表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/3

やっぱりプリンが一番なのじゃ

連続更新します。

うまくオチれば次回で最終回かなかな?

俺が異世界に行ってから帰ってくるまで1年かかった。


しかしこちらの世界では一瞬のことらしく、誰も俺が居なくなったのに気づいていなかった。


そして俺が魔王を連れ帰り暴れさせてから1ヶ月。


俺は魔王に汗など(たぶん)エロくない体液を与えて度々世界を震撼させた。


そのおかげで世界は大混乱に陥り、秩序は壊れかけた。


しかし…


「もうこれ以上はやらないのじゃ」

「なんでだよ?!」

「わしのせいで『いずみや』が店を辞めたのじゃ!あの絶品のプリンが食べられなくなったのじゃ!」

「お前って殺戮や破壊衝動あったよな?あれはプリンに負けるのか?!」

「そうじゃ」


あっさり肯定された?!


「そもそもこの世界に来れたのは、この世界の神に認めてもらったからなのじゃ」

「だから姿を誤魔化してきたんだよな?」

「それだけではダメなのじゃ。わしが持つ破壊と殺戮への衝動は抑えられ、更には人を殺せなくなっておるのじゃ」


そういえば被害はあるのに死者はゼロなんだよな。

なんでかと思っていたけど…。


「じゃから無理に世界を滅ぼそうとしなくても、わしはこのままのんびりしていられるのじゃ!」

「何言ってるんだ!もうこの辺に魔王が居るって知られたから、またいつ攻撃されるか分からないんだぞ!」

「その時はわしにキスしてくれればいいのじゃ」

「そ、それはそうだけど…」


いくら最愛の妹由梨絵と瓜二つでも、キスには抵抗がある。


まだ俺たちの関係が許されるほど秩序は破壊されていないからな。


「今回はお兄様の涙を飲みたいのじゃ」


そう言うと魔王…真緒まおは俺の頬に顔を寄せてくる。


真緒と言うのは、魔王に名前をつけてくれと言われたから付けた名前だ。


はっきり言って手抜きなネーミングなのにいたく気に入ってくれた。


「それではこれを見るのじゃ」

「そ、それはっ!」


『競馬娘第二期』のブルーレイ!


しかもトリプルアクセルが超絶追い上げで最下位から重賞勝利して主人公が復帰を決意する回!




「う、うううっ」

「お兄様は泣き虫じゃのう」

「うるさい、真緒はこんな話を見ても悲しくないのか?」

「面白くはあるが、悲しいとかは分からぬのじゃ」


そう言いながら俺の涙をぺろぺろと舐める真緒。


真緒の座っている位置と反対側の目から流れる涙は真緒の指が口となって余さず吸い上げられている。


「兄貴!さっさとお風呂に入ってよね!私の後だからってお湯を飲んだりしたら許さないわ…よ…」


またしてもノックをしないで俺の部屋の扉を開けた由梨絵は固まっていた。


「ま、また私そっくりな化け物がおにい、兄貴と変なことしてるっ?!」

「ヒッヒッヒッ」


真緒は気味悪く笑いながらその顔をおぞましく歪める。


「いやああっ?!はうっ」


またしても気絶する由梨絵。


って、風呂出たばかりでバスタオル巻いているだけじゃないか!


「ふむ、これはチャンスなのじゃ」

「な、何を言うんだ?俺は由梨絵には何もしないからな!」

「別にお兄様にしてもらわなくていいのじゃ」


そう言うと真緒はバスタオルをひっぺがした。


「わっ?!何を?!」

「写真からではこの娘の正確な外見は把握出来なかったからのう。ふむ、こんな所にホクロがあるのじゃな」

「やっ、やめろっ!」

「なんじゃ、目を塞いでおるのか。愛すべき妹ならガン見してはどうじゃ?」

「由梨絵に無断でそんなことできるかっ!」

「この娘が許可したらどうするのじゃ?」

「じっくり見たいです」

「この馬鹿正直者が。よし、あとはわしが着替えさせておくのじゃ」

「それは助かる」

「では、涙採取の続きなのじゃ」


俺と真緒はアニメ鑑賞を再開する。


「うううっ、うぐっ、なんていい競馬娘なんだっ」

「なかなかたくさんの涙を流すのじゃな」

「どうだ?これでまた暴れられるか?」

「それは嫌じゃ」

「でももっと秩序を破壊しないと、またここを攻撃されるぞ?」

「それならばわしの眷属を世界中に送り込んだらどうじゃ?」

「眷属を?」

「つまりは大量の魔物じゃ。ここを異世界のように武器と魔法で魔物と戦う世界にするのじゃ!」

「するとどうなるんだ?」

「分からぬのか?あちらの世界では兄妹であろうと教え子であろうと10歳であろうと、愛さえあれば結ばれたのじゃぞ」

「あっ?!」


そうだ。

あちらの世界は便利な魔法があるため近親や未成年であっても問題なく子供が作れた。

大切なのは双方が愛し合っていることだけだっだのだ。


「頼む!是非そうしてくれ!」

「ではわしの眷属を『産む』ために、わしと『交尾』するのじゃ」

「は?」

「聞こえなかったのかの?交尾じゃ交尾」


それって○○○○だよね?


「そうじゃ」

「むりっ!絶対無理っ!」

「秩序が壊れてから妹に望まれたら?」

「やりたいです」

「結局お主は自分で自分を縛っているだけじゃの」


そんな事言われても…。


「仕方ないのじゃ。人差し指を出すのじゃ」

「これで何を?」

「それをわしの口の中に入れてジュポジュポするのじゃ」

「は?」

「○○○○っぽい事をすれば弱いながらも眷属を産めるのじゃ」

「そうなの?!」


俺は手を洗いに行こうとするが、真緒に腕を掴まれる。


「お兄様の匂いが好きなのじゃから、洗って欲しくないのじゃ」


俺はまたしても真緒の上目遣いに負けて、指を真緒の口に入れる。


ジュポジュポ

ジュポジュポ


うう、変な気持ちになりそうだよ。


「お兄様のお○○○○、すごく美味しいのじゃ」

「いやらしい事言うなよっ!」

「なんじゃ?お人差し指のことじゃが?」

「紛らわしいわっ!」


ジュポジュポ

ジュポジュポ


「…ん?何の音?」


不意に由梨絵が起き上がり、俺たちの方を見る。


「ま、またおかしな幻覚が?!なんで私があんなに嬉しそうにおにいち、兄貴の指をしゃぶってるのよ?!」

「ふう…(ちゅぽん)。お兄様の『精』を堪能したのじゃ。ほれ」


みるみる真緒のお腹が膨らんでいく。


「これでお兄様の子供を身ごもったのじゃ!」

「う、うそお?!私がお兄ちゃんの子供を妊娠したのっ?!はうっ…」


ショックだったのかまた気絶する由梨絵。


「さあ、これで栃木は魔物の恐怖に怯えることになるのじゃ!」

「え?栃木だけ?」

「それ以上は、もっと体液をもらってからなのじゃ」


そう言うと真緒は愛しげに自分のお腹を撫でた。


「ただしじっくり育てれば北関東くらいまでは大丈夫なのじゃ」

「じっくりってどうやって?」

「また外で汗をかいて舐めさせるのじゃ」

「また?!」


俺と真緒は外に出かけた。


真緒はまたしても俺の腕にギュッと抱きつく。


むにょん


「え?胸が当たる?」


ぺったんこだったはずなのに?


「孕んだせいじゃの」

「眷属に母乳要らないだろ?!」

「人間の体だから仕方ないのじゃ。うりうり」

「やっ、やめろよ!」


「えっ?!うそ?」


その声に振り向くと、由梨絵の友達の愛佳がこっちを見て凍りついていた。


「ちょっと、何してるのよ!」

「お腹の子のために散歩してるのじゃ」

「妊娠したっていうの?!嘘よね?!」

「お腹も出ておるじゃろう?ほれ、胸も膨らんだのじゃ」

「嘘よね。嘘だわ。きっと悪夢だわ」

「悪夢とは、こんな感じかの?」


突然真緒が無貌になって愛佳の方を見る。


「ひいっ?!」

「さらに、こうじゃ!」


無貌の顔にいくつもの目が現れる。


「は、はううううう…」


しゅわああああ…


何と愛佳は気絶する代わりに失禁してしまった。


「はうっ…」


少し遅れて失神した。

失禁して失神か。


とりあえず連れ帰って…どうしようか?


妹の友達ではあるが、教師として教え子でもある愛佳が失禁したのであれば衣服を替えてやるべきだよな?


いやいや、まだ『秩序』がそれを許してはくれない。


仕方なく真緒に頼む。





「終わったのじゃ」

「ありがとう。結構かかったな」

「出産もしていたからの」

「は?」


その後、北関東にダンジョンが突如現れ、そこに魔物が溢れたとニュースになっていた。

お読み下さりありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ