プロット(魔女冒険譚)
第1章
起 十数年前に拾って育てた弟子が姫巫女に魔法を教えて欲しいと訪ねてくる。弟子は治癒士として王城に勤めているらしい。姫巫女とは魔獣・魔族を退ける存在で魔の勢力が活発か今は必要な存在らしい。幾つかの条件を提示され渋々ながらも受け入れる。
条件①王城にある貴賓室で過ごす、姫巫女に教える時間以外は何をしようと関知しない
条件②従僕、メイドは美形、美女揃いにする。食事はいつでも食べれるように手配しておく
条件③呼べば弟子はいつでも駆けつける
条件④魔女である師匠に誰も命令は出来ない
城に着いて姫巫女に魔法を教えようとするが魔力の流れすら姫巫女が感じ取ることが出来ず、指導が難航する。弟子もそこで躓いたらしい。取り敢えず基礎の基礎の基礎から教え始めるが、厳しい指導だったので姫巫女が不貞腐れ授業から逃げ始める。なので取り敢えず弟子をガンガン鍛え始める。気づいたらこの国の魔法の素質のある第二王子が第二の弟子と化していた。
承 ある遺跡から石板が発掘され、魔の勢力が活発になった原因が発覚する。聖地と言われる結界の要の力が弱まっているor破壊されたらしい。また石板によると聖地は八ヶ所、現存しているのは三ヶ所らしい。生きている聖地をよく調べれば同じような石板が幾つかあったらしい。そして八ヶ所の内の一つは魔女師匠の生まれ故郷ということが魔女師匠の言葉で発覚する。
ただ魔女師匠の生まれ故郷は、魔女師匠が子供の頃に魔女狩りがあり壊滅、魔の森に沈んだという。騎士のマントを着ていた。当時の生き残りは魔女師匠含め五人、内二人は天寿を全う。残りの二人は生存不明。
転 なんとか魔法が使えるようになった姫巫女一行たちを他所に魔女師匠と弟子1、2で遺跡の詳細を知っているかも知れない他の魔女の捜索に手をつける。情報は他の魔女を看取った地と魔女師匠と同じように森に近い場所に住まいを持っている可能性が高いということだけ。人を使い時に自らの手足を使って情報を探っていく。
ある日、この国の北の森の近くに魔女が住んでいるとの情報を手に入れ、向かうことになる。
旅の途中で人狼の子供を拾い、拾い癖でもあるのかと弟子1に呆れられながらも、弟子1.2の言うことをよく聞きメキメキ育つ弟子3に悪い気は起こさず弟子1、2がビシバシ鍛え始める。
三人を連れ立って魔女が住むと言われていた北の集落に着くと何者かと争った跡があり、死者多数。生存者に話を聞けばフードを被った何者かが魔獣を引き連れて襲ってきたとのこと。北の魔女も応戦していたが魔獣の多くを引き連れ行方不明。同時にフード人間も失踪。とりあえずある程度治療して魔女の住処へ行くと、強盗が入ったかのように荒らされ、地下から血塗れ虫の息の北の魔女が見つかる。延命処置を施すも魔力の核を失っており数分会話した後死亡。北の魔女曰く、フード人間は同じ生き残りで、魔女狩りに対する復讐とのこと。北の魔女が研究していた魔力譲渡についての研究資料が紛失していた。
城に戻り王、姫巫女一行に以上の事を伝える。また城に戻る途中に寄った魔女師匠の家も荒らされていた事を伝える。魔女師匠は特に研究をしていた訳ではなかったので、特に大きな被害なし。( 弟子を育てることが研究成果だろう、と言い切る)
姫巫女は魔女の仕業と聞いて憤慨するが、聖地破壊との因果関係の確証はなく、寧ろ魔女師匠の故郷にあった聖地はこの国の王族が破壊した状況にあり。魔女狩りの理由も三代前の王が老いがゆっくりであった魔女師匠一族を怖がった故の所業と判明する。現王より魔女師匠一族はハイエルフとの混血だった可能性を示唆する。また他の地も紛争などで破壊された可能性もあることを姫巫女に諭す。
今後として、魔女師匠一行は同胞探し。姫巫女一行は聖地巡りをすることに。姫巫女一行に弟子1も加わる予定であったが、弟子1は拒否。治癒士を引退し魔女師匠の弟子として本格的に魔法を学びたい考えを示す。姫巫女は喚くが王も弟子1も黙殺し、魔女師匠一行は一週間後に城を出る。
王族として三代前の王がした事を国民の前で明らかにし、謝罪するという言葉を携えて。
結 同胞探しは難航を極めるかと思いきや呆気なく見つかる。荒れ果てた南の地でミイラのような風貌で安楽椅子に揺られていた。その魔女による昔語りが始まる。
魔女師匠一族の祖先は少数民族でエルフと共存していた。エルフの魔力が土地に染み渡り、次第に祖先たちにも染み渡った。始めの頃は人間と比べて少し長生き程度であったらしい。徐々に魔力として身につける子どもが増え、魔法という形として扱うようになっていったらしい。その頃には人間としてはあり得ないくらいの長寿、エルフとしては壮年期程度の寿命を得ていた。
ある日、王国の騎士たちが魔物に襲われて迷い込んできたところを魔女師匠一族が一時保護する。けれど恐慌状態にあった騎士たちは一緒に保護してくれたエルフや魔女師匠一族を傷つけ、殺し、騎士たちは国へ戻った。怒り悲しんだエルフ一族は魔女師匠一族に別れを告げ誰の手にも届かぬ所へ消えた。魔女師匠一族はその結末に嘆き悲しむ最中、国が狼煙を上げ襲ってきたと言う。魔獣を連れて。多分、魔獣の子を殺し魔女の故郷に捨て投げたのだろう。魔獣に襲われ逃げ出した先には国の騎士がいて斬首。そして魔獣毎火の海に浮かべたとのこと。
同胞魔女は命からがらエルフの祠に逃げ、赤子であった私を含む四人の魔女と一緒に各地を逃げ回っていたらしい。
そして次に告げられた言葉が衝撃の事実であった。復讐に身を焦がし続けていた北の魔女は魔族に身を売り、人間に復讐を果たそうと虎視眈々と計画を立てていたらしい。同胞魔女だけでなく魔女師匠も仲間にしようとしていたらしい。魔女師匠は平和に過ごしているのに巻き込むなと同胞魔女は説得していたが、交渉決裂。魔力を根刮ぎ奪われ、今の状態になっているらしい。
では北の魔女の惨状は?と聞けば、もしかしたら魔族に囃され身を売ったのかも知れないとのこと。北の魔女が研究していた事は禁忌に近いものであり、それを魔族に狙われたのかもと。最後に会った時はまだ研究途中であったが、魔力を奪われたからほぼ終了に近かったのでは、と話す。
弟子1がエルフの祠について聞く。エルフの祠とは生命の源。エルフが管理していたからエルフの祠と呼んでいた。他の呼び方があるのかもしれない。月が輝く時、エルフだけでなく魔女師匠一族もその祠に入り作物やお酒を祀り、石に魔力を注いだとのこと。また誰かが亡くなった時もエルフの祠に安置し、エルフの祠の外で一晩火を焚き続けていたと。死者は大地に還ると言われていたらしい。
エルフの祠と呼ばれるような存在は他にもあるかとの問いにはあるかもしれない、と。魔女師匠の故郷から消えただけで他の地に根付いた可能性もあり、エルフの寿命から考えて一つの土地に居続けず各地を巡っていた可能性もある。詳しいことはエルフに聞いてみないとわからないと同胞魔女は言う。
王の謝罪の旨を伝え、王城にくるつもりはあるかと聞くと、そこまでの体力がないと話す。ただ謝罪は受け入れた、と。またエルフにも謝ってほしいと。了承し、また来ることを伝えて同胞魔女の家から離れる。
暫くの間、同胞魔女が座る安楽椅子が揺れていたが腕が肘置きから落ち、指先からサラサラと砂のようにと崩れ落ちていった。
城に戻って上記を報告。王、頭を抱える。遺跡に到達した姫巫女一行からは魔物が襲ってくるだけで何も起きないとの情報が入っていたらしい。姫巫女とは魔物と対峙するには力を発揮するが魔力量としては弟子2にも劣る量であり、魔力を注がなければならないという点では力及ばず。この情報を携えて追従してほしいとの依頼。弟子1.2.3の願いもあり渋々了承。王はエルフについて調べるとのこと。
魔女師匠一行による遺跡巡りが始まる…!
第一章完結