表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

156/159

156、緑色の壁

「で、ホーリンが何だって?」


「もういいですわ……って言いたいところですが、一応仮にも同盟を結んだ仲ですので、死なれては困りますから特別にお教えしますわ」


「サラジェンも混ぜてやっていい?」


「あいにく蜘蛛類は大嫌いなのですが……止むを得ませんわね。この際一緒にお聞きになってください。よろしいですわね?」


「……はい」


 心なしかサラジェンの声色が更に沈んだように感じられたが、気にするのも時間の無駄なので、「じゃあさっさと話しちゃってよ」と私は先を促した。


「よいですか、昨日レース中に、ホーリンはこう妾に告げたのです。『何となくだが緑色の壁が現れたら気を引き締めた方がいいかもしれん。これは予言と言うよりも勘に近いが、魔法の副作用によるのかこれが結構当たるのでな』と。確かに以前から彼女は勘が鋭い方でしたので、一考の余地はあると妾は思い、記憶に止めておきました。今こそまさにその時だと断じても良いでしょう」


「……はぁ」


 正直言ってかなり怪しげな根拠だなあと思いながら私は聞き流しており、つい鼻くそをほじりかけたくらいだが、まあ亡くなった友達の遺したアドバイスであることは確かだし、無下にも出来ない雰囲気だった。


「でも、先ほどから誰もいなくて何事もないのもかえって不気味だとは思います、お嬢様。ここはホーリンさんの警告に従って、調査をしてみるのは如何でしょうか?」


 アロエがルーランの尻馬に乗って発言する。うーむ、でも彼女が支持するということは、かなり信憑性がありそうだ。このレースは次々と予想不能な出来事が起こるし、用心に越したことはない。それにしてもこの壁の色合い、どっかで見たような気もするが……気のせいか?


「まあ、そこまで言うのであれば、駄目元でやってみてもいいわよ。でも具体的にはどうするわけ?また誰か生贄を選ぶの?」


「やはりさっきのは生贄だったんですね!」


 またしてもルーランがブチ切れそうになったがシカトした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ