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26、4つの王国

 悪魔はお姫様に言いました。


「まずはこの大陸にある他の4つの王国を攻撃して滅ぼしなさい。それこそがあなたが子供を産めるようになる唯一の方法です」


「そんなこと出来るわけ無いじゃないの! うちみたいな弱小国はたちまち返り討ちにあうのが関の山だわ」


「そんなに弱いんですかい?」


「それはもう、驚くほどに。下手すればゴブリンの集団にも負けるわよ」


「なるほど、じゃあちょいと力を貸してあげましょう」


 見る見るうちに悪魔は雲を突く大きさに変身しました。


 ・ ・ ・

「ぬ……抜けた! ブラボー!」


「し、死ぬかと思いました……ふぅ」


「フオオオオオオオオオオオオッ!」


 三者三様の喜びの表現をしながらも、私たちは作戦成功を祝福した。つまり我が愛機【ラキソベロン】は何の衝撃も受けずにまるでホログラフィのように難なく瓦礫の山を素通りし、その向こう側に出たのだ。むしろ瓦礫の方がホログラフィだったと言うべきかもしれない。


「とりあえず作戦通りで良かったわ! しっかし寿命が縮みそうなのはもう勘弁願いたいわ」


「すこぶる同感ですが、どうしてあれがまぼろしだとわかったんですか、お嬢様?」


 アロエの疑問ももっともだ。私は呼吸を整えながらも説明モードに入った。


「なーに、簡単な理由よ。さっきのコメントに『崩落事故なんてあったっけ?』『そんなニュース聞いてないな』『そもそも画面のどこもなんともなってないんだけど……』ってあったでしょ?つまり私たちと彼らとでは見ている世界が違うって気づいた」


「確かにあれはちょっと妙だとは思いましたが……何故そんなことが?」


「つまり何者かが私たちの認識を書き換えた可能性があるんじゃないかって仮定した。でなければ逆に彼らの認識がおかしいことになるけど、違う所で視聴している人間全ての認識を変えるなんて芸当はとても無理ゲーだろうし、現実的とは言えない。ここまではいい?」


「なるほど、この場にいる三人……じゃなくて二人を標的にした精神攻撃というわけですね」


『俺モ数ニ入レテクダサイ!』


 脳髄くんが必死に何か口走っているがあいにく忙しいので無視した。


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