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144、フェイズ4

「見事な作戦でございます、お嬢様。ルーランさんのお力を借りた方がここの突破は容易でしょうしね。ですがあの大量の子宮がいては、あそこまでドローンを持っていくのは困難かと思われます。一応ドローンの予備はもう一台ありますが、補充は出来ませんし」


 さすがアロエはいかなる時もロボットのように理性的で正確だ。


「確かにそうね。でも今なら私の力で道を切り開くことが出来るわ。今からフェイズ4に移行する!いいか、野郎ども!」


「『ラジャー!』」


「よーし、行くわよ、ドネペジル! ドネペジル! ドネペジル!」


 私の重力魔法連射によって魔剣ジクアスから発された魔動力の迸りが次々と広間の子宮どもにぶち当てられ、新たな座布団に変えていく。しかもランダムではなくちゃんと計算通り一列になるよう攻撃しているので、たちまちのうちに目の前には潰れた子宮の道が出来て行った。まるで聖書に出てきた大海を真っ二つに割るモーゼの気分だ。


「よーし、これで【ザジテン】へと至る専用通路があと少しで開通するわ! アロエはドローンの用意をして!」


「仰せのままに。ていうかもうとっくに準備完了です)


「よっしゃああああああ! ドネペジル! ドネペジル! ドネペジル! もう一つおまけにドネペジルウウウウウウウウ!」


 破竹の勢いで惜しみなく射出される魔法によって、ドミノ倒しのように一本道が出来ていく。これぞ勝利への道、ウイニングロードだ。


「お嬢様、そろそろ急がないと最初にドネペジルを受けた子宮が起き上がります」


「わかってるって! よし、もうドローンをお使いにGOよ!」


「イエッサー!」


 彼女の指摘通り大名行列脇の土下座状態の子宮どもがビクビクけいれんしているので、いささか強引だがドローンを出撃させた。ちなみに操縦するのは今回は脳みそくんではなくてドローン国家資格を取得済みのアロエなので、動きはよりスムーズだ。まるでアクションゲームのようにせっかく作った道の側に群がってくる触手を避けて、危なげなく安全ルートを突き進んでいく。


「ゴラッソオオオオオオオオオ!」


 そして彼女は私の叫びと共に、【ザジテン】の排出孔への華麗なゴールを決めた。

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