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135/141

135、発動

「皆、準備はいいな? いくぞ、ドネペジル最大出力ぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」


「ターゲットロックオン! ミサイル発射!」


 一体と化したかのように私とアロエはほぼ同時に絶叫をぶちかます。二発のミサイルは狙い違わず精密な動きで動く子宮の両側の卵管付け根に突き刺さった。


「〇□△□♪〇△♯ー!?」


 子宮は声にならない奇妙な音をどこかから(おそらく子宮口)出し、歩みを止める。見事に両触手は千切れ飛んで血を流しつつ、床で水揚げされたばかりのウナギのようにニュルニュルと身をくねらせのたうち回っている。すげえ気持ち悪いがとにかくもうこれで奴は二度と魔動力をチューチュー吸うプレイを楽しむことは出来ない。ざまあ完了!


 そうこうするうちに私の極大魔法が発動したようで、黒剣ジクアスが振動するとともに、増幅されたありったけの魔動力エネルギーが子宮目がけて矢のように飛び出し、宙を駆け、残響を残して突き刺さる。


「やったか!?」


「ええ、成功です、お嬢様」


 アロエの太鼓判通り、哀れ強制カットで丸坊主状態となった子宮は磁石に引き寄せられる砂鉄のように、突如進路を変更してズリズリと私のいる方向に動き出した。


「行け行け行けーっ! まっくれーっ! ファイトぉーっ!」


 チアガール顔負けの私の熱い応援によって、その速度はまさに加速度的に増加し、こちらに向かって突き進んでくる。宇宙船すら虜にする私の最大級のパワーの魔法からは何人たりとも逃れる術はないのだ。


「よーし、一丁やったるわよ! 細工は流々仕上げを御覧じろってか!」


 前途洋々たる気分になった私は、【ラキソベロン】に腕まくりするポーズを取らせ、剣を握っていない左腕をグルンと大きく一回転させると、手のひらを開いて勢いよく前方へと突き出す。今や子宮は目前まで迫り、衝突寸前だ。機体の膝を柔らかくし、衝撃に備える。


『目標物、来マス!』


「うおりゃあああああああああーっ!」


【ラキソベロン】の漆黒の五指が、ズボリと子宮口に突き刺さった。至急ファックスじゃなくて子宮ファック!

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