表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

秋に死んだアリと常春のキリギリス達

作者: 倉科さき

 どいつもこいつも馬鹿ばかりだ。

 その場の楽しさばかりを優先して、未来のことなんか考えちゃいない。

 後で後悔するのは自分なのに、どうしてそれがわからないんだろう。それを考える脳すらないのか、と嘲笑する。


 悪事を誇らしげに語る奴らなぞ、恥ずかしくて近寄りたくもない。

 俺はただ日々、真面目に、正しく生きる。

 本は参考書以外読んだこともない。読書感想文はあらすじを真似すれば字数なんていくらでも稼げるし、「豊かな心」なんてなんの役にも立たないと知っている。ましてやくだらない作り話なんて読む必要性すら感じない。


 放課後遊びに行くだなんて言語道断。少しの時間も無駄にはしない。勉強、勉強、勉強。いい高校に入って、いい大学に入って、いい会社に入って、いい立場につくには、遊ぶ暇なんてない。

そうして富める生活を送ることが幸せなんだ。そのはず。


 それなのに、どうしてあいつらはずっと笑っている?俺はこんなに苦しい思いをしているのに。あいつらの方が下なはずなのに。あいつらが遊んでいる時間も僕は努力していたのに。俺の方が、俺の方が、俺は。おれは、未来で幸せになるために……


 胸が痛い。体中の血が沸騰したように熱くなり、力が入らない。苦しい。外で子どもが笑っている。助けてくれ。誰でもいいから。誰か

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ