがれ!」
サイコロモンスターはこっちよりも速度が劣っているくせに、こっちのミスはうれしくてたまらないようだ。
「とことん性格がねじれ曲がったクソヤンキーね。いいのよ、今のうちに好きなだけ吠えてらっしゃい」
「何だとこの野郎!?」
「だって全ては作戦通りなんだから。そんなこともわからないの?」
「お嬢様、僭越ですがそんなに早くネタバレしてしまうと後で失敗した時困りますよ」
せっかく人が気持ちよく勝ち確定台詞を述べてる最中にアロエが水を差してくる。ほっとけ。
「いいじゃない、一度くらい言ってみたかったんだから!」
「お前ら相変わらず何言ってんだかまるっきりわからねえよ! ……って、何だああああああああああああ!?」
突如生じた異変に、メマリーは通話どころではなくなった。ざまあ!