117、ママ
「ママアアアアアアアアアアアアアア! オーラママアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア! 嫌ああああああああああ!」
何と、ファイヤーボンバーお嬢様の指摘する通り、バルコーゼは身も世もなく、まるで子供のようにひたすら泣き叫んでいる様子だった……てか、ママだと!?
「どどどどどういうことよ!? 何がどうなってママだかなんだか泣きわめいているわけ!? どうしちゃったのよあいつ!」
『グガガガガガガガガガガガガ』
激しく動揺した私は脳みそに両手を置いて障害が残りそうな勢いで揺さぶり続ける。なんかちょっと柔らかさが増したような気がするが、はっきり言ってそれどころじゃない。
「あらあら、子宮回帰願望でもあったんでしょうか、あのお方は……かなり特殊な性癖ですね、お嬢様」
「だから知らんわそんなマニアックな性癖は! てか普通あんなもんがママンに見える筈もないわ!」
「おっしゃる通りではありますが……」
『ソソソソソソレヨリモ、オーラママッテ言ッテルノガ気ニナリマススススス』
なんか壊れかけてしまった機械みたいな口調で脳みそくんが、何やらキーワードらしきものを口にする。
「あれ? オーラってつい最近どっかで聞いたことがあるような……?」
「若年性認知症なんですの、センナさん? 『皆様大変長らくお待たせいたしました! では、十時になりましたので、ただ今よりSDAGオーラ杯二日目を開始いたします!』ってあのおへそを出されたアナウンサーさんが今朝言っておられたではありませんか!?」
ルーランの腐れ突っ込みに何かがプチッと切れかけたが、言われてみればその通りだった。
「うーん……よくわからないけど、とりあえずトップのあいつが幼児化しちゃうほどの何かがあるってこと?」
「自分もよくわかりませんが、今がチャンスだとは思われます。ここで起こった一連の出来事の動画を発見いたしました」
いつの間にやら作業してたアロエが出来るメイドっぷりをさりげなくアピールした。
すみませんがまたしても弾切れですので一週間ほど休ませてください!次回の更新は9月6日になります。では!