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食料確保します

主人公はまだご飯食べてません。

 低い草をかき分け、けもの道の様な場所を取り敢えず奥へと進む。木々の間からでも遠くに見える巨木を目指して。むやみやたらにうろついても仕方ないので、一直線に方向決めてのマッピング。


 一時間ほど進んだ。代り映えしない風景が続いてる。水場などまだまだ気配すらない。

 この森、ホントに有用なものあるの?疑問に思い周りを一度鑑定してみる。


 「い~~った~~い、痛い、痛い、痛い、痛い、痛い・・・・・」


 周り中の情報が一遍に頭に流れ込み、余りの痛さにその場でのたうち回ってしまいました。ヒールの回復魔法とクリーンの魔法で頭痛と服の汚れを何とかすると、つい呟きました。


 「ふぅ~、頭に回復魔法って、覚えた事消えない?おバカにならない?まぁ、情報は残ってるみたいだし、そんな事ないか」


 そこに表示されたのは、木々の名称だけでなく、植物も凄い種類が。恐ろしい事に、雑草と表示され役に立たない、とされているのは3,4割。残りは何と全てが種類の違う薬草類なのでした。木々も建材、資材は言うに及ばず、メープルや果樹など凄い種類が。

 なぜこんな範囲だけでも、それ程バラバラの、植生も時期も環境も違うものがと思って、それだけを注意し、範囲を絞り、足元を鑑定してみれば、なんと森自体が迷宮化の影響を受けてるとの事。この森は途轍もなく広く、この土地の中に幾つもの迷宮があるそうだ。その迷宮からあふれる魔素で周囲も同化しかけているとの事。何なの其れ?と言う感じの鑑定結果に目的を忘れそうになっていた。

 いずれは必要かもしれないが、今日は違うのです。今日の目的はあくまで食材。食べない事には死んでしまうのです。マップにはまだ表示はありませんね。〇なら獣か魔物、△なら人族?(意思疎通、会話可能なら、これの範囲)、✕なら罠ですね。で、それぞれが敵性なら赤く、通常状態なら青く、警戒状態なら黄色で表示されます。便利ですね。なので現在は〇を目当てに探しているのですが・・・見当たりませんね。帰る事を考えればあまり初回から深く潜るのは危険な気がしますが、そんなことを考えつつ、木の根元に寄りかかり休憩していると、ギリギリ範囲外からこちらにむけ〇印が。隠密を更に意識し魔力を込め気配を消しつつ、息を殺して見守っていると、ビックボアと呼ばれるデカい猪が走ってきます。こちらにはまだ気付いていない様で、マークは青のまま、一本の木に向かっていき、その根元を掘り起こしています。よく見るとそこだけ土が柔らかそうなので、何度か掘り起こされているのでしょう、目の前の魔物の餌場なのかもしれませんね。なので、そちらに気を取られている間に~~、私の為にごめんなさ~~い、をさせて頂きます。

 身体強化で能力を上げ、風で勢いを増し、雷を纏った腕で突撃して殴り飛ばす。最初の一撃は背後からだったので、綺麗に入りはしたものの、致命傷にはならず、さりとて雷撃で痺れて動けなくなっている所に、首に向け蹴りで風の刃を放ちました。

 初体験で魔力を込め過ぎたのか、首に切れ目どころか、チョッキーン、コロコロと言う感じになってしまいました。ご愁傷様です。良い感じで血抜きも出来そうなので、樹に吊るそうか、そう考えたときあることに気付きました。


 「なんの道具も持ってないじゃない。紐も、解体用のナイフも、それどころか、調理器具も・・・なにもない・・・」


 項垂れつつ、思考を巡らせ今出来る事を考えます。放置すれば森の中、他の魔物の餌になる事は必須。なので取り敢えず獲物を持ち帰る為、収納魔法を作り出しその中に、ポイッと放り込みます。念じれば収納の入り口を獲物の下に展開できたので抱える事無くすんでラッキーでした。3メートルはあろう大きな獲物。それを手に入れたからには、此処には用はありません。レッツ、帰還です。

 マップがあるので少々暴れまわっても、方角を間違うことはありません。向かった時と同じ時間で帰りつく事が出来ました。さあ、これからです。


 気はかなり重いのですが、昨日後にした、あの村へと再び訪れる事になりました。残った建物から使える道具の回収です。昨日は冷静ではなかった為、其処まで気が回りませんでした。

 道具小屋の様なところから、紐やランプ、鍬や斧など適当に、各家々からは調理器具や生活必需品を探し回りました。ですが、専用の解体ナイフなどある訳もなく、


 「この包丁各種で、取り敢えず捌くしかないようですね」


 ついつい漏らした独り言を最後に、森の入り口の小屋へと急ぎ戻ります。なにせ昨日から何も食べていないのです。すぐさま解体しないと、そう意気込んで全力疾走しました。村にいたくないという事と空腹を満たす為、そんな考えだったのですが。


 「全力疾走なんかしたから、余計お腹が空いたではありませんか」


 ブツブツ小言を言いつつ、作業する為の場所を土魔法で作るのでした。

楽しく読んでいただけたら幸いです。

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