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綾乃さんに惚れた日

作者: みじんこ

カバートアグレッシャンドとは?

「あなたの為」と言いながら悪いとこを指摘して喜びを感じる人の事である。

1

仕事中である。

デスクワークにて、俺は業務を遂行中。

俺の席の横には同じく同じ派遣スタッフをして勤務している短期派遣の綾乃さんという女性が同じ業務を行っていた。

そのコのマウス付近には、コンビニで買ったと思われるカフェオレが置かれている。

それはこれ以上近づいてくるなという暗黙の壁なのかもしれない。

しかしそのカフェオレのストローがこちらに向いていることから、寧ろ俺を誘っているんじゃないかとも思わされてしまう。

一体どっちなんだ、綾乃さんはどっち側の人間なんだ。

俺に好意がある側が、俺をキモいと感じている側か。

ああ、いけない。これでは仕事に集中できない。

一体いつからこんなに綾乃さんを意識するようになってしまったのだろうか。

この職場に入った当初は、まるで意識なんてしていなかったはずである。


2

まだ寒さの残る3月の初め。俺は今日から行く短期派遣の案内をしてもらうために、派遣の担当との待ち合わせ場所にいた。待ち合わせ場所といっても、仕事先のビルの真ん前である。同じく入る派遣メンバーはあと2人いた。その1人は既に到着しており、かなり若い女性で、やたら、透明感のある、いかにも俺とは縁のなさそうな小さいただの若い女性だった。その後派遣の担当者が来て、待つこと15分ようやくもう1人の派遣メンバーも到着。その人はおっちゃんだった。40代ぐらいだろう。

初日はこう言う仕事をするというレクチャーである。

俺はなんとなく何も考えず歩いていたら、綾乃という同じ派遣社員メンバーの横になっていた。まぁせっかく同じく入ったメンバーなのだから、ちょっとぐらいは雑談もしていいだろうと「ここの派遣先は結構やられてるんですか?」なんて話をした。その女性は気さくに笑顔で「少し前からでした」などとたわいのない話をした。もう1人のおっちゃんの派遣さんは普通に話しかけてくる気さくな人だった。やや酒臭いが。

初日が終わり、帰る時に綾乃さんと一緒に帰る事になった。まさか若い女性と一緒に帰れるとは思わなかった。いい人さうだし今回の派遣先はいいかもしれないなと思ったものである。


3

思えば、初日の帰り綾乃さんが一緒に帰ってくれたのは俺に気を持たせようとしたのかもしれない。そういう思わせぶりな態度をとってヤキモキするのを見て喜ぶタイプなのかもしれない。前読んだ本に書いてあった。カバートアグレッションタイプだったのかもしれない。ともかく、次の日からその子は素っ気なかった。昼飯の時間になればすぐに、逃げるようにどこかに消えた。帰りも一緒に帰れそうな雰囲気でもなく即座に、帰っていった。そのせいか俺は綾乃さんのことばかり意識する様になっていった。初日、いい感じに帰ったことにより、「こいつあたしの事全く意識してないじゃん」っと感じ、意識させるべく素っ気なくしはじめたのかもしれない。っと思えば、次の日には綾乃さんの方から喋ってきたりもした。

カフェオレのストローをこちらに向けておいてきたのもそういった惑わしなのかもしれない。ああ、俺はどうすりゃいいんだ。意識が止まらない。


4

綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。綾乃さん好きだ。


5

時間もないので今回のオチ。

その後、話す日もあれば話さない日もあったり、うれしかったり悲しかったりの日々を送り続けていたが、同じ派遣のおっちゃんの仕切りで飲み会が開かれる事になった。

そこで、綾乃さんといろいろ話した。

「いろいろ質問してくるのはセクハラですよ」と言われた。

どうやら、質問したのが気持ち悪かった様だ。

んー、でも会話において質問するのは当たり前だと思うのだけど。

ここでの派遣を始めて2ヶ月、ここでの派遣は3ヶ月で終わるのだけど、その頃には、あろう事に、この会社に勤めるほとんどの男性が綾乃さんに夢中になっていた。

会話をすれば綾乃さんの話題ばかりをしていた。

綾乃さんはもしかしたらこの社内の誰かともう付き合っているのかもしれない。

飲み会の後からはもう、全く喋ってくれなくなったのだ。

女性は謎だ。何を考えているのかわからない。


まぁなんでもいいか。

派遣が終わってから、そのコのおかげで自分を変えようと始めた筋トレや読書などの習慣は今だに続いている。健康に気をつける様になった。


それだけでも、あった価値は確かにあったのだ。


ありがとうございました。

俺は綾乃さんに最後にそう言って別れた。

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