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25、結論

(敵ならともかく、配信見てるだけの人たちが私に嘘を教えるメリットは何もない。ならば……)


 その時私は一つの仮説、否、結論に達した。今の理解不能な状況を説明しうるのはこれしかない。両手で頬をパンと叩いて気合いを入れる。


「よし、決めた! 特攻あるのみよ!」


「はい?」


 珍しくアロエの顔が鳩が豆鉄砲を食ったようになる。どうやら理解できなかったようだ。ま、致し方あるまい。私だって賭けみたいなもんなんだから。


「このまま直進する! 絶対大丈夫だから皆安心してちょうだい!」


「お言葉ですが微塵も安心出来ません! このまま無策に飛び込めば、衝撃で激突死あるのみですよお嬢様!」


『ヨヨヨヨヨヨヨシマショウ!』


「そうは言ってももう決めちゃったことだし、今更引っ込めないわ。でも、私の予想が正しければこれしか道はないはずよ、アロエ」


「……」


 いつも忠実な家臣であり、私の一番の理解者であり、母親代わりであり、そして大親友でもあるメイドは、息を止めて私の瞳をじっと覗き込む。数秒後、といっても永遠の時間が流れたような気がした時間だったが、彼女は緊張を崩し、フッと柔らかく微笑んだ。


「わかりました、地獄の果てまでもお供しましょう。お嬢様が……あなたが言い出したら決して言うことを引っ込めないのは子供の頃からでしたからね」


「ありがとう、そしてごめんね、アロエ。こんな無茶な命令に付き合ってくれちゃって」


 さすがに私も申し訳ない気持ちで胸がいっぱいになり、うつむいた。


「いいってことです。副操縦席に乗り込んだ時からこうなる予感はしてましたし。では、脳髄くんも覚悟は決まりましたか?」


『……ワカッタ』


 ついに難攻不落のアローゼンも折れ、方針が固まった。となると後は話は早い。


「じゃあ行くわよゴオオオオオオオオオオオオオオオっ!」


 加速魔法とバーニアの相乗効果で最大速度に達した【ラキソベロン】は吸い込まれるように瓦礫のへと吶喊していった。細工は流々、仕上げを御覧じろってやつだ。

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