表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

126/158

126、光明

(これまでだって一見薄氷を踏むような絶体絶命状態でも、勝ち筋は必ずあった……何かあるはずだ……何かが……)


 その信念に従って、何か解決策はないかとひたすら現在の子宮どもをチェックする。きっとどこかに見落としているものが存在するはずだと信じて……ん?


 そこで私は初めてかすかな違和感を覚えた。本当にごくわずかで、目をそらせばすぐ忘れてしまいそうな些細なことだが……これはひょっとして、突破口なるか!?


「えっとアロエ、あのダディジョークマンはさっきの朝礼のレース説明の後半、何て言ってたっけ?」


 私は考えを整理するため、あやふやな自分よりも確実な外部記憶の助けを借りることにした。


「あららー、またしても酸素欠乏症か何かですの、センナさん? 先ほど妾が教えて差し上げたばかりではなくって? 本当にしょうがないですわねー」


「だからさっきのはヘソピアス女子アナの話であって、今回は全然違うでしょーが! あんたこそ……クリオネじゃなかったクリオナのし過ぎで頭が」


「はい、そこまで! いいですか!?」


 突如アロエが全宇宙に木魂するかと思われるような力強い柏手を打って強引に話を戻す。ヒートアップしかけた私とルーランのアホもたちどころに静まり返った。


「今朝、チガソンCEOはこう仰いました。『もちろん今回もお助けアイテムが用意してありますが、思わぬところに隠されており、そしてその分障害もありますよ~しょうがないですけどね。敵とかいるかもしれませんが適当に戦えばなんとかなるかも?』これでよろしいですか?」


「……そうね、ありがとう、アロエ」


 優秀極まるメイドは腐れCEOのオヤジギャグまで一文字一句違えず正確に再現したので突っ込みたくなる衝動に再び駆られたが、何とか堪えて吞み込んだ。


(けど、思った通りね、やっぱり……)


 刺激を受けて私の思考回路が活性化し、徐々に回転速度を上げていく。


(考えろ……考えろ……考えろ……!)


 もはや脳内が焼き切れそうになるほどスパークしてきた時、遂に一筋の光明が差し込んだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ