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やっとの食事です

全て一人だと大変です・・・ね。

 「さあ、やってしまいましょう」


 土魔法で地面をならし、固めてしまう。そこにボアを収納からお腹を上にして取り出すと、両サイドに深めの穴を掘る。


 獲物を狩った時は、周り中、高い樹木でしたので、吊るそうと思えば、このデカいのも吊るせたのでしょうが、ここでは無理ですね。で、よくよく考えれば、土魔法で地面の土を動かせるのですから、水魔法で血液は動かせないのでしょうか?。取り敢えずやってみましょう。

 その場で魔力を放ち、魔物の中の血液を動かそうと試みましたが、結構な抵抗が。


 「いけそうに思うのですが、このままでは出来ないようですね。何がいけないのでしょう?」


 ポンポン、と叩く感じで確認していたら、触れた瞬間だけ、す~と血液が動く感じがしました。


 「ああ、これも地面に触れてると、土魔法が楽な様に、獲物に触れていれば、水魔法が使いやすいんだ」


 そうと判ればと、切り落とした首側の穴に向け、体中の血液を動かし、血抜きを行います。しっかりとイメージを保ちつつ、ここはお肉が血の味で悪くならない様、最善の努力をすべきと、全神経を集中です。お肉の質にはこだわるのです。

 綺麗に血抜きが出来たら、次は解体です。この包丁でいけるのかな?え~と、何か最適な魔法の記憶あるかな?


 「う~ん、思いつくのは、シャープネスとか言う切れ味増加と、ハードニングと言う硬質化ですね。取り敢えず、魔力ごり押しでいってみましょう」


 流石女神様、創造魔法は伊達ではないみたいです。思い浮かべば創れる。流石チート。包丁とは思えない切れ味と丈夫さですね。とは言っても、身体強化全開で折ろうと思えば折れるし、切れ味も、先程のでは魔物の身体に切れ込めるか?というのが、切れる様になった、と言うだけで、刃物自体の性能が良くなった訳ではないのですが。取り敢えずの補強魔法と言う感じですね。

 で、切れる様になれば解体再開です。お尻の方から首に向けお腹を開いて行くのですね。その際の注意事項は内臓に触れない様に気を付けながら丁寧にやる事。そう鑑定様が言ってます。なになに?魔物の臓器によっては毒素がある事があり、傷を入れると、肉に移る、と。それは大変ですね。注意しましょう。


 初めての作業で時間はかかりましたが、何とか開き終わると、内臓をお尻の方に掘ってある穴に向け引き出します。繋がってますので、ズルズル~という感じで出て、穴にベシャって感じで落ちましたね。鑑定すれば新鮮なので、食用可の部分もありそうですが、この巨体、私が食べるにはお肉だけでも、かなりの日数持ちそう。という事で、今回は廃棄します。あ、忘れずに心臓のそばにある魔石は回収、回収っと。

 穴を両サイド、一応焼却した後埋め戻し、お肉の処理ですね。水魔法で水を出し、身体全体を包むと火魔法で少しずつ温め、お湯にします。ご存じ皮剝ぎですね。こうすると、お肉と皮の間が捌きやすいとの事、そうなの?。で、これも丁寧にやっていきます。なにせ、剣ではなく雷撃の拳で仕留めてますので、殆ど傷が無いのですよ、エッヘン。

 生活するには、衣・食・住が必要です。なのでいずれは人と交易してお金を手に入れねばなりません。この辺の開拓村にも商人が行商に来てましたので、多分壊滅したのを知らなければ、いつも通り来るはずです。それまでに、売れる物を用意しておこう。と、そういう訳です。

 剥いだ皮は、鞣し?をしなくてはならないそうですが、そこは専門家に任せるとしましょう。時間停止の収納へ、またポイッですね。街に行って、教えてもらえれば、其処までしてもいいのですが、今は無理です、諦めましょう。安くなるのかな~、傷の無い皮なのに、ぐっすん。

 一旦、脂肪油まみれの水を捨てて、再度水魔法で包み込みます。そして、氷魔法で水温を徐々に下げ、お肉が締まりだしたら、今日食べる分と、あと一塊だけ切り出して、残りを瞬間冷却。その一塊と凍らせた物を、またまた収納にポイッです。


 土魔法で簡易のかまどを作ります。で、朽ち果てて倒壊している、その辺にある家々の端材を集め、薪代わりに。火をおこし、村にあった平鍋をセットしたら、これまた少しだけ残ってた岩塩を一つまみ分だけお肉に刷り込み<貴重なんで大事に使いましょう!>、投入。良い音と匂いを満喫しながら、片面焼けたらひっくり返して反対面を。今度は中まで火が通る様、薪を散らして、中火に。で~お腹すいてるけどひたすら待ちます。待つのです。


 収納から皿を取り出し、ナイフとフォークも取り出して、ようやく焼けたお肉を、ド~ンです。

 一応、失敗してないか、鑑定様にお伺い。<食用可、美味>と出たので、安心して、いただきま~~す。なんか、トータルすると二日位ぶりの食事の様な・・・じっくり味わいましょう、ウンウン。


 「うんま~~~い。空腹というのもあるかもだけど、塩だけでこれ?ヤバい美味しさなのです。魔物肉侮りがたし、なのです」


 お腹を押さえてひっくり返るほど食べてしまいましたよ。


 食事を終え、火をかたずけて周りを見渡すと、今日ももう日が暮れかけています。色んな事をしたものね~、と、思いながらも、まだまだ出来てない事の多さにウンザリ。ガックシなのです。小屋の中へと戻り、村から持ってきたもので寝床を作ると、瞼が自然とおちてきたので、抵抗することなく眠りにつきます。


 本日もおつかれさまでした。おやすみなさい、なのです。

楽しく読んでいただけたら幸いです。

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